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もっと欲張りになりましょう 20話
「ご、ごめん、お兄ちゃん謝るから!」
恵は星夜の頭を撫で必死で謝る。
「違ううう……っ、おれ……ゆうちゃんに聞けなくて」
「はい?」
腕の中で泣く可愛い弟。
「ゆうちゃんが何か悩んでるみたいなのに聞け……なくて……いまも気になるのに……」
「えっ?えっ?ゆうちゃんの事で泣いてるのか?」
頷く星夜。
「きけ……ないもんん……めんどくさい……女みたいに思われたくないもん……初めてだもん……こんなに好きになったの」
ガビーンときてしまった。
誰かのせいで泣く。しかも、本気で好きなようだ。
まじでえええ?
「それで泣いてるのか?」
恵はホッとした。自分がしてしまった行為で泣かせてしまったのではないかと思ったから。
「俺……重くないよね?」
「星夜は体重軽いだろ?お兄ちゃん軽々持ち上げれるぞ?」
「そうじゃない!!」
星夜は顔を上げて恵を睨む。
「だって、俺……男だし……世間ではまだそういうの厳しいでしょ?ゆうちゃんの出世に響くんじゃないかな?とかあと、あまり、色々聞くと重いって思われるのやだ……」
目から大粒の涙。
恵はその涙を手のひらで拭い、そのまま手を頬に当てた。
「星夜は……ほんと、いい子だな。他人の為に泣いて、気遣ってさ。こんないい子なんだから、ゆうちゃんは重いとか思わないと思うぞ?」
「ほんと?」
「ほんと!ほんと!だから、元気だせ!」
恵はそういうと額にキスをする。
そして、涙のあとにもキスをする。
「星夜は世界一可愛いよ!」
そう言ってちゅっ、ちゅっ、と沢山キスをする。
「めぐちゃんありがとう」
キスをしていくと、ニコッと笑ってくれた星夜。
「元気でたか?」
「うん!」
「じゃあ、めぐちゃんと繋がろう……」
「それはダメ!!」
「ゆうちゃん専用だから?」
「そう!」
「名前書いてないじゃん?星夜は俺のだから名前書く!」
恵は起き上がると、ベッドを降りてなにやらさがしてきた。
持ってきたのはマジック。
「ちょー!!!めぐちゃん本気?」
「本気!」
恵は星夜の腕を掴んだ。
「やあー!!だめ、」
ベッドの上で必死に逃げるが押さえつけられて、何やら描かれた。
描かれたのは手の甲。
そのにはクマの絵。
「これ……」
星夜はそのクマのイラストを見て笑う。
「覚えてたか」
「うん……懐かしい」
手の甲のクマは星夜が幼い頃に失くしてしまったぬいぐるみだった。
両親が共働きで中々家に居なかった。
だから恵がいつも面倒を見てくれてて、恵とクマのぬいぐるみがないと泣いて眠れなかったのだ。
ある日、旅行に家族で行った時にクマをどこかで失くしてしまったのだ。
泣いて泣いて……皆を困らせた時に恵が手にクマの絵を描いてくれた。
「ほら、見つかるまで!」
ニコッと笑って頭を撫でてくれたのを今でも覚えている。
「クマ描くと星夜は泣き止んだからな」
「めぐちゃん」
星夜は恵に抱き着く。
恵も星夜を抱き締めた。背中に手を回し優しく撫でる。
「大丈夫だって、元気だせ、俺とクマちゃんがついてる」
「うん」
星夜はぎゅーっと力を込める。
恵の手はスルリとお尻へと伸びるとさっきまで弄っていた穴へと指を入れた。
「めぐちゃん!!」
星夜は恵から離れようとするが、
「めぐちゃんのめぐちゃんが限界なんだよ!!星夜の中にちょーっと入れさせて貰ったら気持ちいいって喜ぶ」
と力を込められ逃げられない。
「だーめ!!!」
「じゃあ、先っちょだけ!」
「だめ!!」
「じゃあ、めぐジュニアはどうしたらいいんだよ?」
「……俺が舐めるから」
「ほんと?」
「ペロペロしてあげるからアナルに入れるのはダメ」
「じゃあ、ペロペロして…」
恵は星夜から離れた。
「足、広げてめぐちゃん」
星夜に言われ恵は両足を広げる。
「星夜、俺の上に乗って……69しよ?」
「アナル……弄る気でしょ?やだ……」
「チンコダメってしか言ってないだろ?指と舌はダメって星夜は言ってない!」
恵にそう言われ、まあ……確かにと星夜は恵の顔の上に跨り、自分は恵の大きなイチモツをペロペロするべく股間へ顔を持って行く。
◆◆◆◆
佐々木と元奥さんは喫茶店へ入って行った。
西島と神林も少し間を空けて中へ入る。
店内は尾行している2人に都合が良い作りで、大きな柱があって、佐々木達が座る席から見つかりにくく、なおかつ、席ごとに仕切りがあるのでバレにくい。
注文も声を出さずにメニューを指さした。
佐々木達が気になるが話し声は聞き取りにくいし、店内に音楽がかかっているし、周りの話し声も結構大きい。
探りを入れられない。
困った。
「なあ、碧ちゃんには連絡したのか?」
神林に言われ、西島は碧へLINEを入れた。
少し遅くなる。と送ると、直ぐに返事が来た。
はい!ご飯、僕が作りますよ!何食べたいですか?
くっ!!可愛い。
碧からの返事に悶える西島。そして、すぐ様、「碧」と送った。
◆◆◆◆
きゃああ!!!ちひさんんん!!
西島の帰りを待っていた碧のスマホに遅くなるという連絡がきて、じゃあ、ご飯は僕が!!と張り切って返事をした。
何が食べたいですか?に対しての返事が碧。だった!!
ちーひーろーさーん!!!
きゃー!きゃー!
こんな大人な会話を大好きなちひろさんと出来るなんてと碧は悶えている。
碧は興奮しながら「ちひろさんに早く食べられたいです」と返事をした。
ちょっと、エッチだったかな?
ちひろさん、ビックリするかな?
えへへ。碧はニヤニヤしながら返事を待つのである。
それをじっーと見つめる諭吉……
腹……減ったばい。と思っていた。
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