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僕、子供じゃありません 3話

自分が具合悪い時に助けてくれた斉藤。 今度は碧が彼を助ける番で、斉藤を支えるように医務室へと向かう。 ◆◆◆◆ 医務室のドアをノックすると神林が顔を出す。 「碧ちゃん、どしたの?具合悪くなった?」 碧を見るなりそう聞く神林。 「違います。斉藤くんです」 そう答える碧は確かに斉藤を支えている。斉藤が寄りかかっているようにしかみえないが多分、支えている。 「斉藤くん、どうしたの?」 「ちよっと、腰が‥‥‥‥」 斉藤は腰を擦りながら顔をしかめている。相当、痛いのかな?と神林は碧から斉藤を受け取ると、 「とりあえず、見てあげるよ」 ベッドへと連れて行く。 ゆっくりと座らせてくれるのだが、腰に負担がかかり斉藤はまた顔をしかめた。 「何か負担がかかる事したの?」 「はい。昨日の夜と朝で合計6回かな?」 真顔で答える斉藤と、 「は?」 怪訝そうな顔をする神林と、 「6回ってなあに?」 と無邪気に聞く碧。 「エッチだよ」 即答した斉藤の言葉が碧の頭の中をクルクル回りエッチがどういう意味だったか思い出したのは数秒後で、言葉も出さずに碧は顔を赤らめた。 「そりゃ‥‥‥‥腰も痛くなるなあ」 神林は口の端だけをあげて笑うとバシンと腰を叩いた。 「いっ、先生ひどい!」 「思春期だね斉藤くん、相手の女の子も相当疲れたんじゃない?」 神林は斉藤をベッドにうつ伏せに寝かせると湿布を取り出す。 「いいえ、男です」 「は?」 「えっ?」 驚く神林と碧。 「オッサンのクセにパワフルでした。もう、無茶苦茶ヤラレました」 「へー、同じ会社の人?」 神林は斉藤のシャツをたくし上げる。 「はい。名前は言えませんけども」 「パワフルなオッサンには1人心当りあるけどな」 神林の脳裏に浮かんだ名前は佐々木。 「秘密ですよ」 「はいはい。」 湿布を貼り終えた神林はシャツを戻しながらふと、碧に視線を向けた。 真っ赤な顔で俯いている。 かわいい! 「碧ちゃんには刺激的な話だったね。ごめん」 神林は碧の頭を撫でる。 「あ、ごめん、碧が居たんだった。」 斉藤も碧の存在に気付き謝った。 「えっ、あの、」 神林に頭を撫でられ狼狽える碧。 斉藤の発言にドキドキしていた碧。 お、男の人と‥‥‥エッチ? す、凄いなあ斉藤くん! なんてドギマギしていた碧を神林が子供扱い。 そりゃ、ドキドキしていたけど子供扱いされるほど碧だって子供ではない。 「ぼ、僕を子供扱いしないでください!」 なんて強気で言ってみたが顔が赤いとは碧本人は気付いていないから、強気発言は神林と斉藤からみたら可愛い子供の強がりに映る。 「顔、真っ赤だぜ?碧はキスもまだだからな。刺激が強すぎたな」 斉藤は真っ赤な顔の碧を可愛いなって微笑ましく思った。 キスもまだだからな‥‥斉藤の言葉に碧はカチンときて、 「ば、馬鹿にしないでよ!キスはしたもん!‥‥‥あっ、」 勢い余ってキスをした事を口にしてしまい碧は慌てた。 「えっ?碧、キスしたのか?誰と?」 斉藤はガッツリと喰い付いてきた。 まさか碧が? 純な碧の相手が気になる! 碧に手を出す女子が会社に居るのか?と興味津々。 そして、キス発言を聞いた神林は相手が西島だと直ぐに見抜いていた。 へえ、西島やるなあ‥‥‥とニヤニヤ。 「あ、あの、僕、あの、」 相手が西島とは言えずに碧は挙動不信。 「どこの課の子だよ?教えろよ碧!」 斉藤は碧に詰め寄り、詰め寄られた碧は少しづつ後ろに下がる。 「あの、ぼく」 ど、どうしよう!なんて誤魔化そう。 焦る碧。 「斉藤くん、がっつき過ぎ!」 神林が斉藤の襟首を掴み引き戻す。 「碧ちゃんにだって秘密にしたい事あるよ。斉藤くんだってセックスの相手は秘密だろ?」 神林に止められ、碧はホッとする。 「神林さんは気にならないんですか?碧の相手!」 「別に?ほら、碧ちゃん仕事始まるよ?斉藤くんは預かるから行きなさい」 「は、はい!斉藤くんをよろしくお願いします」 碧は神林に頭を下げて部屋を出た。 バレずに済んだと碧はホッとしながら自分の課へ急いだ。 「ちぇ、碧の相手知りたかったなあ」 つまらさそうな斉藤。 「そのうち分かるよ、で?斉藤くんはベッドに寝ていく?寝不足なんだろ?」 「え?いいんですか?使っても‥‥‥‥って、神林先生、碧の相手知っているんですか?」 「秘密」 神林はウインクすると斉藤をベッドへと寝かせた。 ◆◆◆◆◆◆ 「あれ?斉藤くんは?」 佐々木は西島がいる課に顔を出す。 「佐々木、お前仕事してんのか?」 迷惑そうに西島が対応。 「してますよ。‥‥‥あれ?碧ちゃんもいない?」 キョロキョロしながら碧も探す佐々木。 こいつ、佐藤が目的かとイラッとくる西島。 「すみません、戻りました。」 タイミング良く碧が登場。 途端に佐々木の鼻の下が伸びる。 佐藤、タイミング悪いぞ! 西島はハラハラしてしまう。

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