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僕が寂しい時も側にいます。14話

また………やって、しまった。 西島はテーブルの上でぐったりしている碧を見てものすごーく反省中。 俺ってば、マジで盛りがきた発情期の犬だ!! こんなに精力溢れてたっけ? 許されるなら四六時中、碧といちゃつきたい。 そんな事を思っている自分が怖い。 「碧……すまない。大丈夫か?」 碧の頬を触れる。 「ちひろさん……どうして謝るんですか?ぼく、気持ち良かったのに」 頬を赤くした碧はニコリと笑う。そして、西島に両手を伸ばした。 西島は碧を抱き起こして、身体をギュッと抱きしめる。 「ちひろさんはいつも僕を気持ち良くシてくれるし、大人扱いしてくれるんだもん。僕、嬉しいです」 ギュッと首筋に抱きついて可愛い事を言う。 あ~~、ちくしょーー!!可愛い、可愛い、可愛いんだよ!こんちくしょーーー!! 「碧が気持ち良くなってくれるなら俺も嬉しいよ……朝ごはん作るよ」 「えっ?ダメです!僕が作ります」 碧は西島から離れ、テーブルから降りようとしたのだけれど、力が入らずヘナヘナとその場に座り込む。 「力、入らないだろ?碧は座ってて。俺が作るよ。碧にはお昼ご飯作って貰うからさ」 西島は座り込む碧を抱き上げて椅子に座らせる。 本当は自分が作りたかった碧だけど、今は力入らないのだから仕方ない。 「はい。お昼はぼく、がんばります!!」 素直にそう言った。 西島がキッチンに立つその後ろ姿を見つめる碧。 ちひろさんのキッチンに立つ姿、僕、大好きです。 カッコいいんですもん!! 夏姉ちゃんや星夜くんにも見せたいなあ。 碧は好きな人を自慢したいタイプである。 そんな碧の熱い視線を受けながら西島は朝食を作る。 ああ!!碧かわいい!碧かわいい! テーブルでニコニコしながらこちらを見ている。 しかも、まだ、頬が紅い。 さっきのテーブルでの碧のエロい顔。 絶対に他の野郎には見せないからな!! 碧の声もだ!! 西島は隣の男達をまだ、気にしていた。 碧、良く無事でいたなと。 部屋は1階だと知った時にかなり焦った。 あんなに可愛い男の子がその気になれば侵入が簡単な1階に。 もし、隣の野郎共が碧の部屋に侵入して、碧を………… 『いや!やめて!』 嫌がる碧を2人で抑えつけて、 『おい、口塞げよ!』 無理やり野郎の1人に口にタオルか何かを押しこまれて、 『気持ち良くしてあげるからね碧ちゃん』 2人から……… ぐわあああ!!許せん!! 西島は妄想に怒りを覚え、その怒りの矛先は罪もないまな板の上の食材。 トントントントントントン!! 激しく食材を切る西島を、 ちひろさんはカッコいいなあ………とホワワンとしたゆるゆるな顔で見つめる碧。 ニッシー、隣の野郎ば気にしとるとやろな。 西島の妄想を感じ取る諭吉。 ヤレヤレばい。ほんと、盛りのついた動物ばい。 諭吉は碧の膝にピョンと飛び乗り、ゴロゴロ喉をならした。 ◆◆◆◆◆◆ 「ちひろさん、お昼何食べたいですか?」 朝食を食べ終わり、片付けを2人仲良くしながら碧はニッコリ微笑む。 碧!!って即答したい西島。 いやいやいや、どこのエロオヤジだよ?なんて自分突っ込み。 「碧………が作ってくれるモノなら何でもいいよ」 「え~~、それ困ります!僕はちひろさんみたいに料理のレパートリーないんですよ?」 困った顔の碧も可愛い。 「うーん、じゃあ、碧………が食べたいかな?」 なんて冗談ぽくいってみる。あくまでもさり気なくていやらしさを出さないように。 その言葉をきいた碧は頬を赤く染めて、俯いた。 俯く碧に、しまった!!やらかしたか?と焦る西島。 碧の可愛いお口から「ちひろさんの変態!」って言葉を投げられたら、どーしよう? 「ち、ちひろさん……そんな反則です。ぼく、照れちゃいます」 真っ赤なほっぺの碧はモジモジした仕草。 ぐはっ!!おまっ! 碧の態度の方が反則だろーがよおおお!! いかん、いかん、このままではまた、碧の身体に負担をかける。 「照れる碧は可愛いよ。」 本当は鼻の下伸ばしてデレデレしながら頭を撫でたいけど、それじゃあ変態そのもの。 なので、キリリッとした顔で微笑んだ。 ふわぁ、ちひろさん……かっこいい。 エッチな事言ってもちひろさんはカッコイイ。 こんなカッコイイ人が僕の恋人だなんて。 こいびと………… 恋人!!! 碧は改めて西島が自分の恋人だと実感して興奮した。 「碧!!ちょ、大丈夫か!!」 慌てる西島にキョトンとする碧。 自分の鼻にティシュがあてられ、ようやく気づく。 あれ?もしかして鼻血出しちゃったの? 「碧、大丈夫か?俺がさっき無理させたから」 キリリとしたカッコイイ顔から、心配そうな顔に変わる西島をみて、悪いと思いながら、 ちひろさん優しい。なんて、感動していた。 鼻血が止まるまで碧は大人しくソファーへと座らされた。 しまった、碧は興奮しやすくて、鼻血出しちゃう子だったのを思い出した。 ほんと、俺のばか!! 反省する西島であった。 ◆◆◆◆◆ 「で、碧ちゃん大丈夫なのか?」 神林の声が電話の向こうから聞えてくる。 「うん、鼻血は止まったんだけど、熱とか出しやすい子だから心配で」 心配性の西島は神林に電話をかけていた。 「わかった。様子見にきてやるから」 「本当か?」 ホッと胸を撫で下ろす西島。

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