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僕はちひろさんの1番ですか? 19話
「あの、あの、確認………してもいいですか?」
神林は此上をチラリと見る。
「なに?」
「…………昨日、その………最後まで………やってますよね?」
分かってる事を再確認する。
覚えていないわけではない。うっすらと記憶がある。
「うん、最後までしたよ?覚えてない?」
キターーーー!!!!
うわあーーー!!!!やっぱりやったのかあああ!!!
分かってたけれど、相手にハッキリ言われてしまうと、もう、悶えたくなる。
「おぼ、覚えてないわけじゃないです。記憶………ぼんやりありますし」
ううっ、恥ずかしいかも。
久しぶりのセックスで、気持ち良かったのと、初めは痛かったのと、色々と脳裏に蘇ってきて、もう、死ねる。
「凄く可愛かったんだけどなあ………朝食出来てるから、食べよう」
可愛かった………?
俺がどう可愛かったんだよおおお!!!
「か、可愛いわけないでしょ?俺、ちひろと違ってもう三十路ですよ?もう、オッサンです!!!それが可愛いわけないです」
「君がオッサンなら俺はジイサンになるな」
クスクス笑う此上。
「あ、いや、此上さんはジイサンでもオッサンでもないです!
!」
「君より年上だよ?十分オッサンだよ」
此上は神林の頭を撫でるながらそう言う。
ううっ、オッサンじゃないのに!!
「ほら、立てる?」
此上は神林の腕を掴む。
「た、立てます」
とシーツから足を出して、パンツをはいてない事に気づく。
「あ、あの、俺のパンツください!!」
「えっ?新しいのはお風呂入ってからがいいんじゃない?」
「そ、そうですけど、何もつけないで、恥ずかしいんですけど」
嫌がる神林をシーツごと、ひょいと肩に担いだ此上。
「うわあーーー!!!!ちょっとおおお!」
いきなりな行動に驚く神林。
「このまま運んであげるよ。恥ずかしいんだろ?」
確かに素っ裸よりはマシ!!
でも、肩に担がれるのもどうだろう?お姫様抱っこよりはいいけれど。
しかし、軽々と担いで歩いていく此上。
結構重いと思うけど、やはり男性なのだな、なんて変に感動する神林。
お風呂に下ろされる。
「はい、到着。着替え持ってきてあげるよ。」
「す、すみません」
「1人で洗える?なんなら手伝うけど?」
「えっ?まさか、だ、大丈夫です!!」
神林は頭をMAXで振る。
「ゴムつけなかったから………中出ししちゃったんだよね………中、自分で洗える?」
その言葉で神林の脳裏に此上が自分の中に数回出したのを思い出した。
生々しく思い出して顔が熱くなる。
「可愛いよね、やっぱり………顔、真っ赤だよ?」
此上の手のひらが頬に触れた。
「昨日、無理やりな感じで抱いたけれど、謝らないよ?君もその気になってくれてたから」
「………」
その言葉に神林はどう返事返して良いか分からない。
「可愛かったのは本当。凄く求めてくれたからね……」
そう言って此上は神林にキスをする。
拒もうとすれば拒めるはず………でも、どうして、拒めないのだろう?自分でも分からない。
唇が離れて、「お風呂ちゃんと温まっておいで」と微笑まれた。
神林は頷くと、シーツをその場に置いて、浴室へと入った。
浴槽にはお湯がはってある。
いつでも入れるようにと此上が用意してくれたのかな?なんて思った。
磨りガラスの向こうへ視線を向けると、シーツを拾う彼の姿が見えた。
そして、シーツを持ってその場を去っていく。
とりあえずはシャワーを全開にさせた。
強めのシャワーを頭から浴びながら、
中出ししたって言葉を思い出して後ろへ指を這わす。
穴へと指を入れると、昨夜の此上の指の感触と挿ってきた大きい彼のペニスの感触までリアルに思い出した。
うわあーーー!!!!
頭をブンブンを振りまくる。
やっぱ、めっちゃやってるやん!!!
指を奥へと入れると、中に確かにある彼の出したモノ。
そういえば……………
「中に出したくないから一度抜くね」
と此上に言われた……それを拒んだのは自分だ。
「中に出して」
って言った!!確かに言ったよ俺!!!
うわあーーー!!!!ばかばか!!
しかも、もっととか!!バックとか色々せがんだような?
俺のばかあーーーーー!!!!
もう、死ねる!!神林はお風呂で絶叫したくなった。
◆◆◆◆◆
「大丈夫?」
お風呂からフラフラ戻ってきた神林を心配そうにみる此上。
Tシャツとパンツが用意されていたので、それを着て戻ってきた神林。
「はい……長湯してしまいました」
「水飲む?」
冷蔵庫からペットボトルを取り出してグラスにそそぎ、神林へと渡す。
椅子に座りながら水を一気に飲み干す。
「ちゃんと中まで洗った?」
そう聞かれ、神林は死ねると思った。
可愛かったの意味が分かったから。
昨夜、かなりおねだりをしたのを思い出したのだ。
その度に此上に可愛いって言われた。
「おれ……………もう、恥ずかしくて死ねます」
真っ赤な顔で此上を見る。
「思い出したみたいだね?」
「はい………くそ、恥ずかしいんですけど?なんか、欲求不満っぽい」
「うん、セックスするの、何年かぶりとか言ってたからね」
そ、そんな事まで言ったのかあああ!!!
うわあーーー!!!!俺のばかあ!!!
神林はまた、悶えるのである。
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