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僕はちひろさんの1番ですか?15話

◆◆◆◆◆ もし、告白していたら何か変わっただろうか? 告白して、友達じゃなくなるのが怖くて何もできなかった。 いや、しなかった。 ずっと、そばに居たかったから。たとえ、自分が傷ついても、側に居たかった。 だから、突然、年下の可愛い男の子が現れてあっという間に持っていかれてしまっても笑っていなければいけなかった。 自分が望んだのに、馬鹿みたいに凹んで傷ついた。 好きって、こんなに怖い言葉だったのだと、大人になって気付いた。いや、もっと、早くに気付いていた。 西島が此上を好きだと知った時から…… 好きは幸せにも不幸にもする言葉だ。 「………んっ、あっ、」 部屋中に神林の喘ぎ声が響く。 どうやって、ベッドに来たのか思い出せない程、上で動く此上がもたらす快楽の中にいる。 2人の身体が動く度にギシギシとベッドがきしむ。 何度キスしたかわからない。 そして、何度イカされたか、もう覚えていない。 「んっ、いく………」 「いいよ、とおる………可愛い」 耳元で名前を呼ばれる。 何で身体を重ねているのだろう? 彼は自分が好きな男が愛していた男性なのに。 なんで、抱かれているのだろう? そう疑問を抱いてるくせに、拒否しない自分。 やがて、自分の中へと挿入している此上もイッたようで、中に熱さを感じた。 自分を見下ろして、優しく微笑み耳元で何かを言われたけれど、久しぶりのセックスはかなり疲れて、目を閉じてしまった。 ◆◆◆◆◆ 「碧、ホッペについてる」 「えっ?」 顔を上げるとペロリっと頬を舐められた。 舐めたのは諭吉。 同じ事をしようとした西島は舌打ち。 「ニッシーの考える事とかお見通しばい?こん、ムッツリが!!」 碧の頬についていたケチャップをペロリと舐めた諭吉は不思議の国のアリスに出てくるチェシャ猫みたいに笑った。 くそう!! 「ね、猫はケチャップ舐めちゃダメなんだぞ!!」 「僕、ケチャップつけてたんですか?恥ずかしいですう」 碧はキュッと口元を拭く。 「可愛いからいいよ?舐めてあげるし」 「変態めが!!」 諭吉の容赦ない突っ込み。 「お前、マグロ食べれないからって八つ当たりするな!」 西島は諭吉の頭をグリグリと撫でる。 「えっ?諭吉、ちひろさんに八つ当たりしてるんですか?ダメだよ?アイス食べさせて貰っただろ?」 「いやばい!!マグロが食べたいとばい!!」 「諭吉、マグロはないから我慢して。カリカリ出してあげるから」 マグロのフレーズだけ聞き取れた碧は鞄から諭吉のご飯を出す。 「しょんなかけん、我慢するたい」 諭吉はしぶしぶ、出されたドライフードを食べ始める。 カリッカリッと良い音がする。 「ほんと、こうやってると普通の猫だよなあ~」 西島は諭吉が餌を食べる姿をマジマジと見ながら写メしている。 ご飯を食べる猫は可愛い。 ああ、公園のニャンコ達はご飯貰えたかな? 神林に頼んだから心配ないけど……… 神林に電話して聞いてみようかな? 西島はカメラ機能を閉じて神林へ電話をかける。

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