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第29話 Clover's March 『ユキシタの二人 -再生の季節-』 -7-

俺はロームの腕の中にすっぽりと収まりながら、ドキドキが止らなかった。 ロームの腕の中にいて俺は一切嫌悪感が湧かず、むしろもっと近づきたくて擦り寄った。 正直、この無邪気な温かさのあるロームをずっと求めていたのだ。 「あ! すみません……! 俺……、すごく嬉しくて……無意識にウィノ様に抱きついてしまいました……」 「良い……。ロームは許可、する。だから……もっと……」 そして暫し強く抱き合った後、おもむろにロームが俺の手を引いてロームの部屋に連れて行かれた。 暗い室内のベッドサイドの明かりを僅かに灯し、俺をベッドに座らせるとロームは目の前で全てを晒した。 高い背に、程好く鍛えられている肉体……。筋肉質……な雰囲気が薄いのが良い。筋肉はあるのだが、そう見えないのが好みなのだ。 脱いだ後はギシリとベッドに乗り、俺の正面に膝立ちになった。 「……俺の……触って……下さい」 晒したペニスが一応恥ずかしいのか、頬を赤く染めるローム。 「……これが、ロームの……?」 既に半勃起のロームのペニス……。色が少し濃くて……綺麗に剥けている先端はエラが大きく感じる。 好きな奴のだからか、嫌悪どころか急に興味が湧いてきた。 手を伸ばして、握り、緩く手筒を上下に動かすとロームのペニスは脈を浮き立たせて熱くなり、硬度を上げた。 そして赤い先端の窪みから透明な汁が流れ始めた。 ……ロームの透明な先走りの汁……。 緩く、優しく愛撫を繰り返し塗り込めると、"にちゅにちゅ"とした粘性の水音が出始めた。 今はまだ先走りだけど……ロームもここから、白濁を出す……。 寮監のは正直、口内に無理矢理されて、俺は全部、出来る限り吐いた。 あんな青臭くて、マズイの、欲しくない。誰のも欲しくない。 その思いは変わらないのに、……ロームの姿やペニスを見ていると……。 もしかして、ロームのなら…………美味しい……? 飲める? あの記憶を、ロームのに変えられる……? 「―……はぷっ! ……は……は……ちゅ、ちゅ……れろ……」 「!? ……ウィノ様、無理しないで下さい!」 ―ぐいっ! 「無理してない……続きをするから、手をどけろ。俺がロームのを好きにしてイイんだろ?」 触るだけじゃなくて、舐め始めた俺を慌ててロームはペニスから引き剥がした。 それに対して思わず不機嫌な声を出してしまった。 だってローム、俺はお前に触れたいと……。 でも、怖くて……分からなくて……。 そんな俺の手をお前が自分の下に引き寄せて、好きに触れさせてくれるこの状況……実は最高じゃないか。 好きなだけ舐めて、触れて……確かめられる。 俺はそんな邪な感情を抱きながら、従順にロームのペニスを舐め続けた。

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