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僕はちひろさんの1番ですか? 11話

◆◆◆◆ 本当に綺麗に舐めてくれた。 「ありがとう。気持ち良かったよ」 そう言うとパア~と顔が明るくなり、嬉しそうに笑う。 エロい事した後なのに、どうして、碧はこうもピュアに見えるのだろうか?不思議だ。 シャワーで洗い流して、風呂から出る。 また、メイド服着せたいなあ……なんて、思ってしまう。 西島はとりあえず、腰にタオルだけつける。 そんな西島を見て碧は、やっぱり執事の格好……してくれないのかあ。残念だなあ。なんて思う。 でも、他の衣装があった!!あれ、着てほしいなあ。 碧はメイド服を着ようか悩むが、バスローブの横に浴衣を見つけた。 浴衣も置いてあるんだ、すごいなあ。 碧は浴衣に腕を通す。 女の子用みたいで、碧には丁度いい。 あ!!!そうだ、ちひろさんにも浴衣…… 「ちひろさん、浴衣あります!浴衣きましょ?」 もう1着ある浴衣を西島に渡す。 浴衣を着て欲しいという碧も浴衣を羽織っている。 浴衣姿も可愛い。 西島は浴衣を受け取ると、それを着た。 うわ!!!かっこいい!! 浴衣を着た西島は色っぽい。 さっきの執事の格好も良かったけれど、浴衣姿 もカッコイイ。 「ちひろさん!浴衣似合います!!すごいです、めっちゃかっこいい!!」 興奮気味に西島へ言う碧。 「そうか?………でも、碧も似合ってるよ?凄く可愛い」 浴衣を着た碧は…………凄くエロい。 少し胸がはだけているのもグッド!! 浴衣って何気に身体のラインが浮き出るから、いっそうエロくなる。 そして、ちょっと裾を引きずっているのもなんともそそる。 「ご飯頼もうか?」 「はい!」 西島は碧の手を握り、ベッドまで戻ってきた。 近くのテーブルに置いてあるメニュー表を手にして、何を頼むかを選ぶ。 ラブホにしてはメニューの料理がレストラン並みで、しかも値段も高くない。 「食べたいの選んでいいよ?」 「マグロ!」 直ぐに返事がきた。しかも、足元から。 「諭吉……」 「マグロば頼めよ、気ば利かせて隅に行ってやったとばい?労えよニッシー」 「………メニューにマグロはない」 「諭吉、マグロ食べたいの?カリカリとネコ缶はあるんだけどな。」 碧の鞄の中は諭吉のご飯とオヤツが入っており、残念ながらマグロはない。 諭吉はテーブルにぴょんと飛び乗りメニューを見る。 「魚無かやっか!!日本人なら魚やろ?刺し身やろ?」 文句を言う。 「諭吉、何って言っているんですか?」 碧は西島に視線を向ける。 「魚がメニューにないって」 「……諭吉が食べれそうなものないね。あ、アイスあるよ?生クリーム諭吉好きだろ?」 碧はデザートのアイスの横に添えてある生クリームを指差す。 「好いとーばい。しょーがないけん、生クリームで良か」 諭吉は西島を見上げる。頼め!!という目つきで。 西島はハイハイと、備えつけの電話を取る。 「碧は決まった?」 「はい、トルコライス食べたいです」 「じゃあ、俺も同じでいいか」 西島は自分達の分とアイスを注文して、電話を切った。 「諭吉、生クリーム食べれるね、良かったね」 碧は諭吉を膝に抱く。 背中を撫でると諭吉がネコらしく喉を鳴らす。 「そうやってると、普通のネコだよな諭吉」 西島も碧の隣に座る。 「ワシは普通ばい?」 「ネコは普通、しゃべりません!」 「誰が決めたとや?知らんだけやろ?動物はちゃんと理解できっとぞ!!人間だけが偉かわけじゃ無かとばい」 ネコに………また、説教されてしまった。 諭吉に言われると重みがある。 西島や碧より、生まれて長くて生きてるわけじゃないけど、年齢はずっーと上。 人より、早く年を取る。 猫が感じる時間ってどんなものなのだろ? たまに考えてしまう。 「そういえば、碧がニッシーに香水つけてるか聞いたやろ?」 「えっ?うん?」 「甘い匂いやろ?」 「えっ?………あ、諭吉がさ、俺から匂う香りって甘いかって聞いてる」 西島は諭吉の質問を碧にもする。 「はい。そうです。甘い匂いしますよ」 「碧は嗅覚が鋭いけん、分かるとやな」 諭吉は自分1人、いや、1匹、納得している。 「えっ?何?碧って嗅覚凄いの?」 西島は碧と諭吉を交互にみる。 「嗅覚ですか?……わかんないですけど、僕は普通だと思いますよ?諭吉が何か言ってるんですか?」 「うん、碧が嗅覚鋭いって」 「え~?そうなの?諭吉?」 碧は諭吉の頭を撫でる。 「まあ、ニッシーも同じやな……ニッシーも碧から甘い匂い感じたやろ?」 「えっ?うん?それが?」 「匂いの正体教えちゃるばい。発情期特有の匂いばい」 「はい??」 西島は思わず首を傾げる。 いま、何言った? 「碧が感じたニッシーの匂いも、ニッシーが感じた碧の匂いも、発情期の匂いたい。お互い好きやけん、交尾しとうなるやん?言葉にせんでも、匂いで誘っとるとさ」 ま・じ・か!!!! 西島は顔が熱くなるのを感じた。 「えっ?なんですか?諭吉何言ってるんですか?」 碧がキラキラした瞳でみてくる。 ああ、こんな……キラキラした瞳の碧に発情期とか言葉に出来るわけがない!! でも、ちゃんと通訳するって約束したしな……… 「いや、あの、俺の甘い匂いって………その、発情期らしい」 「えっ?」 発情期って言葉は小さくてゴニョゴニョとしか碧には聞こえていない。 よって、聞き返される。 余計に恥ずかしい。 こんなのは堂々と言えば恥ずかしくはない。 「俺の匂いは碧に欲情した匂いだって!!つまりは……碧に発情してるって事」 言い切って、ブワッと汗が出た。 変態だと自覚してるけれど、碧本人に言うのは、もう死ねるレベル。 …………ちひろさんが僕に発情してる…… ちひろさん……大人のちひろさんが…… 「そ、そうなんですか?あの、ぼく、凄く、うれしい!!嬉しいです。ぼく、子供だから、満足させられるかな?とか色々思ってて、でも、嬉しいです」 碧はどうしてこんなに何も隠さずに素直に言葉にできるのだろう? 本当に……素直なのだな。って感動。 「碧は子供じゃないよ。色っぽいし。碧とキスとか手繋いだけで、勃つ自信あるし。いや、もう、見てるだけで……」 って、俺……勢い余って何言ってんだよおおお!! 変態確定!! 「つまり、その……碧は魅力的だから」 なんて、誤魔化しても変態な事言ったよなあ~。 「ちひろさんの方が魅力的です!!執事の格好も、浴衣もめっちゃカッコイイです。いろんな格好のちひろさんにエッチな事されたいと思います!!」 碧はキラキラした瞳で西島をみている。 ………あ、この子は天然だ。 紛れもなく天然の小悪魔。 いま、ものすごーい事言ったよな? 本人気付いていないみたいだけど。 ほんと、碧には適わない。 「とりあえず、ご飯食べてから、エッチな事する?」 と碧の頭を撫でた。

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