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僕が寂しい時も側にいます。 7話

西島の膝の上は体温が伝わり温かい。 そして、少し照れる碧。 「夕飯は何食べたい?」 抱っこされたまま聞かれた。 「ちひろさんが作るものなら僕は何でも好きです」 照れ笑いしながら答える。 「そうか?俺も碧が凄く美味しそうな顔して食べてくれるから作りがいあるよ」 そう言って碧の頭を撫でる。 ふわふわした髪は少し寝グセがついていて、可愛い。 頭を撫でると碧は気持ち良さそうな顔をする。 まるで、子猫。 「身体が平気なら買い出しに行くか?」 「は、はい!!平気です!!買い出しいきたいです!!」 元気よく答える碧に、「それじゃあ、行くか?」 と微笑む。 ◆◆◆◆◆ 「マグロば忘れんなよ」 玄関で諭吉にねん押しされ、わかった。と頭を撫でた。 碧をチラリと見る。 身体は平気そうで一安心。 西島の視線に気付いた碧がこちらを向き可愛く微笑む。 ああ、なんて可愛いんだろう? なんて、キュンとくる。 だから、自然に碧に手を伸ばして繋いだ。 碧は一瞬驚いたような顔をし、直ぐに照れたように笑った。 ほんと、どうしてくれよう?なんでこんなに碧は可愛いんだろう? 可愛すぎてヤバイ!! そして、下半身がムズムズとなる。 うわあ、俺の節操なし!! 手を繋いだだけでジュニアが反応するなんて!! 碧に気づかれないように上着でうまく隠す。 ◆◆◆◆ はう!!ちひろさん、大胆。 手を突然繋がれた。 ドキドキする。 見られて平気かな?なんて心配してみるが周りは碧達には無関心のようで安心した。 西島の手は大きくて温かい。 憧れの人だったのに、今は手を繋ぎ買い物へ行っている。 そして、一緒に住む。 こんな、こんなに幸せってない。 横を向けば西島がいて、身長差が気になるけど、でも、でも!嬉しい! 一緒に歩けて嬉しい! ちひろさんは凄いです。僕を幸せな気持ちにしてくれる。 碧は西島の手を強く握り返す。 ◆◆◆◆◆◆ 2人で買い物は悪くない。 アレコレと食材を選ぶ楽しさ。 こんなに幸せなのだと西島は初めて知った。 買い物を終えて、部屋へと戻る途中、公園に寄り道。 にゃんこ達にご飯。 西島と碧の気配に気づいた猫達が寄ってくる。 寄ってきた猫達を撫でる碧。 公園から見える碧の部屋の窓に西島は視線を向ける。 恋人同士になる前からこんなに近くに住んでいたんだなあって、しみじみ思う。 自分と同じように公園で猫達に餌を与えていた碧。 すごい偶然。いや、必然? そう考えて、恋する乙女か!!と自分で自分につっこみ。 「ちひろさん?」 なにやら様子がおかしい西島を見上げる碧。 なんでもないと笑って誤魔化す。 草むらの向こう、小さく鳴く声がした。 にゃんこだ。 西島はにゃんこに近づき、餌を与える。 前より大きくなっているにゃんこ。 でも、警戒は相変わらず。 仲間の猫達が遠巻きに見ている。 あの子達がにゃんこと一緒にいてくれている。 血は繋がらないけど、どこか違う所で繋がっている猫達。 その存在を知って少し安心している西島。 にゃんこ、お前、寂しくないんだな? 良かったな。 餌を食べるにゃんこを見て目を細める。 少し、自分に重ねていた。 もの心ついた頃から、自分は1人ぼっちだと思っていた。 寂しいくせに強がっていた自分。 でも、本当はにゃんこみたいに怯えていた。 「にゃんこ可愛いですね」 西島の隣、微笑む碧。 碧をみて思う。今の自分には碧がいる。 隣でこんなにも笑ってくれている。 「うん」 返事をして、碧の頭を撫でた。 「部屋の荷物を運び出さなきゃだな」 碧に微笑むと、凄く嬉しそうに微笑み返してくれる碧。 「はい!」 元気な返事にさらに顔がゆるむ。 にゃんこ達にまた来ると言って2人で部屋に戻る。 ◆◆◆◆◆ 「マグロううう!!」 ドアを開けた瞬間、待ち構えたように雄叫びをあげる諭吉。 「ただいま諭吉」 碧は諭吉を抱き上げる。 「マグロ買ってきたよ」 「早う、マグロばくれ!!」 碧の言葉に目をキラキラさせて答える諭吉。 でも、碧にはにゃーんとしか聞こえていないだろう。 諭吉が碧に分からなくても話しかけていると言っていたのを思い出す西島。 諭吉、寂しいだろうな。 西島も諭吉の頭を撫でる。 「上マグロやろうな?安かマグロじゃ食わんばい!!」 やっぱ、聞こえていない方がいいかも……… 西島は苦笑いをした。

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