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初めてのチュウは部長がいいです 2話

「嫁ってなんだよ!」 「飯作れるし、西島面白いし」 「お、俺は別に面白くない!」 何やらアタフタする姿がたまらなく面白い。 「なーんてな!本気にした?」 神林はふふっと笑い冗談だと言った。 西島はホッとする。 「で?碧ちゃんに告白すんのか?」 「なっ、」 西島はまた、顔を真っ赤にして焦っている。 告白するのか?と聞いただけなのに、この反応。やはり、笑える。 「碧ちゃんから言わせるのか?」 「いや、その、本当に佐藤は俺を好きか自信がなくて、万が一‥‥俺の勘違いとかなら、ただの変態ショタコンになるし‥‥‥だから、その」 あとはもう、しどろもどろ。 見ていて面白い。 しかし、自信ないとか、馬鹿だろ西島? いや、馬鹿だ! 「西島、仕事はできんのに、恋はからっきしだな」 神林は西島の肩をポンポンと叩き哀れんだような表情を彼に向けた。 「う、うるさい!」 赤面した西島が、神林の手を払い除ける。 「大人のお前が先に碧ちゃんの気持ちに応えてやんないと。それとも、誰かに持って行かれるまで待つか?嫌だろ?誰かに純な碧ちゃんに手を出されるのは?」 「う‥‥‥」 確かにそれは嫌だ! 西島は頷く。 やはり、自分が先に‥‥‥‥。 真剣に悩む西島である。 ◆◆◆◆◆◆◆ 「あーおーい?」 ふいに斉藤に名前を呼ばれた碧。 「えっ?」 「えっ?じゃない。昼休みだぜ?ランチ行かねえの?」 「嘘、もうお昼?」 碧は壁に掛けてある時計を慌ててみる。 確かに昼休みだ。 「ランチ行こうぜ?碧、いつも、どっかいっちゃうからさ、たまには」 ランチ‥‥‥あ、部長! 碧は西島の席を見やる。 が、西島は居ない。 確か、11時過ぎに何処かに行ったのを思い出す。 「部長は?」 「部長?戻ってないけど?」 斉藤の言葉に碧は少し寂しく思った。 神林先生の所にはいないのかな? 今日はランチ一緒に出来ないのかな? 「碧?どうした?」 沈んだような表情になる碧の顔を覗き込む斉藤。 碧が斉藤に返事を返そうとした瞬間、携帯のバイブが震えた。 何気に携帯を取り出して確認する。 に、西島部長! 着信があり、西島の名前が表示されているじゃないか。 碧は携帯を持つと、勢い良く立ち上がり走入だす。 「碧!ランチ!」 後から聞こえる斉藤の声。 「ごめん、僕、行く所あるから」 そう叫んで部屋から出ると、西島の電話に出た。 「も、もしもし」 「佐藤?いま、神林の所にいるから昼飯を一緒に」 「はい!今からいきます!」 碧は元気に返事をして、医務室まで走った。 ◆◆◆◆ 「あれ?碧ちゃんは?」 碧が出てる直ぐに佐々木がきた。 「さあ?どこかに走っていきました」 「えー!迎えに来たのに」 つまらなさそうな佐々木。 「佐々木部長、碧お気に入りですね」 「もちろん、可愛いじゃん。斉藤君はランチ行かないの?」 「いきますよ。碧に振られちゃったんで佐々木さん、一緒しません?」 斉藤に誘われ、一瞬悩んだが、 「いいよ」 と笑顔で答えた。 「失礼します」 碧は医務室のドアを開ける。 「碧ちゃん、いらっしゃい。」 神林に笑顔で出迎えられ、碧も笑顔で挨拶をした。 「佐藤、走ってきたのか?」 息を切らし、額に汗が滲む碧。 はい。部長に早く会いたくて。なんて、言葉に出来たらいいのに。碧は言いたい言葉を飲み込む。 「急がなくてもいいんだぞ?転んだら危ないし」 西島はそう言ってポケットからハンカチを出すと碧の汗を拭く。 ドキンっと、くる。部長は僕の心をドキドキさせる。 西島の手が目に映り、その動きを目で追った。 長い指。 また、頭を撫でてくれないかな?なんて、碧は考えていた。 あーぁ、ほんと、付き合っちゃえばいいのに。 神林の目に映る2人はどうみてもバカップルだ。 碧は、ウットリとした顔で西島を見ているし、西島も甲斐甲斐しく碧の世話を焼く。 食事も西島手作りの弁当。 碧の為に作ったんだろうな?って感じの内容に神林は笑いを堪える。 ほんと、互いの気持ちに気付いていないのは 本人達。 はたから見たら、いちゃこらしているように見える2人。楽しくお弁当を食べている時に西島の携帯が鳴る。 西島は画面を確認しながら、碧と神林に、電話に出るからとジェスチャーしながら立ち上がる。 ドアに手をかけながら、電話に出る西島。 「みさき、仕事中に電話してくるんじゃない」 そう、言いながらドアを開けて外へ出て行った。 西島が口にした、みさき。答え方からしたら西島と親しそうで碧は気になる。 ドアの向こうからボソボソ聞えてくる西島の声に碧は耳を集中させた。 「今日はだめだよ。用事があるから‥‥‥」 そんな内容が聞えてくる。 何かを断っているようで、西島がいう用事は碧との約束。 自分を優先させてくれている西島に碧は嬉しくなる。 「碧ちゃん、気になる?」 碧は食べるのも止めて、懸命に西島の話声に聞き入っており、可愛くて笑いがでそうだ。 神林に声をかけられて、我に返った碧は真っ赤な顔で俯く。 いやはや、可愛い! しばらくして、西島が戻ってきた。 「佐藤、今日の約束だけど‥‥」 言いにくそうに碧を見つめる西島。 あれ?部長、断っていませんでしたか? 自分の約束が断られるのかな?と、少し寂しく思った。 「先に部屋で待っててくれ。用事を済ませてくるから」 西島はそう言うと部屋の鍵を碧に渡す。

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