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信じなきゃダメです 6話

◆◆◆◆ 何かを考えたようにすっかり元気が無くなった西島が気になる神林。 佐々木の事がショックなのだろうけれど、他にも考えているのだろうか? 現実は厳しいという事。男同士は世間の目が厳しい。 西島も碧がいる。 幸せそうな2人だけれど、現実は厳しいものできっと、佐々木の父親みたいに偏見な目で見る人が圧倒的に多い。それを考えているのだろうか? なんせ、西島も佐々木と同じく資産家の長男。 いつかは跡を継ぐ事になる。 西島はミサキがいるからといつも言ってはいるけれど、彼を引き取った理由って何なのだろう? 神林も気になってしまう。 佐々木みたいに……もし、なってしまったら? あんなに幸せそうな2人が離れ離れになったら? 折角、変わってきているのに。あんな顔して笑うんだって、やっと分かったのに。 もし、離れ離れになってしまったら、また、昔みたいになってしまうのだろうか? 精神的に弱くて、入院を良くしていた西島。 今度は立ち直れるのかさえも分からない。 どうか、そうなりませんようにと祈るしかないのだろうか? 「神林?」 西島に突然、顔を覗き込まれて、驚いて声が出なかった。 「今度はお前が黙るんだもん……もう、帰るんだろ?」 西島の言葉に自分がまた考え込んでしまったのかと分かり、今、自分がいる場所が会社の駐車場だと気付く。 あれ?いつの間に?なんて思う。 「あれ?千尋って車で来たっけ?」 「えっ?お前がフラフラと駐車場に来たんだよ?じゃあ、俺、帰る……碧が待ってるから」 西島はヒラヒラと手を振る。 そして、帰って行く後ろ姿を見つめた。 何だか寂しげだ……色々考えているのだろうか? 西島が帰る方向に車が止まっていた。 此上の車……西島は彼には気付かないまま、歩いて行く。 そして、此上が西島を視線で追っているのも分かった。 西島が完全に見えなくなるまで、その場を動けなかったのは此上に会わせたくないから?今の西島に彼を合わせたら勘違いしそうだと、瞬時に判断した。 勘違いとは……父親が西島を見張っているのだと思われたら……きっと、動揺する。 碧との事を調べられ引き離しに来たのだと勘違いしそうで動けなかった。 でも、ふと……考える。此上はずっと、西島の側に居た。もちろん、未成年だったから世話役として。 大事な長男だから……。 あれ?今は?今はどうなっている? まだ、西島の父親の側近で……あれ?もしかして、見張ってたりする? ああ!!!良く分からなくなってきた。 此上はそんな事はしない。そう!しない!! もし、見張りだとしても碧を取り上げようとはしないはず。だって、西島の変化を喜んでいたのだから。 神林は車に近付き、助手席のドアを開けて乗り込む。 「おかえり」 いつもの、優しい笑顔。 「うん、ただいま」 「千尋と何話してた?なんか、元気なく歩いて行ったから」 ああ、ほら、些細な事にも気付く彼が碧を取り上げようとはしない。 「ちょっと色々あって……部屋で話します」 神林がそういうと、此上は何かを察したのか何も言わず車を走らせた。 ◆◆◆◆ 「星夜、何か食べれるか?」 恵は星夜の額を触る。 そんなに熱くはないが彼自身が元気がない。 「ん、大丈夫……喉渇いた」 「分かった」 恵は星夜の頭を撫でて部屋をでた。 彼が部屋を出て行った後、星夜はスマホを確認する。 ゆうちゃん……仕事中かな? なんでこんなに気になるんだろ? ゆうちゃんが最近、元気なかったから? 誰かと喧嘩してたから? 元気がない理由と喧嘩をしている相手を知れば不安が無くなるだろうか? 星夜はこんなに気になる相手に会ったのが初めてて、どうして良いか分からないのだ。 この不安を誰かに話すと楽になるだろうか? そう思っている時に碧から「星夜くん、大丈夫ですか?」とラインがきた。

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