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僕はちひろさんの1番ですか? 5話

だから、思わず「えっ?マジで?」と聞き返した。 聞き返すと恥ずかしそうに頷く碧。 「だから、ちひろさんも着てくださいね」 そんな可愛いおねだりされたら着なきゃ男がすたるってものだ。 「着るよ」 「ほんと、ですか!!じゃあコレ!!」 碧はパアっと明るい笑顔になり、西島に執事のコスプレを進めてきた。 「僕は何着たらいいですか?」 猫耳だけでも充分に可愛いけれど、西島は碧に似合いそうな服をクローゼットから選んだ。 西島が選んだ服を見た碧は、………着るって言ったけれど………コレは………とやはり戸惑った。 戸惑った服はどう見てもメイド服。 えーと、まさか本当にメイド服なんですか? 今更言えるわけがなく、碧は受け取るしかない。 「お、女の子の服だから小さいかもですよ?」 なんて小さな抵抗をしてみる。 女の子の格好は小さい頃していたからできなくもないけれど、成長した今は恥ずかしさがくる。 ちらりと西島を見ると執事コスプレを着始めていて、自分は嫌だとは言えなくなった。 着るって言ったんだから着なきゃ!! 碧も着ていたバスローブを脱ぐ。 脱いで気づく。あ、僕、パンツはいてない!! 西島は碧に背中向けて着替えているし、裸は見せているとはいえ、ノーパンでメイド服を着るのも……… 下着はお風呂に置いたまま。 メイド服着てから取りに行けばいいかな? とりあえずは着よう。 碧はメイド服を着てみた。 フワフワレースで飾りもついてるから着にくいかと、思いきや以外と作りが簡単だったから着やすかった。 どんな感じなのか自分ではわからないけれど、股間がスースーする。 スカートって無防備だなって思う。 男はジーンズとかばかりだから、スカートの無防備さに驚く。 階段とか下から見上げたら下着見えちゃう!! 着たメイド服のスカートの裾は太ももの上ら辺りでちょっと足あげたら丸見えになる短さ。 うへ~、女の子ってほんと、こんなん穿いてたら痴漢にあうよ!! 短すぎて裾を伸ばそうとするけど、無理。 これじゃあ、パンツ早く穿かないないとやばい!! オチンチン見えちゃうよ!! そして、メイド服にセットになっている長いストッキング生地の靴下に気付く。 上にレースとリボン。 夏姉ちゃん好きそうだなって思う碧。 これも穿くのかな? だよね?付いてるから…… …あれ?これ何? 小さいレース生地の何かに気付く。 手に取り広げると、 ぎゃああああ!!! 思わず叫びそうになった。 手に取ったものは女性ようの下着。 サイドは紐。かなり小さい作りになっていて、おしりの部分も紐。 いわゆるティーバッグ。 こ、これ………下着の役割果たすの? 女の子って…………なんか、すごすぎる!! こ、こんなの履いてるの? 信じられない!! 碧はこれは流石に穿けない…………よね? 碧は靴下ははけても下着は………と悩む。 西島はスーツを着込む。 なーんか、仕事やってるみたいだよな。 執事コスプレっていってもスーツと変わらない。 ただ、燕尾服なだけ。 これって………執事着ないよな?日本ってドラマの影響受けすぎだよ。 西島はふと………ある男性を思い出した。 子供時代に自分の世話をしてくれていた男性。 彼は父親に雇われていた。 執事じゃないけど、ドラマみたく甲斐甲斐しく世話してくれた。 思えば彼もスーツだったな。 燕尾服………似合いそうな雰囲気な人。 いま、思い出すのも変だよな。 西島はオプションでついてる手袋をはめた。 白い手袋はタクシーの運転手かホテルのドアマンが思い浮かぶ。 西島は後ろで着替えている碧の方をちらりと見た。 ……………!!!! 言葉を失う。 叫ぶのさえ忘れたくらいの衝撃。 メイド服を着た碧の後ろ姿。 フリフリのスカート。 中は何重ものレース。 碧の腰は細い。その細いラインがクッキリと分かるくらいにピッタリなサイズ。 しかも、太ももまでのニーハイソックスまで履いてくれている。 うわあああ!!碧ーーーー!!! 執事コスプレくらいいつでもやってやる!! そうコブシに握り、喜ぶ。 振り向いてほしい。 じっくり眺めたい。 「碧、着替えたか?」 一応、碧に背中を向けて声をかける。 「は、はい!ちひろさんも?」 「うん、着替えたよ?せーので振り向く?」 西島がそう声かけると、 「は、はい………あの、笑わないでくださいね。女の子の格好してるから」 少し恥ずかしそうな声のトーン。 「お互い様だろ?」 「ちひろさんは絶対似合いますよ!」 