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僕はちひろさんの1番ですか?18話

「神林先生寝てるみたいで、知らない人が出ました」 「知らない人?」 「はい。神林先生の事をトオルって呼んでて……あ、公園の猫にはご飯あげたみたいだってその人が言ってました。」 「えっ?えっ?女の人?」 西島もちょっと好奇心が出たような表情。 神林は1人暮らしだって知ってるし、まあ、友人か親族かも知れないけれど、万が一って事がある。 例えば、恋人とか? 神林は西島から見ても顔立ちは整っていると思うし、なにより優しいし、頼りになる。 学生時代から、かなり世話になっているから、彼が凄く良い人だって知っているのだ。 「いえ、男の人でした。凄く優しそうな声で」 「男の人?いくつぐらい?」 「うーんと?たぶん、神林先生やちひろさんくらいの年齢かなあ?よく、分からないけど」 声だけでは年齢はわかりにくい。 でも、落ち着いていたし、声質は西島達くらいかな?ってそれくらいにしか分からない。 「えー、誰だろう?」 西島は色々と考えてみたが思い当たらない。 まあ、いいか!!って落ち着いた。 後で聞けばいいだけだし、いまは、碧との夜を楽しみたいし…… 夜はこれから………色々、着せてみたいって欲望がある西島は、 「碧、もう眠い?」 と聞いてみる。 「ちょっと……」 碧はそう言った後にあくびをする。 ううっ、残念!!!と西島は碧に無理をさせない選択をして、 「じゃあ、もう寝ようか?」 と碧をベッドへと誘う。 碧は頷いて西島とベッドへ入ると、しがみついてきた。 最近気付いた。 碧は眠い時は小さい子供みたいに抱き着いてくる。 可愛い!!って毎回思う。 碧を抱きしめて、西島も目を閉じる。 ◆◆◆◆◆ 玉子焼きの匂いと、みそ汁の香り………あと、ご飯が炊ける時の美味しそうな匂いが神林の鼻を刺激して、目を覚まさせる。 あれ? 目をあけて、…………身体に感じる違和感と、何か凄い事があったような?って、脳みそをフル回転させる。 起きぬけだから、上手く考えがいきつかないけど、 …………あっ!!! ガバッと起き上がって腰の痛みとオシリが何か変………変っていうか、…………服きてない。 神林は起き上がり、自分が全裸だと気付いた。 パンツすらはいてない。 えーと、えーーーと、 神林は冷や汗が流れてくるのを感じた。 自分の記憶に間違いないなら、昨日……………ヤッたよな? 腰と尻のこの違和感はセックスした次の日の違和感と同じ。 「まじかよ!!!!」 神林はその場に項垂れた。 「あ、起きた?いま、起こそうと思ってた」 顔を伏せている神林の耳に聞こえてきた此上の声。 顔をあげると、シャツは羽織っているけど、下は下着だけ。 あからさまにやりました!!って格好。 マジああああ!!!! 神林は叫びたかった。 「どうした?調子悪い?」 此上が近付いてきて、神林の額に触れる。 額に感じる掌の温度と、感触。 ……抱かれた感触を唐突に思い出した。 一気に顔が熱くなる。 「えっ?マジで?昨日、無理させたかな?」 顔が赤い神林に焦る此上。 昨夜は手加減はしたつもりだったけど、初めは痛がってたのを思い出す。 痛がっているのを気付いていたけれど、止める事は出来なかった。 「あ、いや、大丈夫………なんでも、なんでもないんです、あの、風呂にはいって」 距離の近さに恥ずかしくて直ぐに離れようと掌を退かし、ベッドから降りた。 でも、素っ裸で………しかも、足に力が入らなかった。 ペタリとその場に座り込んでしまう。 「トオル……大丈夫?」 此上が腕を掴んでベッドに引っ張り上げてくれた。 でも、素っ裸!! 慌てて、前だけでもシーツで隠す。 その行動で顔が赤い理由がわかり、此上は笑ってしまった。 かわいい!! 「昨日、全部見てるから隠さなくてもいいのに」 わざとそう言うと、ますます、顔が赤くなった。

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