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僕はちひろさんの1番ですか? 2話

「ちひろさん、ちひろさん、凄いですよ!」 碧は無邪気に部屋中を散策している。 その隙にフロントへ電話をし、泊まる事を告げた。 西島は電話を切ってホッと息をつく。 ぶっちゃけ、緊張する。 ラブホテルとか、そんなに経験はない。 しかも、碧を連れ込んでしまった。 無邪気に部屋中を見ている碧とラブホテル。 いい大人がなんでこうも、ドキドキしているのだろう? 「ちひろさーん、お風呂凄いです!!」 碧の弾む声に西島は風呂場へと顔を出す。 広い風呂場。 バスタブもかなり大きいし、ジャグジー付だ。 「ちひろさん、このマット何ですか?フカフカで大きいです」 風呂場の壁に立て掛けられている厚めのマットを碧は手にする。 「あ~、多分、ここに敷くんだろ?」 「あっ!!そっか、床冷たいですもんね」 なるほど!!と納得している碧。 ああ、違うんだ碧、そのマットは風呂場でエッチする時とかに使うんだよ。 碧とお風呂でエッチ………自分の部屋の風呂場でもやるけれど、ラブホテルの雰囲気に酔っているせいか、凄くエロく感じる。 「泡風呂できますね。ちひろさんのお風呂でもやれますけど、頻繁にできませんもんね」 「碧が泡風呂に入りたいなら毎日でもいいぞ?」 「えっ?本当ですか?」 「うん、構わないよ?」 「わあ~、やったあ!!」 子供みたいにはしゃぐ……ああ、こんなに無邪気な碧にちょっとムラムラしている俺って変態だな。 「碧、元気になったな良かった」 西島は欲情を誤魔化すように碧の頭を撫でる。 「はい!!憧れのラブホテルですから!!星夜くんに聞いてて、大人の行く所だよ?って!これで、僕も大人ですね」 「碧は大人だよ?顔と年齢はまだ、子供だけど、中身はちゃんと大人………俺よりも、凄く大人だ」 西島はすっぽりと碧を抱き込む。 ふわりと香る西島の匂いに碧は酔いしれそうだ。 「どうしてですか?」 「俺を許してくれたから。小さい時に傷つけたのに……許してくれた」 「だって、それは……ちひろさん悪くないじゃないですか?」 「碧と諭吉にいくら謝っても足りないくらいだよ?それなのに、ありがとう」 「ちひろさん……」 碧はつま先立ちをして背伸びをすると、目を閉じる。 キスのおねだり。 本当に可愛い。 西島はそれに応えるように唇を重ねた。 碧の口内へ舌を潜入させ、絡める。 ああ、もう、やばいだろ、ラブホでこんなキスしたらヤリたくなる!! いや、やってもいいんだろうけど。 さっきまで泣いていた碧を襲うなんて……… ああ、でも、ムラムラくるう!! 西島は背中に回した手をじわりと碧の腰あたりへと這わす。 このままお尻とか触ったら、びっくりするかな? キスを繰り返す碧は、 ちひろさんのキス気持ち良くて好き。 今日は凄い1日だったなあ……ちひろさんがちーちゃん先生だったし、直樹くんにも会えた。 それにラブホ……… ぼく、あのちーちゃん先生とラブホテルにいるのおおおお!!! ようやく、自分がいる場所がどんな場所かをちゃんと理解したのであった。 僕、ラブホテルとか初めてで自分から入ってしまったあ!! こ、こういう所ってもっと恥ずかしがって入る所だよね? うわあ~、それなのに、バタバタと部屋中を見て回ったりしたあ!! ち、ちひろさんに僕が誘ってるって思われてたらどうしよう~~。 ドキドキしてきた碧。 でも、ちひろさんはエッチな子でも好きって言ってくれたもん!! もし、誘ってるってちひろさんが思ってたら、それはラッキーと思ってもいいのかな? 僕だって、大人だもん!!ちひろさんを満足してあげられるチャンスだ!! いつも、僕ばかり気持ち良くしてもらっているし、僕ばかり先きいっちゃう。 あのちーちゃん先生とラブホテルに居る僕はかなり凄いと思う。 それにちひろさんは落ち込んでいる。 僕と諭吉を傷つけたって………全然、悪くないのに。 ちひろさんを元気づけてあげなくちゃ!! 元気に……… 僕のテクニックで元気にしたい!! 星夜くんに聞いたもん、色々と!!だから、出来る!!僕はやれば出来る子だもん!! 唇が離れて、西島と顔を向き合わせると、 ああ、カッコイイ!! ほんと、ちーちゃん先生なんだなあ。 碧の脳裏にちーちゃん先生と呼んでた頃の西島が過ぎっていく。 幼稚園に行ってから、忘れていたのが嘘のように昔の記憶が次々と蘇ってくる。 大好きだったちーちゃん先生。 西島を見つめていると、顔が熱くなる。 あああ、ちーちゃん先生えええ!!! 唇を離して碧を見ると顔を赤らめて自分を見ている。 キスしただけなのに、こんなに真っ赤で………照れているんだな。ほんと、碧って可愛い。 年が離れているって意識はあったが、自分が15歳の頃、碧は幼稚園。 ツインテールが可愛い子が、俺の目の前で頬を赤らめて自分を見上げている。 俺ってロリ………いや、ショタコンだったんだなあ。 てっきり、年上が好きだと思っていたのに。 碧の頬に触るとほんのりと温かい。 頬を触られた碧は、どうやって西島を誘おうか考えていた。 ちーちゃん先生を気持ち良くしてあげたい。 「ちーちゃんせんせえ……」 つい、昔の呼び名で呼んでしまった。 ちーちゃん先生と呼んで瞳を潤ませる碧。 うわあ~、もう!!反則だろ!! 西島は我慢出来ずにフワリと碧を抱き上げた。 「取りあえず、ゆっくりしよう」 そう言って微笑む。 くそ、可愛い可愛い可愛い!! 冷静を装うのに精一杯。 「はい」 碧は西島の首すじにギュッと抱きつく。 ああ、ちひろさんのお姫様抱っこだあ~。 このままベッドいくのかな? 行ったら、僕、がんばります!! やれば出来る子なんだから!!!

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