488 / 526
逃げてばかりではダメなのです23話
「何を頑張るんだ碧?」
真後ろで西島の声。驚く碧。
「ち、ちひろさん」
「どうした?顔真っ赤だぞ?熱あるのか?」
事情を知らない西島は顔が赤い碧が心配になり側に行くと額に手を当てる。
「違うよ千尋、違う熱だよ」
クスクス笑う神林。
「えっ?何?」
キョトンとなり神林と碧を交互に見る。
「星夜くんからお土産頂いて」
「お土産?」
碧の報告に斉藤……(いや、もう佐々木になってしまったので改めて星夜)を見た。
「西島部長が喜ぶと思ってゆうちゃんと選んだんです。ね、ゆうちゃん」
西島の後ろに居る自分の夫を見る。
「碧ちゃんに似合うモノだよ、喜べ」
肩をポンポンと叩く佐々木はニヤニヤしている。そんなニヤニヤ顔の時はろくな事がない。
「見せてごらん碧」
「えっ!!い、いまですか?みみみ、皆居ますから……あの、ここでは」
碧は更に赤くなる。
恥ずかしいよう!皆居るのにエッチな下着穿けない。
碧は見せるという言葉を勝手に穿いて見せると解釈した。
碧のテンパリ具合に神林は勘違いしていると悟り「碧ちゃんベッドはカーテンがかかるから貸してあげるよ」と西島ごとベッドへ押しやるとカーテンを閉めた。
「おい、神林!!」
何事?とカーテンから顔を出す。
「いいから、碧ちゃんその気だし見るだけでも見てあげたら?それとも早退する?」
「は?何で早退?」
「きっと我慢出来なくなると思うから」
神林はそれだけ言うと西島をグイッと押しやりカーテンを閉めた。
何なんだよ?
お土産を何かを知らない西島は神林の行動に戸惑うばかりだった。
「碧何貰った……って碧!!なにして!!」
振り返ると碧がズボンを脱ごうとしていた。
「えっ……だって見たいって」
「んん?ごめん碧、俺には良く分からないから貰った袋貸して」
西島は碧の側にある袋を取ると中身を確認した。
なっ!!!!なんじゃこりゃあああ!!
西島も一気に熱が上がった気がした。
碧に似合うってこれ?
西島はレースの下着を取り出す。
「ち、ちひろさん……そそそ、それがいいんですか?」
西島が手に取った下着を碧は彼が穿いて欲しいと選んだと思い込む。
「えっ?」
碧の考えが分からない西島は下着を持ったままキョトン。
「ぼ、僕穿きますから」
真っ赤な顔をして碧は手を出す。
「は、穿くのか!!」
頷く碧とゴクリと唾を飲む西島。
碧は西島の手から下着を取ると「は、恥ずかしいから後ろ向いてください」とお願いする。
「は、はい!」
西島もつい、返事をして素直に後ろを向いた。
神林が言った事をようやく理解した。
そういう事か……。
きっと、神林と星夜が何か言って碧をたきつけたのだろうと西島は思った。
早退する?って……くそう!神林め!!俺が我慢できなくなるとでも?
「ち、ちひろさんあの……穿きました」
碧の声にドキッとしながら振り向く。
振り向くと真っ赤な顔でモジモジする碧。
ズボンを脱いでいるので白い生足がキチンと着たスーツの下から見えている。それはそれでエロい。
碧はシャツを前で伸ばして隠しているようだ。
ううっ、やっぱり恥ずかしいよう。
勢いで穿いたものの、まるで女の子みたいな下着に恥ずかしくなってしまったのだった。
「碧……見えないよ?」
シャツで隠しているものだから肝心な所が見えない。
「シャツ上げて」
西島に言われて観念してシャツをたくしあげる。
たくしあげたそこにはレースに紐のリボンでとめられた可愛い下着とレースから丸見えの碧の可愛いJr。
しかも碧は恥ずかしくてモジモジしていて可愛い。
早退する?
その言葉……確かに早退したい!!!
神林は西島の事を良く知っている。
西島は碧の側にいくと上着を脱がせ始めた。
「ち、ちひろさん」
驚く碧。
「シャツだけがそそる可愛いよ碧……良く似合ってる」
「ちひろさん……僕変じゃないですか?女の子みたいな下着なのに」
真っ赤な顔で西島を見上げる。
「変じゃない……興奮する」
上着を脱がせた西島は碧の額にキスをした。
興奮する……ちひろさん!僕嬉しい。
ちひろさんが僕に興奮するって……子供みたいな僕に……。
星夜くんと神林先生の言う通りだ。
あの2人は大人だ。
碧は星夜からのお土産に感謝するのだった。
ともだちにシェアしよう!