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大丈夫です!側にいますから。17話
ああ!!此上が居たんだったあ!!!
西島はシーツの中に隠れるようにスッポリとかぶった。
「こら、隠れるな!熱計るんだから」
「ないからいい!」
西島はシーツをかぶったままに答える。
「まあ、盛るくらいに元気になったみたいだけどな」
「盛る言うな!!」
西島は盛るという言葉に過敏に反応して、シーツから顔を出してしまった。
そのチャンスを此上が逃すわけもなくしっかりと腕を掴まれて押さえられる。
「ちょ、何すんだよ!」
「動くなって」
此上は体温計を手に西島と格闘。格闘といっても此上の圧勝なので勝負にはならない。
「食事はこっちに持ってくるから」
西島を押さえたままに言う。
「何で、一々、此上の命令聞かなきゃいけないんだよ!」
「それは千尋が熱あるから」
「ないって!」
そんな会話をしながらも一応西島は抵抗をしているのだが、悲しい事に無駄な抵抗というもので、ピピッと体温計のデジタル音が鳴る。
「38度……」
「……微熱だから」
「お前の平熱は何度だよ……大人しく寝てろ」
西島を押さえていた手を離し、西島から離れる。
「……偉そう」
西島は此上に背中を向けた。
「そんな可愛くない態度取るなら碧ちゃんに言いつけるぞ」
「はあ?」
西島は勢い良く此上の方へ振り返る。
「お前にしては良い子見つけたじゃないか」
此上はフワリと手のひらを西島の頭に乗せた。
「アメリカで付き合ってた奴、別れてくれて良かった」
「何そんな昔の事出してくんだよ」
「一応、心配してたんだけど?」
「……別に心配してくれなくてもいい、子供じゃないんだから」
西島は此上の手を払いのける。
「昨日の態度と今の態度は充分子供だけどな」
「うるさい」
確かに子供みたいだなって西島も思う。でも、此上と会うとこういう風な態度を取ってしまう。
悪いとは思う。
アメリカで付き合ってた奴……
その言葉で此上が留学先まで来てくれたのを思い出す。
今思えばかなり可愛くない態度を取った。
何故、あんな態度を取ったのか自分の中では分かっていた。
ワガママを言って困らせればまた側に居てくれるかな?って。
小さい頃みたいにずっと、側に居てくれるかな?って。
自分だけを見て欲しかった。
その自分だけという感情は愛情で、彼には受け入れて貰えないモノだったから、悔しくて悲しくて、腹いせに色んな奴と付き合えば後悔してくれるかな?とか、本当に子供だったと思う。
「……何で、居るの?何年も連絡して来なかったのに」
昨日、言いたかった事が言葉になった。
「千尋が逢いたくないって言ったから、俺の事はもうほっといてって言ったから」
「……あと時だけは俺のいう事聞いたんだ……うるさいくらいに俺の意見は却下してたのに」
「もう、成人してたし、大人として扱うのがいいかな?って」
「勝手じゃん」
ううん、違う、勝手なのは自分。
振り回すだけ振り回して……
「千尋が素直じゃないって知ってたんだけどな、寂しかった?」
此上は微笑むと、西島の頭を撫でた。
「チョーシのんな!」
その手をはらう。
「碧と俺の事、調べてんの?」
「なんで?」
「……急に現れたから」
「急にじゃないけどな。千尋がどこで何してるか常に知ってたし、ちょっと前くらいからはウロウロしてた」
「ストーカーかよ」
「……もっと、早くに声をかけた方が良かった?」
「別に……ただ、どこで何をしていたのかくらいは言えよ」
「ふーん、千尋くんは寂しかったのかな?」
ニコッと微笑む此上。
「だから、調子に乗るな!」
「はい、おしゃべりはここまで、食事終わったら薬」
「……薬とかいいよ、別に風邪とかじゃない」
自分でも気持ち悪い理由を知っている。
昔から体験している事だから。
大人になって久しぶりに来た、この感覚。
目眩と吐き気……そして、熱。
「千尋、自分の中だけで溜め込むな。消化出来なくなって前みたいに入院するハメになるぞ?」
「別に溜め込んでないし、疲れたから寝る」
西島はシーツをかぶる。
中々、口を割らないのは昔っから。
それを分かっている此上。
「食事持ってくるから」
そう言ってその場を離れる。
◆◆◆
「碧ちゃん、後から千尋にご飯食べさせて?俺だと素直に食べてくれないから」
神林と夕食を食べていた碧は「はい!」と返事を返す。
「ちひろさん、此上さんと仲良しじゃないですか?」
「喧嘩ばかりだよ」
「男兄弟ってそんな感じですよ?うちの兄達もしょっちゅう言い争ってますもん。でも、分かり合える同士だからそうなるんだと思います」
碧の言葉に此上は微笑む。
分かり合える同士……そんな風に見えるのかな?
どこまで、自分は彼を知っているだろう?
真剣に悩んでしまう。
「碧ちゃんと話すとなんか、自信湧いてくるというか、元気になるというか……千尋がメロメロな理由がわかるよね」
「そそそ、そんなメロメロとか」
此上の言葉に真っ赤に反応する。
「かなりメロメロだろ?さっきのイチャつきは見た事ない千尋だったし。あんな顔出来るんだなあって」
此上はそのままテーブルに着く。
そんな言葉を言う此上が少し寂しそうに碧の目には映った。
◆◆◆◆
「愁、ちょっと」
惠は事務所に居る愁に手招きする。
「何ですか?また、チンコしゃぶれとか言うんですか?」
真顔で言う愁。
「お前な、俺がいつも盛ってるみたいな言い方」
「年中盛ってるでしょう?じゃあ、違うんですか?」
「いや、盛ってます」
惠は愁を違う部屋に連れていく。
「はい、じゃあ、チンコだして」
「お前その子供にトイレさせるみたいな言い方」
「出さなきとしゃぶれないでしょう?」
「そうだけど……愁、頼んでたの調べた?」
惠はズボンのファスナーを下ろし、中からポロりと自分のチンコを出す。
「しゃぶりながらは話せないですけど?」
「お前が出せって言ったんだろ?」
「話すかしゃぶるか選んでください」
「資料あるなら見せろ、それみるからしゃぶった後に話は聞く」
そんな事を言う惠をじっーとみる愁。
「何?」
「年中盛ってるなあって思って」
愁はチンコ出したままの惠を一旦放置して、資料を取りに戻り、持ってきた資料を惠に渡す。
惠が受け取ったモノ。それは佐々木に関するモノだった。
佐々木が何者かを調べさせていた。
資料を見ている惠の股間に顔を持っていき、愁はそのままフェラを始める。
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