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僕はちひろさんの1番ですか? 34話
西島がスリスリと甘えてくるなんて、初めてで、碧は嬉しさを隠しきれない。
いつもは自分が甘えている。
甘えられるのもいい!!
ちひろさんにいつも、頭撫でて貰ってよしよし、してもらってるから、僕もしたい!!
碧は西島の頭に手を置き、頭を撫でる。
「ちひろさん、イイコ、イイコ!!」
大人の男性に失礼かな?なんて思うけど、酔った西島は凄く可愛くて、イイコ、イイコって頭を撫でたくなる。
「もっと!!」
西島は甘えるように碧にすりすりと、顔を寄せてくる。
くううう!!ほんと、ちひろさん、可愛いです!!
もっと、たくさん、イイコイイコしてあげます。
碧は何度も頭を撫でる。
「ん~、暑い……水」
スリスリしながら西島がそう言う。
確かにアルコールのせいで西島の身体は熱い。
「水飲みたいんですか?僕、持ってきます!!」
碧は西島の身体を退かそうとするが、「だめ~いっちゃダメ」と西島がギュッと抱きついて離してくれない。
「水飲みたいんでしょ?」
「ん~飲みたい」
「じゃあ、離してくれないと…」
「いっちゃダメ」
西島はぎゅっと抱き着いてきて離れない。
困った…。
どうしよう?って考える碧。
そして、あっ!!!と上着のポケットをさぐり、携帯を出すと斉藤に電話をかける。
◆◆◆◆
斉藤の携帯に着信が入り、ヒビる彼。
何故なら、ドアの向こうで佐々木と共に聞き耳を立てていたから。
「ひ~、碧に気づかれた?」
「さあ~喘ぎ声はまだだから、ゴム貸してとかそんなんじゃ?」
佐々木がニヤニヤしながら言う。
「碧はそんなこと言わないと思う」
部屋へ入って間もないし、話し声みたいなのは聞こえていて、喘ぎ声にはまだ、なっていないから、やる前だろうな?なんて、斉藤も思っているが、ゴム貸してとか、あの純情で可愛い碧が言うわけがない。
さっきも、酔った西島に押し倒されて顔が真っ赤で、チクビぽろりに恥ずかしそうで涙目だった。
ほんと、可愛いかった。
ゴム貸してとは言わないだろうがとりあえず、電話に出た。
「星夜くん、あの、お願いがあります!」
電話にでた瞬間にそう言われて、まさか、本当にゴム貸して?なのか!!と驚くが、
「水、持ってきてくれませんか?ちひろさんが飲みたいらしいんですけど、離してくれなくて」
ですよね!!!
「水…水ね!!わかった。」
佐々木にゴムじゃない。と小声で言いながら冷蔵庫へ水を取りにいく。
「まだ、やってないのか~」
佐々木はドアを開けて中を覗く。
ベッドに2人重なり合ってはいるが、服は着ている。
ドアを開けたので、諭吉が中へスルリと入っていく。
ベッドを見上げる諭吉。
「ニッシーは酔うと子供みたいになるとやな」
とポンとベッドと飛び乗った。
「諭吉!!」
西島は起き上がり、諭吉をムギュっと抱きしめる。
「く、苦しかばいニッシー!!」
「ん~諭吉、モフモフ」
諭吉にもすりすりと顔をすり寄せる西島。
「俺ね、猫、ずっーと飼いたかったの!」
仰向けに寝ていた碧も起き上がる。
諭吉にスリスリしている西島が可愛くて写メしたい衝動に駆られている。
「小さい頃住んでたとこでは猫飼えなかったし、あの人の所でも猫飼いたかったけど、俺、居候だもん、そんなワガママ言えないじゃん?大人になってから飼おうとか思ってたけど、1人暮らしで猫置いて仕事いくのかわいそうでさ…だから、嬉しい」
西島は諭吉好きいい!!といいながら諭吉をぎゅうぎゅうしている。
「西島部長、何してるんすか?」
斉藤が水持って部屋へ来た。
「モフモフタイムらしい。」
「あ~猫、好きですもんね。はい、水」
西島の前に2リットルのペットボトルを差し出す。
「ん~ありがと」
ニコッと斉藤に微笑む西島。
か、可愛い!!可愛いよ、西島部長!!
微笑まれた斉藤は西島の笑顔に萌え萌えキュンキュンとしている。
諭吉を離してペットボトルを両手に持って飲む西島。
普段なら片手で男らしく飲む彼が両手使い。
両手で飲む仕草はなんともかわいらしい。
「西島部長って酔った方が素直で可愛くないすか?たまらない」
「酔うと人間の本性とか出ちゃうもんだからな。いつも、優しい人が飲むと怒りだしたり、怒りっぽい人が泣いたり。本音出せるのって酔った時だろ?だから、酔って本音をって飲み会とかあるんだろうけど、大半が記憶ねーんだから、意味ないんだけどな。」
「じゃあ、西島部長って中身、ホントはこんなに素直で可愛いって事ですか?会社では怒らせると怖いって恐れられてて、俺もゲンコツ貰ってるけど」
「学生時代、ツンデレだったしな。子供時代が複雑だったから、中に閉じ込めたんじゃね?無理して、大人になろうとしたんだよ、コイツ」
佐々木は西島の頭をグリグリと撫でる。
撫でられた西島は嬉しそうに佐々木を見ている。
「確かに、通常運転のコイツなら、もう殴ってきてるもんな…撫でられるの好きか?」
なんて、聞いてみると、「好き~」と返ってくる。
あ!!!くそ可愛い!!
佐々木はたまらず、西島をムギュと抱きしめる。
抱きしめられた西島は嫌がる事もなく、スリスリと甘えてくる。
あの時もそうだった。こうやって甘えてきたもんだから、可愛くて押し倒した。
服に手を入れる佐々木。
「何やってんの!!ずるい!!俺も!!」
斉藤はうらやましそうに佐々木を見ている。
「ん~諭吉と碧はあ?」
佐々木に聞く西島。
服の中に手を入れられまさぐられているよに、抵抗はしない。
「碧ちゃんは横にいるじゃん、諭吉も!」
「見えるとこいて。居なくなるのはやだ!」
子供みたいな事を言う西島。
「えっ?ぼく、いますよ?」
「碧~好き!!」
佐々木をどんと押しのけて、碧に抱きつく。
「碧ちゃんに落ち着くのか、こんにゃろ!」
押しのけられた佐々木は不満そうである。
「そりゃ、そうでしょ?碧が1番好きなんだから」
「ん!!碧が1番好き」
斉藤の声に反応して、西島がそう言う。
「ほんとですか?僕がちひろさんの1番ですか?」
「ん!!1番好き!!2番は諭吉」
「嬉しいです!!僕も1番はちひろさんです。諭吉も大好き」
碧は嬉しくて西島にしがみつく。
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