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逃げてばかりではダメなのです。22話

◆◆◆ 「ちーひーろくん!」 ガシッと肩を掴まれた西島は嫌そうな顔で振り向く。 「佐々木、ちひろくんは止めろ」 「じゃあ、ちひろたん」 「それも止めろ!ヘラヘラした顔しやがってムカつく」 「幸せですから」 ヘラヘラというかニヤニヤした顔の佐々木。 「報告したのか?」 「したよ、同性婚に理解ある会社で良かったよ」 「理解ない会社なら理解ある所に行けばいいしな……良かったな」 「……理解あるって分かったからお前も言いやすいだろ?」 「えっ?」 「碧ちゃんだよ!いつかはちゃんとするんだろ?お前が適当にしないって知ってるし、親にまで交際許して貰いにいくくらいだし?でも……お前は碧ちゃんがまだ十代だからとか言いそうだから言っておくけど、男は18歳から結婚できるからな!」 ニヤリと笑い肩を叩く佐々木。 自分の性格を見抜かれているのは本当に嫌だ。答えに詰まるから。 「神林に報告するからお前も来い」 佐々木に手招きされて、ついて行く西島。 ……結婚かあ。 やはり意識してしまう。 結婚を前提に碧と付き合っている西島。 ちゃんと碧と家族になりたい。 碧の家族にはきっと反対されない。でも……自分は? ミサキは喜んでくれる。 ……問題はあの人。 あまり話さないから同性婚をどう思っているか分からない。偏見を持っていたら? 頭ごなしに反対されたら? もしかすると引き離されたら? 色々と考えたくない事を考えてしまう。 心配しなくて良い事を心配してしまう。 どうしても……父親に対してだけどうして良いか分からないのだ。 ◆◆◆ 「神林先生」 斉藤と碧は医務室に顔を出す。 「斉藤くん!!」 嬉しそうな表情で出迎える神林。 「おめでとう」 「ありがとうございます」 おめでとうの言葉に頭を下げる斉藤。 「これ、お土産です」 鞄から袋を取り出し神林に渡す。 「ありがとう!いいのに、気を使わなくても」 受け取りながら申し訳なさそうな神林。 「いつも、お世話になってるしお礼です……それ、使ってくださいね……碧にも似たような物をあげたんですけど……これで此上さんを喜ばせてください」 「は?」 神林は袋の中をソッコーで見た。 「碧ちゃんにも……?」 中身を見ながら確認する神林。 「そうですよ?」 「碧ちゃん、中身みた?」 斉藤の隣にいる碧に声をかける。 「まだですけど?」 「みてみたら?」 神林に促されて貰った中身を確認する為に取り出す。 レースの下着とボクサーパンツに見える下着とヒモパンツと……碧には刺激が強い下着が出てきた。 しかも碧には可愛いピンクのレースで透け透けなキャミソールつき。 「せせせ、星夜くん!これ!!」 顔が赤い碧。 「可愛いだろ?碧に似合うと思って」 「確かに似合いそう」 神林も頷く。 「西島部長きっと興奮して碧を朝までやりそうだよね」 ニヤニヤする斉藤。 「あー、千尋、好きそうだわ」 「えっ!!」 真っ赤な顔で二人を見る。 「サービスしてあげなよ、いつもお仕事ご苦労様って」 頭をクシャクシャ撫でる斉藤。 「さ、さ、サービスですか?」 「そうだよ!碧がサービスすると西島部長は嬉しいと思うよ?」 「千尋喜ぶよ」 神林も一緒になり碧を煽る。 こんなエッチな下着……僕穿いたことない。 あ、でも、朝……ちひろさん猫耳とかこういう下着を……とか言ってたような? ちひろさんが望むからば!! 「ぼ、僕頑張ります」 グッと拳を握る碧。 そんな碧を見る二人は……なんでこんなに素直なのだろうか?と逆に照れてしまうのだった。

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