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家族になりたいです。5話

フワフワと身体が宙に浮いてるようで気持ちいい。 気持ちいいと言えば………ちひろさんとのエッチ、気持ち良かった。 夢中で少ししか覚えてないけど、身体が揺れる度に奥が刺激されて、初めてなのに感じていた自分に驚いた。 そして、なにより西島とひとつになれた喜びの方が大きい。 ちひろさん、気持ち良かったかな? ちょっと心配になった。 そして、フワフワ揺れている中で目を開けた。 あれ? ちひろさんの頭? 目に飛び込んできたのは西島の後頭部。 周りをキョロキョロとして、ようやく気付く。 西島におんぶされている事に。 あ、そっか……僕、途中で……… 西島の出したモノを奥で感じながら気が遠くなったのだ。 「ちひろさん」 名前を呼ぶ。 「目、覚めたか?」 「あの、ぼく、歩きます。降ろしてください」 迷惑かけてしまったようで碧は申し訳なさで心がいっぱいになる。 「だめ、碧に無理させたんだから」 「でも」 「俺がおんぶしたいだけだから大人しく背負われてくれよ」 そんな事を言われたらはい。って言うしかない。 碧は大人しく背おられる事にした。 「あの、ちひろさん」 「ん?」 「…………ちひろさんは気持ち良かったですか?」 ぶはっ!!と吹き出しそうになった西島。 ストレートに聞いてくる所は碧らしい。 「良かったよ。だから、碧に無理させた」 「気持ち良かったですか?良かった。いつも、僕ばかり気持ち良くして貰うから」 気持ち良かったの言葉に碧は安心する。 嬉しくて西島にしがみつく。 「ちひろさん、僕、ちひろさんのモノになったんですよねえ」 無邪気に大胆な事を言い出す碧にまた、吹き出しそうになる。 「そうだな。碧は全部俺のモノだよ」 俺のモノ。 ドキッとした。 斉藤が言われていて、羨ましかった言葉。 「もう1回目言ってください」 「へ?」 「俺のモノだって」 「…………いいよ。碧は俺のモノだ。誰にも渡さないし、触らせないよ。俺がずっと碧を守っていくから」 ちひろさん……… ちひろさん!ちひろさん!! 西島の言葉に泣きそうになる。 「ちひろさんも僕のです。僕だけのちひろさんです。」 背中に顔を埋めて涙をこっそり拭く碧だった。 ◆◆◆◆◆ 「碧ちゃん!」 山を降りて直ぐに姉の夏が嬉しそうに手を降っている。 な、夏姉ちゃん!! おんぶされている自分が恥ずかしくなり、「あ、歩きます」と西島にお願いをする。 下ろして貰って気付く、 あ、歩きづらい……… 足の感覚が変な感じで、腰から下がダルい。 セックスをしたって恥ずかしいくらいに自覚出来た。 「良かったねえ、西島部長さんが迎えに来てくれて」 碧が近付くと夏は嬉しそうに微笑んでくれた。 「うん、えへへ」 照れたように笑う碧の耳元で、 「写メよりカッコイイじゃん部長さん!やるわねえ碧ちゃん」 と小声で言う。 当たり前じゃん!と言おうとした時に、 「あらあ、もしかして西島さん?」 と碧の母親の声がした。 声の方を見ると母親がニコニコ微笑んでいる。 西島は慌てて母親の元へ。 「はじめまして、西島です。挨拶が遅れてもうし……」 「いやあ、ホント、良か男ねえ。ジャニーズ系よねえ、夏!」 言葉をかぶせるように母親ははしゃぐ。 「ちょ、お母さん!西島さん挨拶してるんだから失礼だよ」 慌てて夏が注意する。 「だってえ、ほら、碧から話聞くじゃない?カッコイイ、カッコイイってさ!実物が更にカッコイイけど」 うふふと恥じらう母親に碧も引きつり笑いをする。 「あ、あの、」 挨拶の続きをしようとするが、 「お父さん!ほら、噂のイケメン部長さんよ!」 と叫ばれてしまった。 「今夜は家で夕飯食べていって下さいねえ」 「えっ?いや、あの、」 早く帰りたい……なんて、西島は思う。 碧を風呂に入れてやりたいのだ。 「おおっ、ほんとや、イケメン!!」 戸惑う西島の前に足を引きずりながら父親が現れる。 挨拶もキチンと出来ないまま、家の中へと引きずりこまれた西島であった。

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