168 / 526

家族になりたいです。 15話

「碧、そのままで」 西島は薬を取りに寝室を出た。 ち、ちひろさん………あさ、朝からするんですかあ? うひゃあ、凄い!!大人って凄い! エッチって気持ちいいけど、凄く疲れるのに、ちひろさん体力あるんだあ。 僕、昨日の事は途中から覚えてないもん。 頭、真っ白になって………ただ、凄く気持ち良かった事しか……… また、思い出し碧は顔を熱くさせる。 星夜くんも、するのかな? 僕より凄く大人だもんね。 ドキドキしている碧の元に西島が戻ってきた。 「お尻、少し上げれるか?」 ひゃう!! 西島の言葉に碧は、「はい!!」とお尻を上げる。 顔を枕に伏せる。だって、まだ、恥ずかしい。 しなやかな身体がお尻だけをつき出す。 碧の姿に一瞬ドキっとする西島。 まるで、誘われているみたいだ。 仕草がエロい……くそ、朝から勃起しそう。 西島はムラムラな気持ちを押さえながら、軟膏を指につけ、碧のお尻に。 にゅる、としたものをお尻につけられた。 ひゃう!ってなる碧。 指先が優しく入り口を撫でていく。 ふあっ……ちひろさん…… 「んっ、」 ちょっと感じてしまった。 「痛いのか?」 ぴくんと、身体を動かす碧に、西島は心配そうに聞く。 「大丈夫です。」 顔を伏せたまま、答える。 指先だけで感じてしまった。 「じゃあ、立てるか?」 薬を塗り終えて、碧の身体を起こす。 えっ?立つんですか? キョトンとする碧。立ってするんですか?って聞きそうになった。 ベッドから下ろされ、床に足がついた瞬間にガクンと膝から崩れた。 碧の身体を抱きとめてくれたのはもちろん、西島。 あれ?なんで?と立てない自分にさらにキョトンとなる。 「しばらくすれば、大丈夫だけど、お尻も痛いだろうし、今日は部屋にいろ」 西島は昨夜脱がせたバスローブを碧に着せてフワリと抱き上げた。 そして、リビングへ。 朝食が用意されたテーブルの席に座らせられた。 んん?碧は朝食を前に考える。 あれ?するんじゃなかったんですか? 「お尻は薬塗ったから大丈夫だぞ?ごめんな、初めてなのに乱暴にして」 謝る西島をじっーと見つめる。 薬?さっきのは薬………………、 理解してしまうと、一気に耳まで赤くなってしまった碧。 うわあーー!違った!!ぼくのバカ!バカ!エッチ!! ちひろさん薬を塗ってくれただけなのに僕は………うわーん、恥ずかしい! ジタバタしたいのを押さえる。 「碧、顔赤いぞ?まさか熱?」 慌てる西島。 無理させてしまった!! 碧の額に手をあてる。 「ちが、違います……あの、ぼく、恥ずかしくって」 潤んだ瞳で西島を見つめる。 恥ずかしくって? あ、そうか、エッチしたんだもんな。 そう言われれば自分もちよっと恥ずかしいかも。 改めて碧を抱いた実感がこみ上げてきた。 お互いに恥ずかしさで顔が赤くなる。 えへへ、と互いに照れ笑いをして、自然に唇が重なる。 前みたいな軽いキスじゃなくて、くちゅっと舌を絡めるキス。 いつも間にか、碧もそれを自然に受け止めている。 唇を離すと、潤んだ瞳に赤い頬。 幼さに色気がプラスされている。 こ、こんなエロい顔の碧を外に出したくない。 こんな顔………俺しか見れなくしたい。 西島はまた、碧にキスを落とす。 ラブラブな空気を裂いたのは、 「マグロううう」 と訴える諭吉の声だった。 諭吉め!!邪魔しやがってえええ!! マグロは毎日ダメだと言った仕返しだな。 碧から離れると諭吉のご飯を手にする。 「ちひろさん、僕が」 椅子から降りようとするが、「碧は座ってろ!」と優しく微笑まれて、座り直す。 諭吉はトテトテと軽い足取りで西島の足元にいく。 「帰りにマグロば買うてこいな、昨日の道案内代ばい?安かやろうが?」 そう言われ、「はいはい、マグロね。」 とご飯を器に入れると頭を撫でた。 ◆◆◆◆◆ 朝食を食べた碧は、またベッドに連れていかれた。 そして、パジャマ代わりの西島のシャツを貰う。 碧用の着替えもあるのだけど、自分のシャツを着た碧にかなり萌えるのだ。 萌袖といい、太ももまでの裾といい。 もう、変態と罵られてもいい!! 「ちひろさん、僕も会社いきます」 「だめだ!休んでなさい」 行きたいと言っても却下。 エッチして、ダルいから仕事休むのは気が引ける。 「でも」 「碧は有給使ってないだろ?斉藤なんて、使いまくってるぞ、アイツも二日酔いとかで休んだりするからな」 「そうなんですか?」 「有給使ってもらわないと、会社も困るんだけどな?」 西島にそう言われ、はい。と頷いた碧。 「じゃあ、イイコにしてろよ?」 頭を撫でられた碧は、 「ち、ちひろさん、あの、いってらっしゃいのチュウしていいですか?」 と、照れながら聞く碧。 ぐわあ!!可愛いいいい!! 西島は碧にキス。 「違います!僕からするんです!!」 西島を引き寄せて、碧は唇をちゅっ、と押し付けた。 離れると可愛く照れ笑い。 ううっ、くそ!俺も仕事休みたいじゃないか!! 後ろ髪引かれる気持ちを断ち切り、西島はネクタイをしめて、上着を着る。 スーツ姿の西島は見惚れるくらいにカッコイイ。 碧はウットリと西島を見つめている。 玄関で見送りたかったが、西島にベッドにいなさいと言われ、仕方なくベッドからいってらっしゃいと声を掛ける。 「いってきます!」 碧に手を振り仕事へ。 外を歩きながら、ジワジワと嬉しさがこみ上げてくる。 いってきます!と誰かに言ったのは久しぶり。 いってらっしゃいと言われたのも随分と久しぶり。 そして、帰りを待ってくれる人が居てくれるのも、久しぶりだ。 こんなに嬉しかったっけ? 忘れてた感情だった。 ◆◆◆◆ 「西島部長!!」 駅の改札口を出て直ぐに斉藤に捕まった。 「碧は?昨日、碧の実家行ったんでしょう?」 「おはようございます。もなしに碧か?つーか、同伴出勤か!!」 西島は斉藤の後ろにいる佐々木に視線を向ける。

ともだちにシェアしよう!