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ホットミルクに蜂蜜

◆◆◆◆◆ 自分の腕の中で声を上げて泣く碧。 声を上げて泣くなんて、なんて可愛いんだろうって思う。 大人には出来ない事。 子供のくせに妙に色っぽかったり、 大胆だったり、碧には驚かされてばかりだ。 でも、抱きしめている身体は小さく、まだ子供なんだと思いだす。 大人のキスしてください! そう言われた時はもう碧に対する気持ちが一気に溢れて止められなかった。 口内に舌を入れるとびくんッと身体を小刻みに震わせて、きっと驚いたんだと思う。 キスさえした事がない子供に噛み付くようなキスをしても良いのだろうか?なんて、考える余裕はない。 碧を凄く求めていて、もう冷静ではいられなくなって、全部、彼の全部が自分の物になればいいと思った。 好きだ。 押さえきれない気持ちが言葉になり、彼に思いを告げれた。 後悔なんてしない。 碧を手に入れない事の方が後悔してしまうのだから。 「風呂、出ようか?のぼせやすいから」 西島は碧に声をかけ、優しく抱き上げた。 ◆◆◆◆◆ 好きだ………… 西島の言葉が何度も碧の頭の中でリピートされる。 夢かも知れない。 きっと、僕の妄想……… だって、部長が僕を好きだなんて、 夢だもん。きっと、夢だもん。 サラリと髪を撫でられ顔を上げた。 「落着いた?」 直ぐ近くに西島の優しい顔がある。 今の状況は何だっけ? 碧はお風呂場での告白から頭が真っ白状態。 泡風呂からいつの間にか部屋に居て、バスローブに包まれ、西島に抱っこされている。 目の前に居る西島は碧に微笑みかけていて、 「髪、乾かそうか」 と濡れた髪を撫でられた。 「夢………ですか?」 「えっ?」 碧の質問にキョトンとする西島。 「夢ですか?部長が僕を好きだと言ったの……」 信じられない。 部長が僕を好き?本当に? もう一度確かめたくて、西島に聞いてみる。 「夢じゃないよ?…………俺は佐藤碧が好きだよ」 ハッキリと言われた。 「ほん、ほんとう……ですか?」 聞き返す声が震えた。 「本当だよ?」 西島は碧が何度も聞いてくる気持ちがなんとなく分かった。 だって、自分もそうだから。 碧がひと回り近く年の離れた自分を好きになってくれたのは妄想かも知れないって思ってしまったから。 それに風呂場での告白とか、もっとちゃんとしたシュチュエーションでやれば良かったとかたった今、思った。 「佐藤碧くん、…………俺は君が好きです。俺と付き合ってくれませんか?」 改めて交際を申し込んだ。 その瞬間。 碧はまた大泣きしたのだった。

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