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ホットミルクに蜂蜜 34話
斉藤にぎゅっと抱きしめられ、驚きはしたが体温に安心した。
斉藤くんにまで心配させて……僕は社会人失格だ!
そう、僕はもう子供じゃないよ?
自分がした事にちゃんと責任取れるようにならなきゃ!
こんな僕じゃちひろさんだって嫌いになっちゃうよね?
こんな泣き虫じゃダメだ!
斉藤の腕の中、碧はそんな事を考えていた。
◆◆◆
碧………ほんと華奢だよなあ……
腕にスッポリだ。西島部長もこんな所がツボなのかも知れないな。
いいニオイするしさあ。シャンプーかな?
斉藤は鼻を近づけてニオイを嗅ぐ。
やば!クラクラくる!
もう一回………と、鼻を近づけようとした瞬間、碧が顔を上げた。
「斉藤くん!」
「いや、なんもしてないぞ!ニオイとかぜ、ぜんぜん、」
急に顔を上げて自分の名前を呼ばれ斉藤はテンパる。
ニオイを嗅いでいた事がバレた?そんなドキドキ!
「斉藤くん、僕もう大丈夫!」
碧はそう言うと斉藤から離れた。
「う、うん、なんか早くない?」
あれ?今まで泣いてたよね?
「ちひろさんが帰ってきてゆっくり出来るようにご飯とかお風呂とか用意する!」
「そ、そうだな!うん、そうしなよ。俺も手伝うから」
立ち直りが早い碧に戸惑いながらもそう返す斉藤。
「泣いてちゃダメだよね、ちひろさん仕事してるもん、僕、ちひろさんの役に立ちたい」
碧は涙をゴシゴシと拭く。
…………あー、もう、どれもこれも可愛いよ碧。
西島部長溺愛してんだろうなあ。こんな可愛くて健気だもんな。
斉藤は碧の頭を撫でる。
「買い物俺が行こうか?碧はその泣き顔のままじゃ目立つしさ」
斉藤はそう言うと立ち上がる。
その泣き顔のままじゃ変態が拉致しちゃうよ!
拉致されたら西島部長に殺される。
「ぼ、僕もいく!」
「だーめー!碧はお風呂掃除してなさい」
「ほんとにいいの?」
「いいよ、ほら、何を作るんだ?」
斉藤は微笑む。
その笑顔で碧は買ってきて欲しいものを彼に頼んだ。
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