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もっと欲張りになりましょう 16話
◆◆◆◆
西島はどっと疲れていた。こんなに疲れた日は碧に癒されよう。
駐車場へと向かう途中で佐々木を見かけた。今、見つかると面倒くさそうなので、気付かれないようにコソコソと歩く。
コソコソしながら、何で俺がコソコソしてるんだろ?なんて我にも返ったが絡まれると面倒くさいので見つからないように通り過ぎる。
佐々木は西島に背を向けて電話をしているので、気付かないようだ。
時より話し声が聞こえてくる。もちろん聞くつもりはないのだが、「何度もしつこいって」と怒っている。
誰に怒っているのだろう?仕事ではない。
知人か、家族か……そんな所だろう。
西島が通り過ぎるのにも気付かずに誰かと話している。
気付かれないままに駐車場に着き、車に乗り込む。
ドアを閉めて、シートベルトを締めた後に視線を佐々木が居た方向に視線を向けるとまだ、誰かと話しているようだったが、見ていると話終わったようで何やら珍しくため息をついている。
何か面倒な事に巻き込まれているか、彼自身が面倒な事をしてしまったか……
仕事の事ではなさそうなので、どうしたのかと聞くのもなあ……と思いながらエンジンをかける。
車を発進させると、車の先で佐々木が手を振っている。
気付いていないようで、気付いていたようだ。
彼に近付き、運転席の窓を開けると、「助手席のドア開いてる?」と聞かれ、つい、開いてると答えてしまった。
すると、車の前を通り助手席に乗り込んで来た。
乗り込まれると降りろとは言えないので、「どちらまで?」と聞く。
「天神」
「逆方向だ!しかも、地下鉄1本だし、バスなら百円だろ!」
「いいじゃーん!はい!発進!」
佐々木はシートベルトを締め、進行方向を指さす。
面倒くさい。って思ったけれど、車を走らせる西島。
駐車場を出た後に一台の車が駐車場に入って行った。それは此上の車だった。
此上が駐車場に入ると神林がタイミング良く出て来て手を振る。
車まで駆け寄ってくる姿に思わずニヤケてしまう此上。
なんか、可愛い……。そう思う。
当たり前のように助手席に乗り込んでくれる神林。
「さっき、千尋の車が出て行ったよ、あっ、まだ、トオル名義だっけ?」
西島と鉢合わせはいつかするだろうけれど、もしかして、わざとずらしているのかな?とも思う。
「そして、珍しく佐々木だっけ?チャラ男乗せてた」
「えっ?佐々木を?」
それは神林も驚いたようだ。
「仲良くなったのか?喧嘩ばかりしてただろ?」
「仲良くはなってないと想うけど……どうしたんだろ?」
「気になる?」
「えっ?いや……珍しいから……あれ?真っ直ぐ帰らなくていいのかな?碧ちゃん待ってるんじゃあ?」
「やっぱ、気になるんだ?」
くすくす笑う此上。
「違いますって!!もう、からかわないで下さいよ!」
「トオルはからかうと面白いからね」
此上は車を走らせる。
「少しドライブしてみる?」
「後を付ける気ですね?」
「気にならない?」
「気になります……」
神林は素直に返信をしたので此上に笑われる事になる。
◆◆◆◆◆
くちゅと粘着質な音がして互いの唇が離れる。
「星夜、なんかキス上手くなってるな」
「本当?」
「前はぎこちなかったのになあ……お兄ちゃんの知らない所で大人になっていくんだな」
「チュウ……教えてくれたのめぐちゃんじゃん」
「先生が良かったのかな?」
「後は実践……女の子は皆、喜んでたよ」
「そりゃ星夜みたいに可愛い子とキス出来たら女の子は皆喜ぶさ」
「それはめぐちゃんもでしょ?」
「俺は女の子とはしない……するのは星夜とまあ、セフレの皆さん?」
「1人に絞らないの?」
「めぐちゃんは皆のアイドルです!」
ニコッと微笑む恵。
「あ、そういえば西島部長って星夜が言う通りカッコいいなあ」
「でしょ?」
「スカウトしたんだけどさ、ピシャリと断られた」
「えっ?ホストに?西島部長真面目だから怒るよ!」
「うん、怒られた。あの人カッコいいって言うより可愛いタイプだね」
「西島部長?」
「あの手は恋人には凄く甘えるタイプだよ」
「あ……あー、そんな感じっぽい。酔った時に碧に甘えてた」
「碧?西島部長……恋人……まあ、居るだろうね、あれだけカッコよければ」
「甘えてる西島部長、確かに可愛いかだたなあ。普段が真面目だからギャップ萌ってやつ?」
「へえ~俺もみたいね」
恵は手に持っていたスポンジを背中から前へと移す。もちろん、向き合う姿勢も背中から前へと移り、2人向き合う。
「乳首……相変わらず可愛い」
そう言って指先で果樹の実を摘むみたいに星夜の乳首を摘む。
「や、だめ」
「なんで?ここ、触られるの好きだろ?」
恵の指先はクリクリと乳首を弄る。
「あっ、めぐちゃ……」
「気持ち良くしてあげるよ……」
スポンジを捨て、恵の2本の手のひらが身体中を弄り始めた。
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