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僕、子供じゃありません 8話

◆◆◆◆◆ 夕食のメインは親子丼。 西島のリクエスト。 碧に負担をかけたくなくて簡単な物をリクエストした西島。 キッチンに立つ碧の後ろ姿を見ながらつい、顔が緩む。 可愛い! 仕草がいちいち可愛い! 後ろからギュっと抱きしめたい衝動にかられる。 しかし、我慢! 我慢の子の西島は、「風呂掃除してお湯ためてくる」と碧の後ろ姿に声をかける。 「えっ?お風呂も僕がします!」 慌てて振り向く碧。 「いや、いいよ!親子丼楽しみで腹をもっと減らしてくるから」 ニコッと笑う西島に碧は顔を赤らめる。 部長……その笑顔、反則です。 それに、楽しみとか言ってくれた。 嬉しいです部長! 「はい!僕、一生懸命作ります!」 碧は元気良くガッツポーズを取る。 か、 可愛いじゃないか佐藤! やばいくらいに可愛い! 理性がブッ飛ぶ前に風呂掃除しよう、西島は逃げるように風呂場へ直行。 ピンクな煩悩を弾き飛ばすかのように西島はガシガシと力を入れながら風呂を磨く。 「はりきっとんなニッシー、碧と風呂に入るけんな」 諭吉が風呂場に現れ、そう言った。 「ば、ちがう!そんなんじゃない!」 「そうや?なんか楽しそうばいニッシー、碧と風呂がそげん楽しみとか可愛かやん!」 「だ、だからちがう!」 「じゃ、こん玩具は何や?碧は幼児じゃなかとぞ?」 げっ、と西島は慌てた。 諭吉が座る横に袋があって中には玩具がはいっているのだ。 お風呂で遊べる玩具。 アヒルとかシャボン玉とか……… 「いや、そうじゃなくて……佐藤は甘えてるからさみしくないように……お風呂も楽しくとか思ってさ」 なんて言い訳をしてみる。 つい、買ってしまったのだ。 店で目に止まり碧に内緒で買った玩具。 楽しく過ごせたらなあとかかんがえてしまった。 でも、確かに幼児むけだよな?さすがに佐藤も怒るかも? 「アヒルは碧は好いとおぞ?家にアヒルがおるけんな」 「そ、そうか!」 諭吉の言葉に西島はホッとする。 そんな西島をみて諭吉は、 「可愛かばいニッシー」 とおちょくってみるのであった。 ◆◆◆◆◆ 「部長、美味しいですか?」 不安そうな碧の顔が目の前。 西島が諭吉と戯れて戻ると食事が出来上がっていた。 そして、食べ始めると途端に碧の不安そうな顔。 そんな顔も可愛いな。なんて西島は思う。 「美味い」 ニコッと笑うと碧は不安そうな顔から嬉しそうな顔へと変わる。 目がキラキラ。 良かった……なんて呟き碧も食べ始める。 いいなあって西島は思う。 ずっと、佐藤がいてもいい……なんて独占欲が芽生えてきた。

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