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家族になりたいです。 7話

「あの………反対しないんですか?」 恐る恐る聞く西島。 「しない。……碧がね、嬉しそうに特定の人の話するのは初めてなんですよ、実家に帰ってくる度に西島部長がどうした、こうしたと嬉しそうに……確かにね、男同士だし、世間はまだまだ差別もあるけど、うん、いいんだ。碧が幸せな顔してくれるならさ」 父親はそう答えてくれた。 「あ、ありがとうございます。」 西島は頭を下げると、改めて両手を床につき、 「碧くんを私にください!絶対に幸せにします。碧と家族になりたいのです」 と土下座をした。 「ちひろさん!」 土下座をする西島に驚く碧。 「一緒に暮らす許可をください!」 碧はアパートを借りたまま、自分の部屋に居るのが気になっていた。 一緒に暮らせば家賃が浮く分、碧だって小遣いが増える。 それに社会に出ているとはいえ、碧はまだ20歳になっていない未成年だ。 両親の許可無しに同棲するのは違う気がしていた。 「そんな頭下げなくてもいいんですよ、碧の気持ちを優先したいから」 父親はそう言うと碧をみて、 「碧はどうしたい?」 と聞く。 碧の答えは決まっている。 「ちひろさんと家族になりたいです」 とポロポロと涙を零した。 「じゃあ、誰も反対しないよ」 父親はニコッと二人に微笑んだ。 「あ、ありがとうございます。」 西島はもう一度頭を下げた。 「良かったねえ碧ちゃん」 夏にそう言われ、碧は泣きながら頷く。 ◆◆◆◆◆◆ 夕食を食べ終わり、帰る二人を家族全員で見送ってくれた。 「またおいで」 とおみやげも貰い、車に乗り込み西島のマンションへと向う。 碧は助手席に諭吉と座り、まだぐすぐす泣いていた。 部屋に着いたら目を冷やしてあげなきゃな。なんて思う。 「ちひろさん………」 「ん?」 「本当にいいんですか?ぼくが………ちひろさんと家族になって」 濡れた瞳を自分に向ける碧。 「碧じゃなきゃ嫌だ」 そう答えると碧はまたポロポロと涙を流す。 「泣き虫だな碧は……おいで」 西島は碧の肩に手を回し引き寄せる。 「ちひろさん、ぼく、ちひろさんのこと、あまり知らないです。誕生日も……恋人なのに」 「そんなの、これから知っていけばいいよ。俺ももっと碧を知りたい」 「はい。」 西島の肩に頬を寄せて頷く碧。 「いっぱい知りたいです」 たくさん、ちひろさんを知りたいです。 もっと、もっと、知りたいです。 「今度の休みは引っ越ししような。荷物を全部運ばなきゃ」 「はい」 「でも、………碧の家族に反対される覚悟して会いに行ったんだ。だからアッサリと許可して貰えて驚いているよ」 少し笑う西島。 「反対されたら駆け落ちしようと覚悟してたんだ」 「えっ?駆け落ちですか?」 碧は驚いて西島の顔を見る。 「それくらい真剣だって事だよ。生半可な気持ちで碧と付き合っているわけじゃない。反対されても、殴られても碧の両親に交際を許して貰おうと思ってたんだ」 引き寄せた碧の頭を撫でながらそう言う。 碧の為ならなんだって出来る。 仕事だって世間だって、碧の為なら乗り越えれるし、頑張れる。 いつの間にか西島の中での碧の存在がかなり大きくなっていたのだ。 「ちひろさん……が、そんな事を考えてくれていたなんて……ぼく、僕は……すごく、嬉しいです。」 碧は嬉しすぎて言葉に出来なかった。 もっと気の利いた言葉を言いたいのに、言葉を探せないのだ。 嬉しい。 そう言葉にするのが精一杯。 西島の大きくて温かい手のひらが頭を何度も撫でる。 その温かさに目を閉じて肩に寄り添う碧だった。 ◆◆◆◆◆◆ 西島の部屋に帰りついた時は深夜を回っていた。 「あ、にゃんこ達にごはん」 部屋に着くと思い出したように碧は声を上げる。 「にゃんこ達のご飯は神林に頼んだ」 「えっ?神林先生?」 「碧を迎えに行く前に電話した」 「そうですか、良かった。車も神林先生ですよね?お礼言わなきゃですね」 碧は安心したように微笑む。 「鍵返しに行った時に言うよ。とりあえず風呂入ってから寝ようか?」 「はい」 朝からでもいいのだけど、中出しをしてしまったから碧を洗ってあげたい。 碧の手をひき風呂場へ。 互いに服を脱ぐのだが、森での出来事を思い出し西島は、つい、ニヤついてしまう。 碧も服を脱ぎながら、西島との森での行為を思い出していた。 ちらりと西島をみると、視界に入る彼の裸体。 下着を脱ごうとしていたので、慌てて目をそらす。 ううっ、ぼく、えっちだ。 ちひろさんの裸…………すごく、みたい。 だって、ぼく、ちひろさんとエッチしたんだよね。 ちひろさんのチンコが僕の中に……… うわあー!! やばーい、恥ずかしい!! 思い出すと悶えるくらいに恥ずかしくなってきた。

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