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第9話 人形小豚のハスティ -9-

―……身受けされてから半年が経ち、僕は"生活報告"の目的で街の役所に向かった。 『生活報告』とは、新体制になった事で廃止された奴隷制度で、軍人達に保護された奴隷が定期的に現状を報告するものなんだ。 奴隷では無くなったけど、不当な扱いをされてないか等をチェックしてくれ、双方の相談窓口的な役割も担っているんだ。。 これは、元奴隷を受け入れたら五年は続ける約束。つまり、五年は保護してくれた軍人が面倒を確り見てくれるという事だ。 ノーク様は確りしているし、僕を大事にしてくれる。 屋敷の人達も問題無く、温かい。 僕自身も不満が無く、ノーク様の下に居れるのが嬉しい。 そんな感じで生活報告を無事に終えて帰途についている時、急に腕を掴まれてとある馬車に連れ込まれた。 僕は突然の事に対処出来ず、引き込まれるまま馬車に入り、手早く後ろ手に縛られて座席部に転がされた。 不恰好にやや硬いスプリングの上に倒れこみ、二回ほど身体が跳ね、落ち着いたところで僕は連れ込んだ人物を確認した。 そして僕は問題の人物に動揺した。 「ハスティ、たまたまの往診中に街中で出会えるなんて、運命を感じます……。ああ、私の可愛い人形……」 「あ……あなたは……」 僕に特殊なピアスを施した、狐の魔法外科医のセム様! 彼は緩くウエーブのかかる金茶の髪の間から藍色の瞳を潤ませて、僕に触れてきた。 「新体制になった時に、本当は密かに君を軍人ではない私が身請けするつもりだったのですが、根回しが足らず軍上部に居るヴィルムに邪魔されてしまいましてね……。 君を、自分のお気に入りの突撃隊・隊長のノーク・グラハンテに身受けさせたんですよ」 頬を摩りながら、僕に覆い被さり顔を近づけてきた。 「……しかし君は、身受け先のあんな"突っ込む"のが得意なだけの野蛮な脳筋軍人にとても懐いて……。 私には一度も見せなかった、愛らしい笑顔を無防備に振り撒いている……!」 「!!?」 「信じられない! いくら愛しい君でも…………簡単には許さない……」 光りの無い濃紺の瞳。 僕を見ているのに、見られてない感覚。 僕は言葉が出なかった。 そして馬車は彼の病院に着き、僕は院内の個室に連れ込まれた。 「―……さて……私以外に愛想を振り撒くなんて、ハスティにはお仕置きが必要、ですね……?」 「……ぃ、いや……いやぁぁあ……」 泣き喚く僕をベッドに紐で固定し服を剥ぎ全裸にして、自身も全て服を取り去り露になったセム様のペニスは、僕の知っていた彼のでは無くなっていた。 「―……ヒ!?」 「ああ、このピアスならシても内壁は大丈夫ですよ」 何と、ペニスに無数の丸いピアスを点画の様に埋め込んでいたのである。 そして手早く自身のペニスに香油を塗り、僕のアナルに指二本で具合を確かめる様に抜き差しすると、早々にペニスを突き挿しできた。 「私の方が間違いなく、あなたを愛しているんです!」 「~~~~!?」 ―じゅぶ……ぐぶぶぶ…… 「……ッ、ゃ、やぁっ! いや、いや、いやぁ!!」 「ハスティ、ハスティ……! 私の愛しい人形!」 アナル内部をゴリゴリゾリゾリと数多の丸いピアスに擦られ、僕は拒絶の声を上げ、拒否する意思で彼の胸を強く押し離れようとした。 「私を拒絶するのですか!!」 「ヒッ!!」 怒りに目が血走っていて、怖い! 前世の僕を殺した、あの男を思い出す……!! 「ますます悪い子ですね!!!」 「ぅあ、ぁ、あああっ……ぁぁッ……」 そう言うとセム様は僕の腰を掴み、後ろからガツガツと乱暴に力の限り打ちつけ始めたんだ。 ペニスで穿たれる度に"ぐっちゅんぐっちゅん!"と体液が派手に飛び散って、僕は恐怖に震えた。 そして今度は萎えっぱなしの僕のペニスに不満を爆発させたセム様は、僕のペニスの皮の中に指を入れて潜む先端を弄りながら乳首を捏ね始めた。 刺激で無理矢理に皮から先端を剥かれて弄られたペニスは少し先走りを出し、乳首は赤く染まりツンと尖った。 その僅かな先走りに満足したのか、セム様は突然僕の中に精を放ってきた。 僕の身体はそんな事に従順に反応して、彼のペニスに"きゅぅう!"と纏わり蠢いた。 セム様は「ぁ、あ、あぁぁ……!」と恍惚の声を上げて僕の尻の鷲掴んで、出し切る様にペニスをゆっくり抜き挿ししてから、僕から出て行った。 「ふふっ、私のペニスの太さになってる。ああ、何で愛らしい……!」 「ぅうう~う~……! は……ぁ、ぅ、う……」 ぽっかり開いたアナルから白濁が流れ出る……ノーク様以外のはもはや何でも不快でしかない。 あの時代は人形の自分を鎧としていた為、認識しているけど白濁は"何か液状のもの"で、それ以上でもそれ以下でも無いものだった。 当時からノーク様に出会うまで感情を無くしたが、今は違う。戻ってきた感情が悲鳴を上げる。 そしてセム様はそんな不快感丸出しな僕にお構いなしで、恍惚に耽りうっとりとアナルを見て…… 「……せっかく私の精液で濡れて開いているので、液状スライムを埋めますか」 ……液状スライム……? 「ハスティはもう動かなくて……呼吸をするだけで良いのです。私がハスティを管理して、更に完成された"人形"に仕上げて上げますね」 何を言って……? 僕は元から"人"だ……。 「この私が表向きは医療用として合成して作った液体スライムを、体内……アナルに入れると、後ろからの排泄が必要なくなるのですよ」 い、いや……だ……。 「でも、定期的に"餌"になる精液を与えないと暴れ出して大変危険なので、施術が終わり大体そうなる前に排泄させるのですが……」 「!?」 「愛し合う私達は大丈夫。私の精液を餌にハスティの中に永遠に住まわせて、人形としてより高い"完成"を目指しましょうね」 「!!??」 え、え、餌って、何!? 精液!?! 「さぁ、施術をするので先ずはこれを吸って、気持ち良く眠りに……」 ―……パァン!! 「!!?」 その時、突然窓ガラスを割ってセム様が持っている瓶が割られた。 ―バン!!!! そして今度は扉が開かれ…… 「ハスティ、助けに来たぞ!!!!」

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