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僕はちひろさんの1番ですか? 28話
「マグロ美味かねえ~」
諭吉は斉藤に貰ったマグロを満足そうにガツガツ食べている。
「ごめんね、星夜くん、諭吉がワガママ言って」
碧は諭吉の側にしゃがんでいる。
「いいよ、諭吉可愛いし……ほんと、マグロ美味いって聞こえるから凄いよね。……ねえ、ゆうちゃん、うちもペット買おうよ~」
斉藤は諭吉の写メを何枚も撮りながら台所にいる佐々木に話かける。
「だーめ、うちはお前で精一杯」
「えっ?俺ってペットと同類扱いなの?」
「違う、俺はそんな器用じゃないから、可愛がれるものは常に1つなんだよ。ペットばかり可愛がるかも知れないぞ?それで、いいなら」
「えっ!!それはやだ!!!」
「じゃあ、我慢しろ」
佐々木にそう言われ、斉藤は不満そうな顔はするが、
「ちぇっ、分かった~」
と諦めたようだ。
「………なんか、お前ってさ、口が上手いっていうか、諦めさせるの上手いっていうか」
2人の会話を聞いていた西島は食器を出している佐々木にそう話かける。
「口が上手いっていうより、星夜が聞き分けいいだけだよ。碧ちゃんもそうだろ?聞き分けが良い素直な子。」
「碧は素直な良い子だよ…………って、なんで、俺らの分まで食事用意してんだよ?お土産渡したら帰るのに」
西島がそう言ったのはテーブルに4人分の食器が置かれたから。
「いいじゃん、食べてないんだろ?食べてけば?そしたら、後は風呂入ってセックスして寝るだけだから時間はぶけるだろ?」
「ちょ、お前って、ほんと、下品だよな」
セックスという言葉を碧には聞かせたくはない。
やらないわけではないけれど、他人から、詮索されるような言葉は聞きたくはない。
「何言ってんだか?やる事やってんじゃん?」
佐々木がニヤリと笑って碧をみた。
しゃがむ碧の首筋に赤いキスマーク。
ちょうど、この位置からハッキリみえる。
あ!!!くそ!!
西島は上着を脱ぐと碧の首筋を隠すように羽織らせた。
「えっ?僕、寒くないですよ?」
急に上着を羽織らされた碧はきょとん。
「いいから、着てなさい」
これ以上、いやらしい目で見られたくはない。
「碧、土産渡したら帰るぞ?土産は?」
西島は早くこの場から去りたくて、碧を急かす。
「あ、そうでした。」
碧は持っていた袋から箱を2つ出す。
1つは斉藤へ渡して、もう1つの箱は、
「これ、地酒なんです」
と佐々木へ渡した。
「星夜くんは僕が選んだんですけど、佐々木部長は何がいいか分からなくて、そしたら、ちひろさんがコレがいいって」
「サンキュー、ちひろたん、なんだかんだで、俺の好きな酒覚えている所とか、俺は好きだな。このツンデレ野郎!!」
ニヤニヤしながら佐々木はそう言って酒を受け取った。
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