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第24話 Clover's March 『ユキシタの二人 -再生の季節-』 -2-

「返事、下さい」 返事? それは、何に対する返事なんんだ? "キス"? 頬に、キス、なのか? それなら…… 「……許可……す……ん、んっ……!?」 「……"頬"にキスとは、言ってません……から」 「!!!」 そんな屁理屈……。 驚いたが、何とか言葉を出そうとした俺の顎を掴み上向かせ、ロームは二度目の口付けを求めてきた。 「回数も、決めてません。……ん……ウィノ様……好きなんです」 「んぁ、ローム……やめっ……! 止めろ!!」 ―ドン!!! 「……ぁ……」 行動した後で、自分に驚いた。 俺だって軍人だ。背が低く細いが、正直"力"の掛け方で高身長中肉のロームぐらいなら退かせることなど、案外可能なのだ。 「…………そうですよね……。ウィノ様、すみません……俺……嬉しくて調子にって告白まで……。嫌ですよね、俺なんて……。俺……ソッチ系の奴隷でしたし……」 「ぃ、い、嫌じゃ、ない!!!」 「え……? でも……血の気、引いてますよ? 無理しないで下さい……」 ヤバイ! ロームが悲しそうな顔に……! 「あ……あ……。……ぉ、俺は、他は……キスは、初めてなんだ……。びっくり……して……。でも、それだけじゃなくて……。ロームのせいじゃないんだ……」 「……"他"……は? キス以外は違う……のですか?」 「……言い方が悪かったな……」 鋭く睨むローム……。 他ならないロームだから……引かれても、あの時の事を説明しないといけない……のか……。 ローム、俺は本当はお前にキスされて嬉しいんだ。 でも、あの記憶が消えないんだ。 俺は無言でロームの両手を握った。 それに対して、ロームは無言で握り返してくれた。 「…………引く内容だとおもうが、ロームだから話す……」 俺の言葉にロームの手に力が加わる。それが嬉しい。 そして俺は深呼吸を数度してから、話し始めた。 「……俺は……軍事系の学園で寮生だった時に……寮監に襲われて……。はっきり言うと、ペニスを弄られて、口内射精された」 「ウィノ様……!??」 「……しかも口内射精を受けた直後、寮監に強制射精させられたのを、助けに来た同室の二人にその姿を見られた」 突然の俺の告白に戸惑っているのが分かる……当然だな。 「更にその後……助けに来た二人にも決定的な行為はされていないが、性的対象に……されかけた」 「!??!!?」 「……色々あってな。……今度は同室者にヤられる前に、何とか転校したんだ」 「…………」 さすがに心が持たなかった。 「……ローム、俺は……そういう"接触"がある行為が……怖い……」 「…………」 「あの時の悪夢が今でも付きまとうんだ……」 ロームにはこれ以上は言わない……。 まぁ、…………引く内容だと思うけど、説明するとだな……。

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