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家族になりたいです。8話

あの時はただ、欲しくて……欲しくてたまらなかった。 大人になりたいとか、そんなんじゃなくて、ただ、西島を求めた。 愛されたい。愛したい。そんな感情。 いま、少し冷静になると恥ずかしさで顔が熱くなる。 「碧?どうした?眠い?」 服を脱ぐ途中で止まっている碧に気付き、声を掛けた。 疲れさせてしまったかな? 先に寝た方が良かったかも? 碧は華奢で小さくて、まだ子供。 セックスだって初めてで、あんなに激しくしてしまったのだから疲れるに決まっている。 西島は心で反省。 しかし、碧の心の中まで読み取るのはまだまだで、彼は疲れているのではなく、自分に欲情してるなんて気付いていない。 「いえ、あの、眠くないです!!」 碧は一気に服を脱ぐと浴室のドアを開ける。 ううっ、マトモにちひろさんの裸見れないいいいい!! シャワーを全開にさせ、頭からかぶる。 「つめたっ!!!」 まだ温まっていない水のままのシャワーに碧は慌てる。 「何やってんだ碧」 クスクスと笑いながらシャワーで冷たくなった碧を自分の方へ引き寄せる。 ぱふん、と西島の胸に顔があたる。 筋肉質な胸。 華奢な自分とはやはり違う。 ちひろさんの裸………っ、 やっぱりかっこいい。 「ほら、温かくなったぞ」 西島はお湯に代わったシャワーを碧へとあて、身体を温める。 シャワーをあてながら、シャンプーをつけて、髪を洗い出す西島。 風呂に入る度に碧の髪を洗うのが西島の小さな幸せ。 なんか、子猫を洗っているようで、キュンとくるのだ。 碧の髪質は柔らかくて触ると気持ちいい。 それに碧も髪を洗う時に気持ち良さそうな顔をするのだ。 それを見るのも好き。 現に今も気持ち良さそうな顔で目を閉じている。 ああ、もう!碧は可愛い!! 大きい西島の手は優しく撫でるように碧の髪を洗っていく。 碧は西島に触られるのが好きだ。 大きい手は碧を気遣っていると伝わるくらいに優しい。 髪を乾かしてくれる時も気持ち良すぎてウトウトしてしまう。 ちひろさんの手、好きです。 碧は顔を上げて西島を見る。 目が合うと優しく微笑む西島。 釣られてほにゃらと顔が緩む碧。 ぐはっ!!! くそ、可愛いんじゃ、碧め! 気持ち良さそうな顔をしていた碧が自分を見て幸せそうに笑う。 ああ、もう!!抱きしめたいじゃないか!! しかも、今の可愛さで下半身に一気に血液が流れたみたいに熱いし、俺って意外と節操ないなあ。 こんなんじゃ碧に嫌われる! 『ちひろさん、エッチ過ぎて嫌い!』 なんて言われたら死ねるかも知れなん。 我慢するんだちひろ!お前はやれば出来る子だろ! と、自分に言い聞かせながら西島は平静を装う。 髪は洗い終えた。 じゃあ、身体を………… あ、中出ししたんだった。 中も洗ってやらないと…… そう思い、ボディソープを手にしてスポンジで泡をたてる。 「碧、身体洗うから」 西島のその1言で碧は顔が熱くなるのを感じた。 身体を洗って貰うのは初めてじゃないのに、急に恥ずかしくなる。 だって、昨日とは関係が違う。 心も身体も西島のモノになったのだから。 森の中での行為を思い出しては頭を振る。 「碧?どうした?」 頭をブンブン振る碧に不思議そうな顔をする西島。 「あ、いえ、なんでもないです」 なんでもないです。と答える碧の顔は赤らんでいて、凄くエロい表情だ。 そ、そんな顔出来るのか碧! 昨日までの子供っぽさから色気のある表情に変わっている。 色気が増す。そんな感じだ。 そんな顔するなああああ!! ピンク色の唇は少し開いていて、フェラをして貰ったのを思いだす。 ペロペロと舌を使ってぎこちないフェラ。 くそううう! 俺は我慢出来る子なんだ!負けるなちひろ! 西島は首筋辺りから泡立てたスポンジをあて、ゆっくりと身体を洗っていく。 冷静になれ!心で何度も繰り返しながら。 白い泡は色白の碧にエロさをプラスさせる。 ピンク色の可愛い乳首にスポンジから流れ落ちる泡がそこで止まり、つい、見てしまう。 見てもいいのだが、今みたらそこに食いついてしまいそうで自分を押さえる。 泡って何でこんなにエロいんだ? こんちくしょうめ。 見ないように背中を向けさせた後に後悔するはめになる。

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