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僕の初めてを貰ってください。 20話

自分が子供だから……… そればかり考えていた。 西島に似合う大人になりたい。 それに結婚……本当なのか? 西島に聞くのが早いのだがそうだと言われた時の事を考えるとショックが大き過ぎる。 話ながら泣く碧を佐々木は見つめていた。 大泣きするというより、静かに泣く碧が健気で思わず抱き寄せる。 よしよし、と頭を撫でてやると、寂しいのかギュッと服を掴んできた。 「碧ちゃんは西島にガンガン手を出して欲しいのに、手を出してくれない……こんなに求めてんのに、アイツもアホだね」 佐々木の慰めの言葉で少し顔をあげて、 「ちひ、ちひろ……さんはアホじゃ……ありません。ぼくが……子供だから」 鼻をすすりながら答えた。 大きな瞳に涙をたくさん浮かべて見上げる碧は充分に色気があり、子供には見えない。 「碧ちゃんは子供じゃないよ」 佐々木は頬に手をあて、微笑む。 「子供じゃないのに手を出さない西島がアホって意味だよ」 佐々木の手はそのまま頭へと上がり髪を撫でる。 「ぼく……子供じゃないですか?」 「子供じゃないよ、碧ちゃんは……俺でためしてみる?」 「えっ?」 碧が短く返事をした次の瞬間、その場に押し倒されていた。 「佐々木……部長?」 ビックリしたように佐々木を見上げる。 「碧ちゃん……ひとつ、教えてあげる。結婚するのは西島のお姉さんだよ」 「おねえ……さん?」 「そう……お姉さん。専務の知り合いみたいだよ?だいたい、西島が見合いするわけないだろ?碧ちゃんがいるのに」 碧を見下ろし微笑む。 結婚が誤解だと分かり、ホッとした顔をみせる碧に佐々木は少しづつ近付いていく。 ◆◆◆◆◆ 何度、電話しても佐々木がでない。 もちろん、碧からの連絡もない。 まだ、勤務中。 でも、仕事どころではない。 手につかないのが正解なのだが。 そんな不安の中、佐々木からメールがきた。 動画が添えられていて、メールの内容には、 碧ちゃん、いただいた。 だった。 動画を開いて西島は硬直する。 碧の裸。 血の気が引くのがわかった。 西島は携帯を握りしめ、 「悪い、外出する」 と席を立った。 医務室に走り、神林に、 「車の鍵をかせ!!」 と必死の形相で叫んだ。 神林は理由も聞かずに鍵を貸してくれた。 それを握りしめ、西島はまた走った。 碧………… 心臓が爆発しそうなくらいに心拍数を上げていた。 ◆◆◆◆◆ 動画には碧の白いマシュマロみたいなお尻も映っていて、割れ目をさき指が入っていく………そこで終わっていた。 早くいかなければ、その後に進む。 信号さえもこんなに苛ついた事はない。 碧……!!! 何度も碧の名前を心で叫ぶ。 ◆◆◆◆ 佐々木は下着だけでベッドの上にいた。 自分が組み敷いた相手にキスを繰り返しながら、指先はアナルを執拗に愛撫している。 「んんっ、あっ……」 アナルをいじられ、喘ぐ相手。 そろそろ挿れようか……と、した時に部屋のチャイムが鳴る。 ……意外と早くきたな。 佐々木はキスを止め、ベッドから降りた。 ◆◆◆◆◆ 佐々木の部屋のドアが開く。 中から顔を出した彼の姿は下着姿。 その姿に有無も言わず西島は佐々木を殴りつけた。 佐々木は覚悟していたが、手加減なしにヨロヨロと後ろへ倒れた。 西島は文句を言おうと思ったがそれよりも碧が心配で寝室へと直行し、勢いよくドアを開ける。 「うわっ、」 短い悲鳴と、床に散乱するスーツやシャツや下着。 そしてベッドの上で裸でこっちを見ている、 「えっ?あれ?……さい………とう?」 斉藤の姿。 あれ?あれあれ? 西島の思考回路はフリーズした。 「碧ちゃんなら30分前に実家から電話があって帰ったよ、親父さんが怪我したらしい。で、タクシー代貸したから西島、お前が払え」 と真後ろから佐々木の声がして振り返ると手を出して金払えアピールしている。 ん?んん? 何言ってんだコイツ? って分かりやすい表情を見せて佐々木を見ている西島。 まだ、状況が理解出来ていない。 「にし、西島部長、仕事じゃなかったっすか?」 斉藤はシーツで身体を隠しながらに聞く。 そう、めの前にいるのは碧じゃなく斉藤。 てっきり、この部屋で碧が抱かれているのだと思っていた。

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