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僕の初めてを貰ってください。 16話

冗談という言葉でホッとした顔をみせる碧。 「碧って、本当に一途……西島部長以外には反応しないんだろうね。だから、こんなに悩むんだ」 斉藤は自分へも言い聞かせていた。 佐々木の事が気になるのに、碧にも反応して危うくエッチな事をしてしまいそうだった。 だから、佐々木にも本気にされないのかもな。なんて少しへこんだ。 「碧はその可愛いままでいればいいんだよ」 頭をぐりぐり撫でた。 「う、うん……でも、ちひろさん我慢して」 「我慢じゃないよ、きっとさ」 斉藤に言われ、無理やりに納得したけれど、碧はどうしても、悩んでしまうのだった。 ◆◆◆◆◆ 「碧ちゃん、斉藤は?」 1人で戻ってきた碧に男性スタッフがきく。 「あ、あの、お腹痛いって……部長に伝えて欲しいって」 碧はチラリと西島の方をみる。 「医務室には?」 「トイレ行ってからいくと……」 とりあえず誤魔化す。 だって、勃起してるからトイレに居るなんて言えない。 嘘がバレないようにそそくさと自分の席につく。 何か様子がおかしいなっ……西島は碧が心配で仕方ない。 元気がない。 昨夜の事をまだ気にしているのかな?なんて思う。 昼休みに慰めよう。 ◆◆◆◆ 「………ったく、何してんだか」 そう言って佐々木は斉藤のジュニアを弄っている。 「へへっ」 笑って誤魔化す斉藤は碧を帰した後に佐々木を呼び出していた。 二人は医務室にいる。 トイレではできない。まあ、医務室でもだけど。 それでも医務室はトイレよりも人は来ない。 神林も席を外してくれている。 「昨夜あんなにしなのに元気だな星夜は」 「だってさ、碧が西島部長にフェラしたとか、あとセックスしかけたとか話すからさ色々と想像しちゃって」 「碧ちゃん………がフェラ?へえ?そりゃすごい進歩だな」 佐々木はニヤリと笑うと跪き斉藤のジュニアを口に含んだ。 「あっ………」 甘い声が漏れ、その後は佐々木のテクニックでイカされた斉藤だった。 ◆◆◆◆◆◆ 暫くして、スッキリした顔の斉藤が戻ってきた。 「大丈夫だったの?」 自分のデスクに着く斉藤に小声で話かける碧。 「うん。ゆうちゃんに抜いて貰った」 「ゆうちゃん?」 「佐々木部長」 あっ……そうか。ユウジロウって名前だっけ佐々木部長。 佐々木部長に抜いて貰ったんだあ、星夜くん。 か、会社で………はわわっ!! やっぱ、星夜くんは大人だ。 僕は会社では無理!! 誰に見られるか分からないし、 それに、ちひろさんは真面目だもん。 きっと、そんな事したり、言ったら怒るよね? チラリと西島をみる。 真面目な顔で先輩スタッフと何か話している。 昨夜だって、ぼく………… 怖かったけど、良かったのに。 しても………良かったけど。 ちひろさんは僕が怖がってるって心配してくれたんだよね。 トイレなんか僕が行っちゃったからあ。 うわあーーん、ほんと、僕ってバカ。 ちひろさんごめんなさい。 碧は後悔ばかりで仕事が手につかなかった。 ◆◆◆◆◆ 昼休み近く、碧の携帯にメール。 差出人は西島。 開くと、『医務室に先に行ってるから後からおいで。お弁当を一緒に食べよう』 そう書いてあった。 ちひろさん……… 碧はチラリと西島をみて、直ぐに返信。 『はい。一緒に食べたいです』 西島は碧からの返信を見て、嬉しそうに笑った。 ◆◆◆◆◆ メール通り、西島が先に出た。 「碧、西島部長と一緒行かないの?」 西島が出た後に心配そうに聞く斉藤。 「僕は後から」 「あ、そっか、スタッフに勘ぐられるのもメンドイもんな」 「星夜くんは佐々木部長?」 「うん、そう、ゆうちゃんと………人来ない場所で今度はゆうちゃんにフェラする約束してんだ」 フェラ!? ややや、やっぱ、星夜くんは大人だ。 「碧もくる?フェラ指導してやるけど?」 大胆な言葉に碧は顔が真っ赤。 「冗談だよ。碧、あまりさ、考え過ぎんなよ?」 笑いながら碧の頭を撫でる。 「うん」 頷くけれど、でも考えてしまう。 どうしたら、大人になれるのか? どうしたら、斉藤と佐々木みたいに……? そんな事ばかり考えるのだ。 ◆◆◆◆ 「にーしーじーまーくん」 肩を叩かれムッとして振り返る。 「子供か!」 肩を叩いてきた佐々木を睨む。 「ちひろたん、今から碧ちゃんとランチ?」 「悪いか?邪魔しにくるなよ!」 「しない、しない。ほら、これ」 西島の手のひらを包むように両手で何かを渡す佐々木。 見るとコンドーム。 「お前、何しに会社きてんだ」 「行き帰りに、色々とあんじゃん?ちひろたんも考え過ぎないで手を出せばいいじゃん?」 「お前な!」 「早く手を出さなきゃ俺が碧ちゃんやるからな」 西島の言葉を遮って言葉をかぶせてくる佐々木。

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