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気持ちいい事しません?6話
「ちひろさんどうしました?」
何となく様子がおかしいと思ったのだろう、碧は西島の顔を覗き込む。
「ん?何でもないよ?ありがとう。充電出来た」
「本当ですか?」
碧は嬉しそうに笑う。そんな笑顔を見ていると本当に元気が出た。
これから先はきっと碧がこうやって褒めてくれるだろうと思うと元気になれる。
「そう言えば斉藤にLINE」
「あ!!そうでした」
碧は思い出したように声を上げる。
「連絡します」
「うん、しておいで」
西島の膝のから降りてパタパタと走って行く碧。
食べ終わった食器を重ねてシンクへ持って行くと足元に諭吉がきた。
「ニッシー、ワシも碧が交尾の相手にニッシーば選んだとは良かったって思うばい」
尻尾でパシンと足を叩く。
「交尾って……お前なあ」
「ニッシーは交尾ば好かんち思っとったけど、好きやな……遠慮しとっただけか……もう、遠慮せんで良くなったな、無理して我慢せんでも良か」
「直球にお前……」
「碧もニッシーとの交尾ば好いとうみたいけん、遠慮せんでいけな!ばってん、ご飯は忘れんなよ?」
「はいはい……もう、あっちいけよ!」
「また、あっちか?あっちってどっちや?」
「碧のとこ!」
「ん、そげん言えばワシは行くとばい」
諭吉はくるりと向きを変えて碧がいる部屋へと歩いて行く。
全く……。西島は笑ってしまう。
うん……頑張れる。素直にもなれる。
西島は食器を洗い出す。
◆◆◆◆◆
くそう!!ゆうちゃんめ!!
恵は会った事もない佐々木に嫉妬している。
可愛い星夜を毎晩抱いてるのかと思うと冷静ではいられない。
赤ちゃんの時から可愛がって……恵が産まれて直ぐに母親が事故で亡くなり、小学校に上がる頃に父親が再婚した。
その時に弟が同時にできた。連れ子持つ同士の結婚だった。
血は繋がらないけれど、可愛い弟ができた。
「こんにちは、恵だよ?」
と星夜を初めて顔を合わせた時にキャッキャッと声を出して笑った可愛い赤ちゃん。
もう、心を奪われた。
ずっと、可愛い可愛いで誰よりも可愛がってきた。
なのに、アッサリと男に!!!
俺が食う前に男にいい!!!
くそう!!ゆうちゃん許さずべし!!
「んっ、」
怒りの中でも果てるもので、素股で恵は射精した。
「めぐちゃん、お風呂入ったのにベタベタだよ?」
「ちゃんと綺麗にしてやるから」
「またお風呂行く気?それの繰り返しだよ?」
星夜は恵から離れる。
「舐めて綺麗にしてやる」
恵はヒョイと星夜を抱き上げると、寝室に戻った。
「わざわざベランダでする事ないじゃん?」
「外がドキドキするって星夜が言うからだろ?ほら、脚広げて」
星夜は言われた通りに脚を広げる。
本当に無防備に広げる。こうやってゆうちゃんっていう野郎にも両脚広げてるのかよ!!!ちくしょう!
恵は星夜の太ももに舌を這わせる。
ぺろぺろと汚した部分を舐めると、星夜がくすぐったいと笑い出す。
「ゆうちゃんに会わせて」
「へ?」
「お兄ちゃんにちゃんと紹介しろ!」
「いいけど?」
「星夜に相応しい男か俺が見てやる」
「相応しいって……」
星夜はその言葉で考えるように黙り込んでしまった。
えっ?俺、何か酷い事言った?えっ?
元気がなくなる星夜にオロオロする恵。
「どうした?お腹痛くなった?ん?眠いとか?」
話かけてみるも何も答えない。
「星夜くーん、どうちたのかなあ?」
頭を撫でてみる。
「めぐちゃん……」
顔を上げる星夜。
「ん?どーした?」
優しく微笑む。
ピロンっ!!
電子音が聞こえ、星夜は慌てるようにベッドを降りるとスマホを手にする。
スマホを見ると碧から連絡が来ていて、佐々木かと思っていたが、碧からの連絡も嬉しいのでスマホを操作した。
『 星夜くん、具合大丈夫ですか?ちひろさんにきいたんです!早退したんでしょ?』
心配する内容。
『大丈夫だよ、ご飯も食べれた。明日、碧、出勤するだろ? 』
返信すると、碧から直ぐに『 はい。』と返ってきた。
『 じゃあ、明日……ランチしない?西島部長と約束とかしてるならいいけど』
『 ランチですか?いいですよ』
『 やった!約束!』
星夜は明日のランチの約束をする。
佐々木の事を話そうと思ったのだ。気にする事ないよって誰かに言って貰いたいのだ。
「西島部長って、西島部長?」
真後ろから恵の声。
「もう!!覗き込まないでよ!」
膨れっ面で恵の方へ振り向く。
「わるい……」
「めぐちゃんだから、別にいいけどさ……うん、西島部長だよ?どうして?」
「ランチって」
「ああ、碧だよ。俺の友達、話したじゃん、すげえ可愛い男の子と仲良くなったって」
「あ、うん……そうだったな。その碧くんと西島部長の関係は?」
「えっ?恋人」
「恋人……えっ?本当に?西島部長ってソッチ?」
「ソッチって?」
「ゲイ」
「碧一筋で他の男に見向きもしないからどうかな?」
「男大丈夫なんだ」
「めぐちゃん、西島部長狙っちゃダメだからね!碧のモノなんだから」
「顔、めっちゃ好みだったな。身体もいい身体してたし……甘えられたいっては思うな」
「だーかーらーダメって言ってんじゃん」
ぷくぅと頬を膨らませる星夜。
「星夜ーー!!可愛い可愛い可愛い」
恵は星夜のぷくぅとした頬を両手で包む。
「西島部長にちょっかいださないでよね、約束だからな!もし、ちょっかいだしたら絶交する!」
「しないよ!約束する」
恵は星夜にスリスリと自分の頬をつけた。
「で?星夜は何で元気無くなったのかな?」
恵に聞かれるが、「ん?元気だよ?もう、寝る!」と恵のベッドに潜り込む。
シーツの中でスマホをいじっていると、佐々木から連絡がきた。
ゆうちゃん!!!
慌てて開く。
『大丈夫か?熱は? 』
くうう!!ゆうちゃん!!!
『 ありがとう!ゆうちゃんの言葉で今、元気になったよ』
返事を返す。
元気がなくて、落ち込んでいた気分が一気に何処かへ行ってしまった。
すごい!ゆうちゃんってば、俺を元気にさせる名人じゃん!
『 明日はゆうちゃんのとこ戻るね』
そう返すと、
『 出張が入った!3日で戻るからお兄さんの所に居なさい。1人だと心配だから』
なんて、返事が来るもんだから……
「うええええ!!」
とシーツの中で雄叫びを上げ、恵を驚かせた。
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