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家族になりたいです。 17話

「えへへ、ありがとう」 「お尻大丈夫か?」 「う、うん、ちょっと痛かったからちひろさんが薬塗ってくれたから大丈夫」 恥ずかしかったけど、そう答えた。 だって、こんな話をわかってくれる男友達って斉藤しかいないし、斉藤は親身になってくれる。 「まあ、俺も初めての時はそんな感じだったな」 「ほ、ほんと?歩けなかったの?ぼくね、なんか、足の付け根とかがだるくて……」 良かった、自分だけじゃないって安心した。 「あー、なるなる!うちのユウちゃんってば激しいから、たまに関節外れそうになるもん。碧は初体験だから、いろんな体位知らないだろ?今度教えてやるよ。そしたら、西島部長をメロメロにできる!」 ふわわ!さすが星夜くん!!大人だ! 「うん、教えて!!僕ばっかり気持ち良くして貰ったの。……あの、あの、それと……オシリとか舐めてもいいの?」 恥ずかしかったけれど、聞いてみた。 昨日、舐められた。 洗ってあるから大丈夫とか言われても心配なのだ。 「舐めて……碧、舐めたいのか?」 驚いたような声。 「えっ?あ、ちが、あの、昨日、ちひろさんから……なめ、られて」 しどろもどろで答えた。 顔から火が出そうだった。 「あー、なるほどね。大丈夫だよ。俺も舐められたし、舐めるし……まあ、俺は舐められた方が好きだな。気持ち良いだろ?あれ」 そう言われ、「うん」と答えた。 「んじゃあ、仕事始まるから、またな」 「うん、テクニック教えてね」 そう言って電話を切る。 斉藤と話して、足腰立たないのは自分だけじゃないし、オシリ舐められても大丈夫だと、安心した。 気持ち良いだろ?って言葉が頭をぐるぐる回る。 ………気持ち良かった。 思い出してドキドキする。 ちひろさん………いま、お仕事かなあ? お仕事しているちひろさん、好き。カッコイイもん。 西島の事を思うと会いたくなる。 ベッドと着ているシャツから西島の香りがして、匂いをかぐ。 ちひろさん………すき。 碧は目を閉じて、昨夜の西島を思い出していた。 ◆◆◆◆ 「すげーな、碧」 電話を切り斉藤はため息をはく。 エロい………なんか、エロいぞ碧。 「碧ちゃんの可愛いお口から、舐めるとは入るとか聞けるなんてね」 斉藤の真横で聞き耳立てていた佐々木はニヤニヤ。 「可愛いから、余計に興奮する。ショタっ子とかいいなあって碧みてたら思う」 「お前も、俺からしたらショタっ子なんだけどな………その可愛いお口からいやらしい言葉聞きたいなあ、オジサンは」 佐々木は斉藤を引き寄せる。 2人がいる場所はいつものいちゃつく場所。 西島が帰った後に2人でここにきた。 「じゃあ、ちんこ、しゃぶって、オジサン」 「アナル舐められるのもスキなんだろ?」 佐々木は斉藤のズボンのベルトを外す。 「スキだけど、今はだめ、挿れるとオジサン長いから!」 「ケチ………西島も帰ってから碧ちゃんをナメナメするんだろうなあ」 「うわ、やば!!想像したらえろーい」 斉藤は叫ぶのであった。 ◆◆◆◆ 「なんや、ニッシー碧が気になってサボりか?」 玄関に入ると、諭吉がいた。 さすが猫。足音か何かで分かったのだろう。 「神林が俺をインフルエンザだと報告したから休まなきゃいけなくなったんだ」 靴を脱ぎながら答える。 「碧は?」 「マグロは?」 猫と言葉がハモってしまって、西島は苦笑いする。 「ちゃんと買ってきた」 西島はスーパーの袋を見せる。 「おおっ!さすがニッシーばい!」 諭吉の大きな瞳はより一層大きくなり、ギラギラさせながら西島の足元をウロウロする。 器に移して、マグロを諭吉に与える。 「マグロぅ、ばりうまか!」 ガツガツ食べる諭吉。 「もっと落ち着いて食べろよ!結構値段はるんだぞ!」 あっという間に完食してしまう勢いに西島は呆れる。 「何ば言いよっとか?美味かもんばユックリ食べるとは人間だけぞ?」 諭吉はペロリと完食。 「はえーよ!!」 そうツッコまずにはいられない。 「また、こうてきてくれな」 諭吉はペロペロと舌を出して口の周りを舐めている。 喋らなきゃ可愛い猫。 マグロを請求しなければ、本当に可愛いんだけどな。 頭を撫でる。 ◆◆◆◆◆ 西島は着替えをし、寝室へ行くと碧が熟睡中。 可愛い寝顔に顔が緩む。 「鼻の下伸びとるばい」 足元で諭吉の声。 「う、うるさい!いいだろ、可愛いんだから」 西島は静かにベッドへ乗り、碧の隣に寝転ぶ。 抱き寄せると、碧の体温を感じた。 小さくて温かい。 寝顔がなんとも可愛くて、ずっーと見ていても飽きない。 ◆◆◆◆◆ えー!ええっ!! 目を覚ました碧の目の前に西島の寝顔がある。 ちひろさん………えっ?どうして?もう、そんな時間? 夕方まで寝てしまったのかと驚いてベッドの近くにある時計を見た。 11時?えっ?夜の? でも、電気を点けなくても部屋の中が明るいから昼間だ。 どうして西島が隣で寝ているのか碧は不思議だった。 ちひろさん………ううっ、寝顔可愛いです。 年上のちひろさんに可愛いとか失礼だけど、凄く可愛いです。 碧はウットリと寝顔を見つめていた。 しばらく見つめていると、西島が目を覚ます。 「ちひろさん、おは、おはようございます、あ、違いますね、おかえりなさい。」 可愛く微笑む。 そんな、可愛い碧を目を覚まして直ぐに見れるなんて、本当に幸せだなって思う。 碧に手を伸ばして頬に触れる。 「ただいま碧」 おかえりなさい。ただいま。 どれくらいぶりだ?そんな会話。 西島は碧をギュッ強く抱きしめる。 碧がいてくれて嬉しい。

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