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第31話 Clover's March 『ユキシタの二人 -再生の季節-』 -9-
ロームが好き。好きだ。でもこれから、確実に好き以上になる。
好き以上の感情を、ゆっくり自分の中に降り積もらせる。
雪の様に、地面を綺麗に覆って、その新雪に一番最初に招くのはロームだ。
始めから真っ白な場所に立ち、ロームを呼んで足跡をつけさせるのだ。
足が動く毎にロームの跡が残り、呼んだ俺の前にロームが到着する時……。
それが、いつかは分からない。
でも、俺の前までロームが来てくれるなら、俺はその手を放さない。
ずっとずっとずっと……俺の雪原で暮らしてもらう。
―……他人と関わるのが、怖い。その中で、ロームだけが欲しい。
だから俺は雪を降らす。
ロームの為に雪を降らして、雪に埋もれて……その時を……瞬間をじっと待ってる。
狙撃手という職業柄、動かずに機会を窺いながら待つのは得意だ。
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