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第19話 Clover's March 『砂塵の薔薇 -愛情-』 -4-

―……これが、お前が俺に与えてくれる、"癒し"、なのか? まぁ、少し……"行為"が脳内を掠めたていたが……実際、こうなるとはな。 言っておくが、俺はゲイ寄りのバイだ。 しかも、"タチ"。 そしてアルハームも"タチ"側と聞いている……。 しかしアルハームは自然と受け入れる側を選択し、どこかぎこちない感じだが本心で俺を求め、"癒し"てきた。 一瞬、彼の"職業"柄、演技かと……考えた。 だがそう決め付けるにはアルハームは、俺相手に蕩け過ぎていた。 誘い、俺の愛撫を受けるぎこちない空気と、何とか癒そうとする健気さ……。 そして俺のペニスをゆっくりと最後まで受け入れ、安堵と歓喜の混じる息使いが嘘には感じられなかったのだ。 後ろからの挿入に肩で息をし、ただでさえ慣れていないペニスを馴染ませる為に待つ間に、俺はアルハームの肌に手を滑らせた。 触っていて分かってきたのだが、コイツ……見た目より細い腰してやがる……。 「……クソっ! 折っちまいそうだ……」 やけに色気の有る細い男の腰。 小さく小高い尻肉を、円大きく描く様に揉みしだく。 「……ぁっ……!? ヴィルム様、俺の尻をそんな……ん、んっ……! は……はぁぁっ……」 「ふっ……揉まれて感じてるのか、アルハーム……可愛いヤツだ」 言いながらワシワシ揉んで、アルハームの反応を楽しむ。 尻からペニスへ指をはわせ、扱く。 そしてそからの乱れっぷりは想像以上だった。 彼の職業は正直に言って、"性"関係の奴隷だ。 同性相手の会員制の高級な……奴隷。 ゼイリア老が所有するその館で彼は同じ奴隷を抱くショーを行い、時には金を出した客を抱く。 その行為は常に高額な金が動く。 だが、今の……俺との行為は何だ? 俺がアルハームを……宝石を愛でている、この状況は、何だ? ……俺の愛撫や行為に快感を得ているアルハーム。俺の手で達し、その証の白濁が吐き出される。 そして俺はアルハームに望まれるままに、彼の中に欲望を吐き出した。 熱い流れが彼の奥に落ちていくのを、俺も荒い息の中で感じる。 アルハームの内部に己のペニスを擦り付けながら、俺を強く捕らえる動きに引きずられて呻きが漏れる。 そんな中でアルハームに"俺の"だと白濁で主張するモノに、アルハームも"自分の"だと言わんばかりの締め付けをしてくる。 お互い、求め合う主張をし合う。 「……俺……の、中……に……はじめて……。こんなにアツイのっ……?」 「ああっ……アルハームも……熱くて、俺のをすげぇ締め付けてくる……」 「……ヴィルム様……ヴィルムさまぁ……っ、うれしい……けど、俺っ……、もぉっ……」 「アルハーム……?」 そして何とアルハームは一回しただけで、息が上がってしまった。 無理はさせたくないからベッドに横に向かい合って、手を繋ぐだけでまったりとした時を過ごす。 おかしな体力の無さを疑問に思っていると、彼曰く…… 「―……受け手として久々な上、玩具以外は……初めて、で……。ヴィルム様への気持ちが暴走して加減が……。その……」 「は……?」 「実は……ゼイリア様から、"お前が望まないのに、誰かにお前を差し出す必要は無い"と言われて……、ペニスでは一度も……。 受け手としての数度のは玩具を使ってのショーでしたし……、俺は直ぐに攻め手側に回されたので……」 「…………」 「……俺……ちゃんとヴィルム様を気持ち良く出来ましたか?」 「…………そこは大丈夫だ。気持ち良かった……。すごく、気持ち良かった……」 「……良かった……」 ああ、良かった。とても満たされたと感じる。 正直思い出しただけで、勃起しそうだ。 それにしても…… アルハームは"ペニスでの受け手は初めて"? 安堵し、微笑んで俺の胸に頬を寄せるアルハーム……。 ―……俺はとんでもない宝石を掴んでしまった様だ……。 まぁ、手放す気はさらさら無いがな。 「……ふふッ……」 もう……一生、俺だけの宝石だ、アルハーム。 ―……決めた。君を俺の宝石にする。

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