121 / 526

ホットミルクに蜂蜜 29話

◆◆◆◆◆◆ 「碧、どうだった昨日は?」 会社のトイレで斉藤に声を掛けられた碧。 斉藤の手を掴み個室へ。 「ちょ、碧、大胆だな」 個室の鍵を閉める碧をニヤニヤしながら見る斉藤。 「斉藤くん」 ウルウルした大きな瞳で見つめられ、昨日の事を聞き出そうと待ち構えていた気持ちがドキドキと変な方向に行きそうな斉藤。 「あ、碧……ほら、碧には部長いるし、俺にも一応ね……セフレだけど…あの、」 しどろもどろになる斉藤の上着を掴み、 「ぼ、ぼく……途中で寝ちゃったの!せっかく……ちひろさんが気持ち良くしてくれたのに……ううっ」 ぐすんと涙目な碧。 「は?」 ドキドキしていた斉藤はキョトンとなった。 そして、事情を聞く事に。 お風呂でのフェラの後……目を覚ましたら朝で裸のまま西島とベッドに寝ていて、お尻には違和感ないし、何より疲れていなかったので昨夜は何も無かったと碧にも理解できた。 そして、西島に悪い事したなあっと罪悪感。 自分だけ気持ち良くしてもらって、セックスなしに眠った自分。 西島はさぞガッカリしただろう。 でも、彼はいつもの笑顔で碧と諭吉に朝食を作り、用意をして会社まで一緒にきたのだ。 「な、なんか西島部長すげえな。そのお預け状態で怒りもせず、襲いもしなかったんだろ?佐々木部長なら寝た時点でそのまま犯される」 話を聞いた斉藤は感動していた。 「で、フェラよかった?西島部長にフェラされたっていいなあ。」 フェラ……その言葉でお風呂でされた事を思い出して顔が火照る。 真っ赤な顔の碧。 うわあ、可愛い! 斉藤はたまらず頭を撫でた。 「よし!お兄ちゃんが上手くいくように性教育してやろう」 と、よからぬ知識をまた碧に教え込むのであった。 ◆◆◆◆ 「斉藤と佐藤は?」 西島はキョロキョロと碧と斉藤の姿を探す。 今朝は一緒にきて、先にオフィスに行ったと思ったのに仕事会場5分前、二人の姿はない。 西島は今朝、自分が寝てしまった事を気にして謝っていた碧が気になっていたのだ。 気にするなと言ってあげても碧の性格上、気にしまくりだろう。 どこぞで落ち込んでいるんじゃないかと心配だ。 「トイレじゃないですか?部長、コーヒーここに置いておきますね」 女性スタッフがコーヒーを机に置いた瞬間、 「はよーございます!」 と斉藤の声がして、その隣に碧もいたのでホッとした西島。

ともだちにシェアしよう!