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第4話 人形小豚のハスティ -4-

そして僕はあのディナーショー後から、犬の老紳士の友人だという牛の獣人であるヴィルム様の"話し"相手として、彼の個室のテーブルに頻繁に呼ばれる様になった。 彼の見た目は四十代前半で、あの老犬紳士の彼とは年齢の差異が多きく感じられたが、本人達が"友人"と言い合っているのだからと僕は素直にその関係を納得した。 そんな彼は筋肉がとても盛り上がっており、不思議に感じていたら「ダブルマッスルなんだ」と説明をされて硬い腕を触らせてくれた。 更に頭から生えた角が闘牛のそれを思い出させて、軽く軍関係の仕事をしていると言われた時、僕は変に納得してしまった。 彼は実にゆったりとしていて、煙草独特のニオイのとヤニの汚れが気になら無い魔工タバコを常にふかしていた。 魔工タバコというのは、好みのフレーバーのリキッドを特殊加工された魔石に満たし、それを炎の魔術式が施されたタバコを模した筒にセットして吸い、炎の術式で暖められた魔石内部のリキッドが吸い上げる力に反応して、ミスト……煙状に放出されるのをタバコと同様に吸引して楽しむ嗜好品の事である。 魔石に込めるリキッドは好みに応じてある程度ブレンドが可能で、素のフレーバーを楽しむ者も居れば、ニコチンを入れて紙煙草に近い楽しみ方をする者も居る。 魔工タバコの特徴として、ヤニが出無いのと、"ニオイ"が染み付かない、様々な味が楽しめる、"火"を直接使わないから安全……な事が上げられる。 でも、魔工タバコは"手入れ"が必要なのと、各パーツがそれなりな値段をしているので、紙煙草ほど普及してないのが現状だ。 そんな魔工タバコ愛好家のヴィルム様のお気に入りのフレーバーは"ピーチ"で、フルーツ系が好みだと教えられた。 ニコチンが欲しいが、煙草のニオイと汚れは避けたい……そんな先に行きついたのが"コレ"だと、手に持つ魔工タバコを振り笑った。 試しに吸わせてもらったけど、確かに美味しいピーチの味がした。まぁ、初めてだし、加減が分からずニコチンに咽てしまったけど、そこはご愛嬌……だ。 それから呼ばれて彼の所に行くと、大体ライオンの王様・アルハームも居て、ヴィルム様と二人がかりで僕を可愛がってくれた。 ……まぁ、"可愛がる"にはアレ的な意味も含んでいるけど。 アルハームに胸を揉まれながら、ヴィルム様にお酌をしたり、口移しで果物を食べさせたり……まぁ、色々だ。 そして二人とも、僕に"達する"事を強要……しない。 二人は戯れる様に僕のペニスを弄り、先走りの透明な汁を舐めたり、それでアナルを解して挿入も受けた。 "好い"と僕は感じて、ペニスを勃起させてヒクヒクするのに、先端の窪みからはトロリと粘つく透明な汁が溢れるだけ……。 それでも二人は僕に愛撫して、甘やかしてくれる。甘い、甘い空間。 ヴィルム様が居る間のこの部屋の空気は常に甘く、彼の吐く息も、全てがピーチ……桃色だ。 その日も呼ばれて出向いたいつものピーチの甘い煙が充満する個室で、ヴィルム様に抱かれて蕩け顔で喘ぐアルハームに出くわした時は、衝撃を受けた。 アルハームは攻める側だけの獣人だと思っていたからだ。……まぁ、実際、現在の彼を抱くのはヴィルム様だけの特権だと後から知ったのだが……。 そして抱かれるアルハームは僕の腕を引き、彼は僕をそのままの状態で抱いてきた。 背面からアルハームともヴィルム様ともとれる強い突き上げに、僕は涎と涙を流しながら乱れた。 ヴィルム様に抱かれて、いつもより色気を増させて普段と違ったアルハームの姿に、僕は"男"として欲情したのかもしれない……。 それでもヴィルム様によりアルハームが甘い吐息を僕の耳元で零す度に、僕の内部はアルハームを強く求め、断続的に"ピュ! ピュ!"と透明な汁を飛ばし始めた。 最初は背面で居たのを、正面にされてアルハームと抱き合う形で抽挿を始めた時、ヴィルム様はアルハームに挿入をしておらず、今度は僕の背後に立っていた。 そしてアルハームに上下に揺すられながら悶える僕の尻を、大きい肉厚な硬い手で強めに揉んで来た。 彼の手でグネグネと変形する尻肉にも、僕は感じ始めた。 アナルをアルハームに犯され、ヴィルム様に尻を揉まれる。 僕は二人の行為に甘ったるく喘ぐ声が止められず、体内にジンジンとした甘い疼きが溜まる玉袋が"クン!"と上がり、それがペニスに現れて先走りをダラダラ垂らしていた。 するとそれを発見したヴィルム様が僕の耳元で「俺はピーチが大好きなんだ、知っているだろ? ……ハスティ、食わせろよ」……そう囁くと…… ―がぶ!! 「~~~ンぉッ!?? ぎゃ……ッ、ぁ、あ、あああ! ああぁっ!!!」 ―ぶびゅるる! ぶびゅうううう!!! 尻をヴィルム様に思いっきり強く齧られ、僕は意識を飛ばしてここ一番の大量射精をした。 白濁は下から僕とアルハームの顔まで汚し、長々と続き、久し振りに玉袋に溜め込まれた白濁をたくさん放出した。 僕が射精している間、アルハームは「締まる……」と呟き僕の内部に白濁を放ってきた。 そして僕はアルハームが内部に放った熱で意識を戻し、彼に労わるように頭を撫でられた。 すると、尻の一部がジンジン熱を持ち、何だか分からないクラクラした意識の僕を置いて、アルハームとヴィルム様が会話をしていたのだけど…… 「……少し……やり過ぎですよ。可哀相に……白い尻に噛み痕が赤く残っている」 「でも、ちゃんと"ジュース"が出ただろ? ハスティは程好く柔くて美味い白桃だったぞ? 今度、お前の桃も噛んでみるか、アルハーム?」 「……全く……あなたは……。歯をカチカチしないで下さい……」 ……え。えええー……。 僕、もしかして荒治療されたの? まぁ……良かった……んだよね、うん。感謝だな。 ―……そして僕は、また"達せる"様になった。 それから暫らくして、アルハームはヴィルム様に身受けされた。 アルハームは別れ際に僕に「機会が有ったら、またどこかで会おう」と言い残して、店を去った。 僕は少し……悲しくて、その夜、アルハームを想いながら自室で涙した。 ヴィルム様が使っていた部屋の空気は、もう店と同じになっている。 元々ピーチの香りは一日たてば、自然に消える。壁にも服にも、人にも付かない。 ヴィルム様は、ニオイが残る煙草を嫌っていたのだから、甘いピーチの香りが消えるそれは当然だった。 「…………」 僕は、もう消えた尻のヴィルム様に噛まれた辺りを撫でた。 何も無い、なだらかな尻。 ―……甘い時間は終わってしまったのだ。

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