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僕、子供じゃありません 2話
◆◆◆◆◆◆
「こ、腰が痛い」
斉藤は佐々木のベッドで腰を擦りながら着替えている。
結局は泊まってしたい、初めてだというのに3回もして腰を痛めていた。
「飯出来たぞ」
佐々木が呼びに来た。
「あ、すみません朝飯まで」
「いや、いいよ。」
佐々木は斉藤の側に来ると、シャツに手をかける。
着替えを手伝ってくれるようだ。
「斉藤くん、またエッチしような」
ボタンを閉めながらに言う。
「いいっすよ。佐々木さん上手いから」
「そんな事言うと朝飯より先にデザートいきたくなるだろ?」
「は?デザート?」
「そう、デザート」
佐々木はそう言うと斉藤の唇にキスをした。
◆◆◆◆◆
食器を洗っていた西島は何気に時計を見て固まった。
し、しまった‥‥‥。
あまりにもゆっくりし過ぎていたのだ。
「さ、佐藤!急いで用意しろ!遅刻する!」
諭吉と遊ぶ碧に叫ぶ。
碧も西島の言葉で今が何時かを確かめた。
ち、遅刻しちゃう!
「はい!」
碧は慌てて用意をする。もちろん、西島も。
何時もはトロイ‥‥いや、ゆっくりな碧もこの時ばかりは素早く行動が出来た。
2人でバタバタと用意をして、玄関に走る。
諭吉も2人の後をついて来る。
「諭吉、いってきます。」
碧は急いでいても諭吉にちゃんと声をかける。
「諭吉、イイコにしてろよ」
西島も靴を履きながら諭吉に声をかける。
いってきます。
2人の声がそろう。
仲良くマンションを出ると、
「走るぞ!」
西島はそう言うと走り出す。
「は、はい!」
碧も慌てて走るが運動は得意ではない。よって、置いていかれそうな雰囲気。
西島の背中が遠ざかり、碧は慌てる。
待って下さいって言いたいが、きつくて声が出ない。
遠ざかる西島の背中がふいに止まると振り向いた。
「荷物貸して」
西島は碧の荷物を持つと彼の手をぎゅっとつかみ、走り出す。
スピードは碧に合わせている西島。
掴まれた手から西島の優しさが伝わり、碧は西島を好きになって良かったって思った。
ギリギリで電車内に2人で飛び込んだ。
混雑した車内、ギュウギュウ詰めになりながら西島と碧は息を調える。
「間に合ったな」
息を切らしながら西島は碧に笑いかけた。
「はい。」
碧も西島に笑い返す。
息を切らしている西島は妙に色っぽくて、凝視出来ずに俯く碧の目に映る西島に掴まれた自分の手首。
わわ、手‥‥‥‥
払った方が良いのだろうか?
でも、離して欲しくない。
欲しくないけど、会社の誰かに見られたら?なんて不安にかられる。
「あの、手‥‥」
小声で西島に伝えてみた。
手が離れてしまう寂しさがあったけども、誰かに見られてしまうより良いと判断。
でも、
「掴まる所がないだろ?気にするな」
と西島は碧の手首をしっかりと握った。
ぶ、部長ーーー!
碧は顔が熱くなる。
西島部長‥‥‥‥すきです。
凄く、すきです。
碧は俯いたまま、心で繰り返す。
碧の手首を握る西島。
離したくなかった。細い手首をずっと掴んでいたかった。
会社に着く、数分でも離したくなかった。
◆◆◆◆◆◆
「斉藤くん!おはよう!」
オフィスで斉藤を見つけた碧は元気にかけよる。
「おはよう。碧‥‥‥‥なんか、凄く元気じゃない?」
「えっ?そ、そう?普通だよ?」
碧はちょっと動揺しながら返事を返す。
電車の中で西島にずっと手を掴まれていた。
凄く、すごーく、嬉しい。
それに夕べと朝‥‥‥キスをした。
キス‥‥‥‥
碧はキスを思い出し顔が熱くなる。
「碧、顔赤いぞ?また、熱あるんじゃ?」
「えっ?ない!ないよ!」
碧は頭をブンブンと振り邪念を振り払う。
か、会社なのに僕ってば!
「なら、いいけど‥‥‥‥いたっ、」
斉藤は椅子に座ろうとして体勢を変えたために腰に痛みが走った。
あー、もう佐々木部長元気だから‥‥‥
そう思いながら腰を擦る。
「斉藤くん、どうしたの?」
痛そうな顔の斉藤を心配するように碧は彼の側にいく。
「うん、ちょっと‥‥‥」
「きつそうだよ?ね?医務室いこう!神林先生に診てもらおう!僕、一緒に行くから」
碧は心配そうに斉藤の手をとる。
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