「じゃあ、振り向こう?いくよ?せーの!」 「えっ?ちょっと、まだ!!」 西島はせーの!って言った瞬間にはもう振り向いていて、碧の後ろ姿を見つめていた。 心の準備が!!………なんて、思いながらも西島からせーのの声が掛かってしまったから、ゆっくりと振り向いた。 …………!!!! 振り返った碧も西島も同時にフリーズ。 可愛い!! カッコいい!! 互いに言葉に出来ずに見つめ合う。 ちひろさん!!!すごい、すごい!!めっちゃカッコいい!! どうしよう、ちひろさんがカッコ良すぎる。 写メ!!そうだ、写メしよう。 夏姉ちゃんとか星夜くんにも自慢しよう。 「ち、ちひろさん、写メしていい約束ですよね?」 碧は携帯を握り締める。 「も、もちろん。約束だからな……」 西島もスマホをスタンバイ。 碧、マジ天使!!マジ可愛い!! 西島は何度も心でシャウト。 振り返った碧はどんなアイドルの女の子よりも可愛い。 「じゃあ、撮りますよ?」 碧は数枚シャッターを切り、 「そこの椅子に座ってください!」 ポーズまで要求。 ちょっと恥ずかしいが西島はその要求に答えた。 だって、可愛いメイドさんのお願いだから。 「碧、その写メ撮ったら次は碧を撮るからな!」 「えっ?ええっ?僕もですか?」 「そうだよ、碧もだよ……こっちきて!」 写メを撮る碧に手招き。 碧が近寄ると、腕を引っ張り膝の上に乗せた。 「ほら、上みて」 西島はスマホを上へ持ち、自撮りモードに切り替えた。 「笑って」 そう言うとシャッターを切る。 撮った写メを見返すと、見事に可愛いメイドさんと執事のツーショット。 「こ、これ、僕にも送ってください!」 自分のコスプレは恥ずかしいが西島の執事の格好は本当にカッコよくて何度見てもいい!! それにツーショットとか……… あ、そうだ、二人で映ってるのってない。 こ、これが初めて? 「ちひろさん、ツーショット写真って、コレが初めてですね?」 「あ、本当だ」 西島もそれに気付いた。 付き合い始めてまだ、そんなに色々出掛けて居ない。この旅行が初めてだ。 「これからも、いっぱい写真撮ろうな」 西島は碧の頭を撫でる。 「はい!!これは記念ですね」 西島のスマホを見ながら碧は微笑む。 「じゃあ、次は碧の番だな」 西島は膝の上の碧をひょいと抱き上げて降ろすと、その場に立たせる。 改めて近くで見ると碧は本当に可愛かった。 細い腰のラインにニーハイとスカートの裾の間の絶対領域。 ほんと、ムラムラくるよ?この可愛い天使は!! 猫耳も似合うし。 「そ、そんなに見ないでください!!恥ずかしい」 じぃ~と見つめられた碧は頬を赤らめて、恥ずかしがる。 その姿も写真に納めたいので、思わずシャッターを切る。 「ちょ、ちひろさん!!恥ずかしいってば!」 スマホを取り上げようとするが、西島にかなうわけがなく、数枚撮られた。 「碧、観念しろ!!俺の写メも撮ったんだから」 西島は碧をフワリと抱き上げると、ベッドへと運んだ。 その場へ降ろすとスカートがフワリとその衝撃で捲くれ上がった。 …………!!! 西島は見てしまった!! フワリと捲くれ上がった先にある、碧の大事な所……… そこにはレースの下着に納まりきれない碧の息子ちゃん。 レースの下着? えええええ!!!! 衝撃だった。 紐パンでレースの女の子の下着をはいている碧。 こ、これは……… 鼻血でそう!! 碧は下着が見えてると気付いていないようで、もう!犯罪だろうが、なんだろうが本能におもむくままスマホを構えてしまった。 変態でごめん碧。 心で謝罪。 ポーズを取らせ何枚も写メしてしまった西島。 うん、もう、俺………変態でいいよ。 こんなに可愛い恋人を撮らない方が変態だと思う。 開き直る西島。 「ま、まだ、撮るんですか?そろそろ恥ずかしいんですけど?」 ベッドの上で恥ずかしがる可愛いメイドさん。 もっと撮りたいのが本音。 でも、西島の西島が限界。 碧に悩殺されて、股間がヤバイ事に。 「それに、ちひろさんを気持ち良くしたいし」 きたーーー!!! 気持ち良くしたいの言葉を頂きました。 メイドの格好をしている碧はまさにご奉仕って言葉が似合う。 「ちひろさん………ベッドに来てください」 碧の可愛いお口から大胆な言葉が…… 西島は碧の側へと行く。 「気持ち良くしてくれるの?」 「はい」 ニッコリ微笑む碧。 もちろん、その気持ち良くは本気でマッサージだと思い込んでいるのだけれど、西島にはエロいご奉仕にしか捉えられていないのが現実だった。

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