84 / 526

僕、子供じゃありません 2話

◆◆◆◆◆◆ 「こ、腰が痛い」 斉藤は佐々木のベッドで腰を擦りながら着替えている。 結局は泊まってしたい、初めてだというのに3回もして腰を痛めていた。 「飯出来たぞ」 佐々木が呼びに来た。 「あ、すみません朝飯まで」 「いや、いいよ。」 佐々木は斉藤の側に来ると、シャツに手をかける。 着替えを手伝ってくれるようだ。 「斉藤くん、またエッチしような」 ボタンを閉めながらに言う。 「いいっすよ。佐々木さん上手いから」 「そんな事言うと朝飯より先にデザートいきたくなるだろ?」 「は?デザート?」 「そう、デザート」 佐々木はそう言うと斉藤の唇にキスをした。 ◆◆◆◆◆ 食器を洗っていた西島は何気に時計を見て固まった。 し、しまった‥‥‥。 あまりにもゆっくりし過ぎていたのだ。 「さ、佐藤!急いで用意しろ!遅刻する!」 諭吉と遊ぶ碧に叫ぶ。 碧も西島の言葉で今が何時かを確かめた。 ち、遅刻しちゃう! 「はい!」 碧は慌てて用意をする。もちろん、西島も。 何時もはトロイ‥‥いや、ゆっくりな碧もこの時ばかりは素早く行動が出来た。 2人でバタバタと用意をして、玄関に走る。 諭吉も2人の後をついて来る。 「諭吉、いってきます。」 碧は急いでいても諭吉にちゃんと声をかける。 「諭吉、イイコにしてろよ」 西島も靴を履きながら諭吉に声をかける。 いってきます。 2人の声がそろう。 仲良くマンションを出ると、 「走るぞ!」 西島はそう言うと走り出す。 「は、はい!」 碧も慌てて走るが運動は得意ではない。よって、置いていかれそうな雰囲気。 西島の背中が遠ざかり、碧は慌てる。 待って下さいって言いたいが、きつくて声が出ない。 遠ざかる西島の背中がふいに止まると振り向いた。 「荷物貸して」 西島は碧の荷物を持つと彼の手をぎゅっとつかみ、走り出す。 スピードは碧に合わせている西島。 掴まれた手から西島の優しさが伝わり、碧は西島を好きになって良かったって思った。 ギリギリで電車内に2人で飛び込んだ。 混雑した車内、ギュウギュウ詰めになりながら西島と碧は息を調える。 「間に合ったな」 息を切らしながら西島は碧に笑いかけた。 「はい。」 碧も西島に笑い返す。 息を切らしている西島は妙に色っぽくて、凝視出来ずに俯く碧の目に映る西島に掴まれた自分の手首。 わわ、手‥‥‥‥ 払った方が良いのだろうか? でも、離して欲しくない。 欲しくないけど、会社の誰かに見られたら?なんて不安にかられる。 「あの、手‥‥」 小声で西島に伝えてみた。 手が離れてしまう寂しさがあったけども、誰かに見られてしまうより良いと判断。 でも、 「掴まる所がないだろ?気にするな」 と西島は碧の手首をしっかりと握った。 ぶ、部長ーーー! 碧は顔が熱くなる。 西島部長‥‥‥‥すきです。 凄く、すきです。 碧は俯いたまま、心で繰り返す。 碧の手首を握る西島。 離したくなかった。細い手首をずっと掴んでいたかった。 会社に着く、数分でも離したくなかった。 ◆◆◆◆◆◆ 「斉藤くん!おはよう!」 オフィスで斉藤を見つけた碧は元気にかけよる。 「おはよう。碧‥‥‥‥なんか、凄く元気じゃない?」 「えっ?そ、そう?普通だよ?」 碧はちょっと動揺しながら返事を返す。 電車の中で西島にずっと手を掴まれていた。 凄く、すごーく、嬉しい。 それに夕べと朝‥‥‥キスをした。 キス‥‥‥‥ 碧はキスを思い出し顔が熱くなる。 「碧、顔赤いぞ?また、熱あるんじゃ?」 「えっ?ない!ないよ!」 碧は頭をブンブンと振り邪念を振り払う。 か、会社なのに僕ってば! 「なら、いいけど‥‥‥‥いたっ、」 斉藤は椅子に座ろうとして体勢を変えたために腰に痛みが走った。 あー、もう佐々木部長元気だから‥‥‥ そう思いながら腰を擦る。 「斉藤くん、どうしたの?」 痛そうな顔の斉藤を心配するように碧は彼の側にいく。 「うん、ちょっと‥‥‥」 「きつそうだよ?ね?医務室いこう!神林先生に診てもらおう!僕、一緒に行くから」 碧は心配そうに斉藤の手をとる。

ともだちにシェアしよう!