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6話
それは……本当にゆっくりと這ってくる。楽しむように……そして、執拗にそこを刺激してくる。
「あっ……」
つい、声が出てしまう。
触って欲しいと言ったのは自分だし、すでにガチガチなソコを小さな布きれ1枚の上から舌で舐められる。
下着と呼べるのか分からないけれど、その小さな布から大きく勃起したソレは顔を出していた。
「トオル……ここ、濡れてるよ?トオルのせいで下着も濡れてしまって」
ツンと先っぽを指でつつかれる。
「あっ……ちょ、誰のせいですか……」
声が震えているのに自分でも気づく。
「俺のせい?トオルが俺にされる事を想像してこうなってんじゃないのかな?」
その言葉の後にカプっと甘噛みされた。
「ひゃっ!」
なんて可愛くない声出すんだ俺……と神林は顔が熱くなる。
甘噛みした場所を今度は口に含まれて吸われた。
「あっ……はあ……」
息がさっきよりも上がってきた。凄く気持ちが良い。
舌先で勃起したモノの先端を刺激されて、もう我慢の限界なのかいつもより早くイッてしまった。
「トオル……どうした?まだ始まったばかりなのにイッちゃった?」
此上は顔を上げて神林を見てニヤリとする。
「……だって、篤さんいつもより……なんか違うから」
「それはトオルもだろ?凄く興奮している」
此上の指先が下着の中へするりと入ってきて、小さい穴へと指を入れていく。
「篤さ……」
そこを触られるのを望んでいた。もっと早く触って欲しかったのだが恥ずかしくて言えなかった。
望み通り、そこを刺激され神林は気持ち良さに声を上げている事に気付いていなかった。
いつもより、声が出て。それは可愛くて此上も耳からの刺激で興奮度が上がっていく。
ヒクヒクと動き、此上の指を呑み込んでいく神林の小さな穴。
下着をずらすとたまらず指よりも太い自分のモノを押し込む。
「あっ、あっ、」
神林の声が更に大きくなって全部挿れた時には腰が動いていた。
「本当……可愛いねトオルは素直で」
此上は神林の腰を持つとドーンと奥まで突く。
「あっーー!!」
奥から次々に刺激がくる。此上が言う通り、自分でも興奮しているって分かっている。
下着の恥ずかしさがそれを誘うのだ。
佐々木は凄いなって思った。いつもの行為にこの小さな下着がプラスされただけで、こんなに興奮して気持ち良くなるのだから。
神林も此上の動きに合せて腰を振った。
◆◆◆
「ち、ちひろさんまだ入ってきちゃダメです」
寝室で貰った下着をつけたのだが照れくさくて覚悟が出来ていない碧はドアの向こうでソワソワしている西島に声をかける。
「えー、もう我慢できないけど?」
小さい子供みたいに拗ねた声。なんだか可愛いなあって碧は思うのだが……「だ、だって……似合わないもん……これって女の子が……」着るものじゃ?と言い終わらない前にドアがバーンと開いて待ちきれない西島が登場した。
「ひゃああ!!ちひろさんんん!!」
碧は慌ててシーツで隠す。
シーツで隠されればさらに興奮するし、待ちきれない。
西島はシーツごと碧をベッドに押し倒して「碧覚悟決めろ」と見下ろした。
ちょっと強引な狼男子みたいな西島に碧はきゅんとしてしまった。
「……に、似合わなかったら」
西島を見上げながらに言う。
「似合うよ、碧ならどんなものでも」
そして、シーツを剥ぎ取る。
ぎゃーーー!!と鼻血出そうな西島だった。
碧は女の子みたいなフリフリでリボンつきのキャミソール。しかも胸が透けてるし、下着は紐パンツだった。
しかも……碧のイメージならばピンクかブルーだろうにパンツは黒のレースだった。
それもまたエロい。
じーっと見つめる西島に顔が熱くなる碧。
「に、似合わないなら言ってください脱ぎますから」
頬を赤く染めて言う。
「脱がすのは……俺がしたい……でも、凄く似合っているから脱がしたくない」
「ちひろさん」
良かった……似合ってるって!!碧はホッとする。
しかし、凄くエロい事になっているとは本人は気付いていない。
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