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第15話 人形小豚のハスティ -15E-

―……あれから十年……僕とノーク様はずっと仲良く一緒に居る。 そしてノーク様は結婚記念日に必ず僕に"赤い薔薇を九十九本"くれる。 九十九本の薔薇とノーク様に貰った薔薇は全て丁寧にドライフラワーにして、ちゃんと保管してある。 これはノーク様の提案で、僕の宝物だ。 十年目の今年、僕とノーク様を中心に今までの結婚記念日の薔薇とプロポーズの時の薔薇を回りに配置して薔薇で部屋を埋め尽くした。 赤い薔薇で埋め尽くされた部屋を見回しながら、ノーク様は僕に声を掛けて来た。 「―……ハスティ、今年で十年だ……。 プロポーズの時の物も合わせて、薔薇の花が九百九十九になった」 「はい、綺麗に残せて嬉しいです」 「気に入ってるか?」 「もちろんです! 僕の宝物です!」 そんなの、当然じゃないですか! どの薔薇も一番で、大切な物だ。 「なら、ハスティ……この目の前の九百九十九の薔薇の意味が分かるか?」 「……いえ……? ……分かりません……」 また……謎々? 何だろう? 「……答えはな、"何度生まれ変わっても、貴方を愛す"、という事だ」 「!!!」 そしてスルリと頭を数度も撫でられ、その腕に収められた。 「……ぁ……あ、ぁ、ぁ……」 僕は感激し過ぎて、言葉が出ない……。 「―……これで俺とハスティを誰も邪魔出来ない……"永遠"だ」 「……ぃ……はい! ノーク様……!」 そして九百九十九の薔薇に囲まれながら瞳を閉じて……互いを押し込める様に、深く、深く……口付けた…………

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