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もっと欲張りになりましょう
碧は祖父と会う約束をして電話を切った。
「じいちゃんくるとや?」
「うん、案内するんだよ」
祖父との会話で完全に目が覚めた碧。そして、自分がベッドに戻っている事と、裸だったのにパジャマを着ている事と、西島の気配がない事に気付く。
僕、寝ちゃったんだ……ちひろさんに行ってらっしゃい出来なかった。
些細な事だけど、碧にとっては凄く大事な事。
ションボリとしてしまう。
「朝ごはんあるばいニッシーが温めて食べるだけにしとる」
「ありがとう諭吉。ちひろさんと食べたかったな」
ベッドから降りると朝みたいな怠さが無くなっていた。
でも、歩くと腰が少し痛い。
そして、お尻にまだ西島のモノを咥え込んでいるような……咥え込んでいないような。何時もと違う身体の感覚。
碧はまた、思い出した。
西島が激しく自分を求めてきた事を。
何度も碧と名前を呼んでくれて、喘ぐ声や抱いてる時の表情。
脳内で再生される。
きゃー!!!
顔が真っ赤になり、身体も熱い。
しゃ、シャワー浴びよう!!!
碧は浴室へと逃げ込む。
心臓がドキドキとまだ脈打ってて、治まりつかない。
お尻もムズムズする。
痒いとかそういうのじゃなくて……西島とセックスしている時に感じるあのムズムズ。
挿れて欲しいと興奮した時に必ずお尻がムズムズして、そこを早く触って欲しい。挿れて欲しい。
こんな風に余韻が残るのは初めて。
もちろん、今までのセックスが気持ち良くなかったとかそういうのではなく、昨日が凄かったのだ。
だから、普段、西島がどれだけ自分に気を使ってくれていたのか分かり優しさに感動した。
ちひろさん……本当はあんなに激しいエッチするんだ……
す、凄かったもん。
いっぱい、いっぱい……いっちゃったもん僕。
そんな事を考えるとお尻のムズムズが激しくなってきて、足がモジモジしてしまう。
それにピンと勃つ自分のおちんちん。
服を素早く脱いで中へ入る。
シャワーを出して頭からかぶるけれど、興奮は治まらない。
気付くと自分のおちんちんを手に持っていた。
そして、擦りだす。
夕べの西島の表情や動き……それを思い出したながら、擦る。
「あっ……ちひろ……さん……」
手の動きに合わせて自然と腰が動く。
「あっ、んっ、んっ、」
そのままその場に座ると手の動きを早める。
息が荒くなる。
暫く擦っていると、おちんちんの先っぽから白い液がトロリと流れた。
「んっ、はあ……」
イッてしまった碧。
肩で息を吐くように大きく深呼吸。
気持ち……良かった……
1人エッチは久しぶり。
いつも、西島にやって貰っていたから。
でも、西島を妄想しながら1人エッチするのも気持ちいいかも?なんて思う。
でも、お尻のムズムズは治まらず、碧はムズムズする場所へ指を入れた。
「んっ、」
入れた瞬間声が漏れる。
ちひろさんはもう少し奥まで入れてくれて、それで中で指を動かしてくれるんだ……
碧は西島の指の動きを真似する。
「んっ、」
碧……と西島の自分を呼ぶ声が鮮明に思い出され、次第に興奮してきた。
西島の愛撫を思い出す。
優しくキスしたり、激しくしたり。
沢山、自分を求めてくれた。
「ちひろさん……」
今、ここに彼が居ないのが残念だ。
昨夜みたいに抱いて欲しい。
「いき……そう……」
そう声を漏らした瞬間、身体がブルブルと震えた。
息を荒く吐きながら指を抜いた。
お尻で1人エッチは初体験の碧。
気持ち良かった……。それが素直な感想。
西島を思い出せば思い出すほど、歯止めが効かなくなった。
知らなかった……
好きな人を考えながら1人エッチすると、凄く気持ちいい!!
そして、西島で心も身体もいっぱいになった。
すごい!!すごーい!!こんな風になるから皆、1人エッチするのかな?
凄い発見しちゃった!!
碧は自慰行為独特の罪悪感や、失望感は感じられず、ただ、西島の余韻に浸れた喜びでいっぱいだった。
ちひろさんも……僕の事考えながらこういう事したりするかな?
気持ち良くなったりするかな?
そんな事を考えると、きゃー!!!僕ってエッチだあ!!なんて、足をジタバタ動かす。
「碧、騒いどらんで、風呂出らんば。じいちゃんと会うとやろ?」
磨りガラスの向こうに諭吉の影。
あ、そうだった!!
碧はシャワーで、自分が出した精液を流し、身体も軽く洗って浴室を出た。
身体を拭いて服を着て身支度をする。
「碧、首んとこどげんかせんば、じいちゃん驚くばい」
足元から諭吉の声で鏡で首筋を確認。
赤い印に気付く。
そこは西島がキスをした場所。
わぁー!キスマークだあ。
確かに祖父に気付かれるのは恥ずかしい。
姉になら恥ずかしいけれど、自慢できる。
「ど、どーしよ?」
「隠せ。絆創膏のあるやろ?虫刺され言うとけ」
「う、うん、ありがとう諭吉」
碧は救急箱を取りにリビングへ。
丁度良い大きさの絆創膏を見つけたので、それで隠した。
折角、西島がつけてくれたから隠したくはないけれど、仕方が無い。
絆創膏を貼る間も、なんだか幸せな気分になる碧。
セックスが好きとかではなくて、愛されているという実感が嬉しい。
子供みたいな自分に欲情してくれるのが嬉しい。
それに西島の違う一面を知った事。
それが一番嬉しかった。
「じゃあ、諭吉行ってくるね」
「おう!じいちゃんによろしくばい」
碧は諭吉に見送られ、祖父に会いに行った。
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