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ずっーと、好きです。5話

「西島部長の事だからグーパンされたでしょ?」 ニヤニヤする斉藤。 「いや、それがさ、俺を誰かと間違えてアイツからキスしてきた。キスしてきたから、俺もうスイッチ入ってさ、テンション上がって、発情期の犬みたいにベロンベロン舐めまくったら、アイツも可愛く喘ぐわけよ。んで、1回イカせたら寝ちゃってさ。でも、寝てても俺はいいわけよ。穴があれば」 「ゆうちゃん最低!」 「で、やっちゃおう!って時に部屋のピンポンを連打されて、うるさくて対応したら、スーツ野郎がそこにいた」 「此上さん?」 「そう!そいつ」 「えっ?だれ?このうえって」 「西島ってね、すげえ金持ちんちの子供でね。ボディガードってやつ」 「えっ?部長ってお金持ちなの?えっ?ボディガード?えっ?カッコいい!!ケビンコスナーみたいなの?」 斉藤はテンションが上がる。 「まあ、イケメンだったなあ。長身のイケメン。あー、ほら、東方神起のユノみたいな感じ?」 「うおおお!めっちゃイケメンじゃないですかあ!いいなあ。イケメンのボディガードとか」 「星夜は違うとこにくいつくなあ……で、その此上氏に持っていかれた。」 「殴られなかった?」 神林がそう聞いた。 「いや、最後までヤッたかって聞かれて未遂ですって答えたら、次に彼にこんな事したら海に沈めるって真顔で言われちゃった。てへ」 「此上さん、それ本気で言ったと思うよ。良かったな未遂で」 「ええ、イケメン怖いっすね。で、西島部長はその事覚えてるんですか?」 「いや、ヤツは覚えてなかった。ただ、服脱いだ事までは覚えてたみたいで、酒飲んだら脱ぐって思ってるから飲まないんだよ」 「そうかあ……ね、ゆうちゃん、もしかして、西島部長好きだったの?」 「えっ?まさかあ?やりたい盛りだよ?セフレとかいっぱいいたし。星夜だって、セフレいっぱい居ただろ?」 「まあ、そうだけど……まだ、好きだったらやだなあ、って。西島部長には俺、敵わないもん」 ちょっと拗ねる斉藤。 「せいや……ほんと、お前って」 抱きしめてキスしようとした瞬間に咳払いをされる2人。 「でも、部長ってお金持ちだったんですね。働かなくてもいいんじゃ?」 「星夜、そのセリフは西島に言うなよ。あと、お金持ちもダメ!もちろん、碧ちゃんにもダメ」 「えっ?何で碧に言っちゃダメなの?ゆうちゃんとエロい事やろうとした話が言っちゃダメなんだと思ってた」 「あ~、もちろんそれも!西島はね、誰にも知られたくないんだ。碧ちゃんはいつか言うだろうけど、他人から恋人の知らない一面聞くの嫌だろ?だから」 「ああ、そっか。うん、言わない」 斉藤は頷く。 「でも、部長、ゆうちゃんを誰かと間違えてたんでしょ?その頃もだけど、モテてたみたいだから、恋人とかいたと思うんですけど、部長の恋人たったてどんな人?」 「……神林知ってる?」 佐々木はチラリと神林をみる。 「知らない。告白は全部断ってたのは知ってる。……でも、恋人は居なかったと思うよ?多分……」 自信なさげに言う神林に 「えっ?2人幼馴染でしょ?」 斉藤は驚く。 「西島って自分の話はほとんどしないから」 「そうなんですかあ~、でも、自分の話ばっかする人よりはいいと思うなあ。でも、部長とずっと居るって事は自分の話をしなくても、部長が良い人って事ですよね」 「星夜って、ほんと、ポジティブな事言うなあ~、まあーね、俺も神林も西島嫌いじゃない。でも、もっと、心は開いて欲しいとは思うよ。自分の中だけで消化出来ない事って沢山あるわけだろ?それを消化してくれるのは、身内だったり、友達だったり、恋人だったりするわけだろ?あいつ、毎回、心に溜め込んで、たまーに倒れる」 「あったな、ソレ。中学で1回入院して、高校でも、あるな……ほんと、ちひろってほっとけない」 佐々木の言葉に懐かしむように言う神林。 「西島部長愛されてますね。碧がうらやましいって言ってたもんなあ……あ、でも、癒やしいるじゃん。碧が!」 「碧ちゃんは天使だな。あの子にかかれば誰でも素直になるんじゃない?」 頷く佐々木。 「でも、碧ちゃん凄いなあ。俺だって、ちひろに信用されるまで結構かかったのに、あの子はほんの一瞬でちひろの心持ってったもんなあ。」 神林はそう言って笑う。 「あ!俺、部長のボディガード気になります!此上さん!いまもボディガードしてるんですか?」 「ボディガードやってたのは高校までじゃないかな?ちひろが留学する前に辞めたみたいだから」 「えー、じゃあ、今、どこに居るんですか?」 「さあ?俺も随分会ってないから」 「なんで、気になるんだよ?星夜?」 「ボディガード見てみたいから。だって、テレビとか映画でしかみた事ないもん」 「そんな理由かよ」 笑い出す佐々木。 「あ~、でも、なんか、ちょっと、少しモヤモヤしてきた」 「なに?」 「その人が来なかったらゆうちゃん、西島部長と最後までしたんでしょ?」 「あ~、そうだな」 「う~、やだな!部長と………」 「何なに?ヤキモチ?だから、やりたいだけっつったろ?可愛いなあ星夜」 佐々木は斉藤を抱きしめる。 「車の中でヤルなよ!」 ため息つきながら、そういう神林。 でも、後部座席からは斉藤の喘ぎ声が聞こえてきた。 ◆◆◆◆ 「パジャマはちひろさんのシャツ貸して下さい」 風呂上がりの碧はそうお願いをする。 自分のを持ってはいるが、西島のパジャマを着るのが好きなのだ。 「いいよ、ほら」 着ようとしていたパジャマの上を碧に渡す。 「ちひろさんは着ないの?」 「俺は下だけでいいし、碧を抱っこしてれば温かいし」 「ぼく、温かいですか?」 「うん、凄くね」 西島はそう言うと碧を引き寄せる。 「ほら、凄く温かい」 そのまま包み込むように抱きしめると碧の体温を感じる。 「ぼくも温かいです」 碧は西島の背中に両手を回す。 「で、お願いなんだけど、俺のシャツだけで、下着は穿くなよ?」 耳元で囁かれ、 「ち、ちひろさんのえっち」 碧は照れる。 でも、しっかりと西島の願いを聞いてノーパンになる碧であった。

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