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もっと欲張りになりましょう 22話
◆◆◆
佐々木が元奥さんと会っていた理由は分からないまま、尾行終了。
終了したものの、気になる要素が増えただけになり、完全なる不観戦燃焼。
神林と西島はモヤモヤしながらその場で別れた。
「どうだった?」
此上の元に戻った神林は彼に質問され、元奥さんと佐々木が会っていた事を話した。
「元奥さんと会う理由って何?」
「さあ?結婚してないから」
此上にもそう言われ、そんなに気にする事でもないのかな?と思う。
斉藤が誰かと電話しているって言っていた相手は元奥さん?
うーん……神林は腕を組んで悩む。
「トオル、……車出すよ?どこかで食べて行く?それとも帰って俺とセックスする?」
その直球な言葉に考えていた事がスポンと飛んで行った。
「篤……さん!!」
何故か顔が赤くなる。
「そんな誘うような顔して……そんなに俺としたい?」
此上は神林の股間に手を置き、ふにゃふにゃな彼のジュニアを揉み出す。
「ちょ!!ここ、駐車場!外ですよ!」
赤い顔が更に赤くなり耳や首までも赤い。
「可愛い」
フフっと此上は笑い、車を走らせるが神林のジュニアの揉み揉みは止めない。
「う、運転に集中してください!危ないから」
神林は此上の腕を掴み止めさせようとする。
「したいか、したくないか言ったら止める」
そう言った彼の横顔は悪戯っ子みたいな顔。
「も、もう!!したい!!したいです」
神林は叫ぶ。
「ふふ、もう少しオネダリするみたいに言ってよ、じゃないと、チンコを出してしごくよ?」
此上の指先はファスナーへと移動する。
「だ、だめ!」
「じゃあ、可愛くオネダリは?」
あああ!!もう!!
此上はたまに意地悪をしかけてくる。悪戯っ子みたいな顔をして。
その顔は嫌いじゃない。
「篤さんと……したいです」
「なにを?」
「せ……くす……したいです」
もう、恥ずかしくて死ねる!神林は恥ずかしさで此上を見れない。
「良くできました」
此上は満足そうに微笑み、股間から手を退けた。
退けられると物足りなくなってしまうのは男の悲しい性なのか?
もっと、触って欲しい……なんて思ってしまう。
誰が見ているか分からないし、事故るのも嫌だ。早く部屋に着かないかな?なんて考えてしまっていた。
「物足りなさそうな顔」
心を読んだような言葉にビクッと動揺してしまう神林。本当に馬鹿正直だと自分で反省。
「部屋でちゃんと可愛がってあげるから我慢して」
此上は神林の頭を撫でる。
「ち、違います!!」
否定してもバレている。でも、否定しないと羞恥心で死ねる。
「千尋と2人っきりになったお仕置き」
此上はふふと笑った。
「えっ?」
「俺……結構ヤキモチ妬きだからね……」
「ヤキモチ……?」
「うん……そうオジサンのヤキモチ」
……悶え死ぬってこういう事だろうか?神林は今の自分の気持ちを言葉に表すならば悶え死ぬ。これしか当てはまらなかった。
「……おしおき……してください」
つい、ドMな発言するくらいに神林は此上に悶えていたのだった。
◆◆◆◆
「もう!めぐちゃんの馬鹿!顔にまでかけるんだもん」
お風呂の中で星夜は恵に怒っていた。
「元気なんだよ、許せ」
恵は笑いながら星夜の顔や身体を洗っている。
「本当に突っ込まれるかと思った」
星夜の言う通り、セックスはしていない。
あの時恵は星夜の足の間に自分のイチモツを挟ませ、素股をしていたのだ。
絶頂を迎えた恵は星夜の身体や顔を射精したのだ。
「星夜に嫌われるのは嫌だからな」
「めぐちゃんってば……俺、めぐちゃん嫌いにはならないよ」
「えっ?じゃあ、アナル」
恵の顔がキラキラと輝く。
「アナルはだーめ!!ゆうちゃん専用だから」
そして、星夜の言葉でガッカリとした顔になる。
「なんだよお……くそう、もっと早くぶち込んでおけば良かったな」
恵は星夜の身体を洗い終えると服を着せた。
そして、キッチンへ行くと悠紀が赤飯を作っている。
「えっ?何かお祝い事?」
星夜はまさか妹が自分達の為に赤飯を作っているとは思わずに聞く。
「うん、凄くイイ事あったんだあ」
とニッコリ微笑む悠紀。
「彼氏でも出来たか?」
恵は冷やかすように言う。
「とっくにいるよ?向こうに」
「は?マジで?えっ?外人?」
食いついたのは星夜。
「セイ君、どちらかと言えば私が外人だよ?うん、アメリカ人」
「えっ……まじかあ」
なんとなく、元気なく答える星夜。
「なに?セイ君ショックなの?」
「えっ?ううん、相手大丈夫かな?ってだって、お前、筋金入りの腐女子だし、中学の時、お前好きになった男の子を腐男子にしたろ?だから大丈夫かな?って」
「なにその心配は!!妹に彼氏出来たショックとかじゃないの?」
「ボーイフレンド、幼稚園からいたじゃんお前、今更」
なあ?っと恵と星夜は顔を見合わせ頷いている。
「人が節操なしみたいな言い方しないで!!ただ、私はモテるだけなの!それにヤリまくったりもしてない、セイ君達がそうだからって私も仲間にしないで!」
怒り出す悠紀。
「私、男女のセックスよりも男性同士のセックスにしか興味ない」
「えっ?じゃあ、処女?」
星夜と恵の声がハモリ、2人同時に悠紀から回し蹴りを食らってしまった。
◆◆◆◆
西島は玄関のドアを開け、ただいま。と声を掛けようとするが諭吉が既にちょこんと座り待っていた。
流石猫!
テレビとかで良くみる風景でずっと憧れだった光景。
ただ、違うのは「マグロこうてきたか?」と要求させる事だ。
「買ってきたよ、碧は?」
西島は諭吉にスーパーの袋を見せる。
「合格ばい!上がって良かぞ!碧はキッチンばい」
「偉そうに……」
上がって良いと言われ西島は苦笑いをし、靴を脱ぎ上がる。
碧が居るキッチンへ行き、鼻血を出しそうな衝撃を目にした。
背中を向けて料理している碧の後ろ姿は……エプロンに裸。
西島が送ってしまった裸エプロンをした碧が料理をしているのだ。
鼻血もだが、吐血もしそうな西島はその光景を思わず写真に撮ってしまうのである。
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