400 / 526

幸せって意外と近くにあるもんですね 10話

星夜は居ても立ってもいられなくてスマホ片手に立ち上がる。 「どーした?」 恵が落ち着かない様子の星夜に少し驚いている。 「碧に電話してくる」 「えっ?急に何で?」 何で? 恵の言葉に何って電話すればいいのか悩む。 だって、恵との話で不安になったから?とか言うのか? それは碧を不安にさせる。 不安を煽ってどうする? 碧からそんな悩みを聞かされたのならともかく。 「……やっぱ、何でもない」 星夜は座り直す。 西島部長は反対されても碧を手放さない。きっと……。 きっと、碧を守ろうとする。 「星夜?」 恵に名前を呼ばれて我に返る。 「本当、急にどうしたんだ?」 「ん、何でもない……」 不安になったのは碧の事だけじゃないのかも知れない。 佐々木と離れているから、心のどこかで不安になり寂しいのだ。 それと碧とが重なった。 「星夜、料理が来るから食べて元気だそう!」 彼の表情から元気がまた消えてしまったのを読み取った恵。 「うん、ありがとうめぐちゃん」 でも、不安が消えてくれない。 色んな感情が入り混じった不安が消えてくれないのだ。 ◆◆◆◆ 「碧が元気くれたから、元気になった」 西島の言葉に碧は嬉しそうな顔をする。 「本当ですか?」 「うん、仕事も行けるし……また、一緒に通勤出来るな」 「はい!」 碧にとって通勤もデートみたいなものだった。 朝ご飯を一緒に食べて、一緒に部屋を出て、駅まで歩く。 たわいのない会話をしながら。 こんな時間も碧には嬉しい時間。ずっと、一緒に居られる時間。 西島がギュッと碧を抱き締めてきた。 「ちひろさん?」 顔を上げるとそのままキスをされた。 キス……何だか久しぶりな感じがするキス。 唇が離れると「俺のお願い覚えてる?」そんな事を言われた。 お願い? 碧はちょっと考えて……あっ!!と思い出した。 「……はい」 真っ赤になる碧。 「碧、顔、真っ赤」 「だっ、だって……」 頬を赤らめて目を伏せる。 本当に可愛い反応をしてくれるな。と西島は思う。 「今からやってくれる?」 「えっ?今から?」 戸惑うようにさらに顔が赤くなる。 「お風呂、一緒に入ってから」 い、今から……碧はこの後にやる事を考えて更に顔が熱くなる。 でも、やると約束をしている! お、男に二言はありませんん!! 碧はそう決心すると「は、はい。お風呂、一緒に入りましょう」頷く。 はい。と返事をしたものの、心臓がバクバクしている。 ち、ちひろさん……意外と大胆なんですね。 僕、星夜くんに聞いて知ってるますけど、やった事はないです。 あ、当たり前ですけど……ちひろさんが初めてだから。 碧の頭の中はお風呂の後に行う行為でいっぱいだ。 西島が元気になったら碧にやって欲しいと頼んだのは。 69。 寝た状態で性器を舐め合う行為。 セックスはやっているのに、初めて行う行為は碧にとって、凄く刺激があるもののようで、頭がショート寸前だった。 ◆◆◆ 緊張しながら西島とお風呂。 セックスを行う時は西島が碧の後ろを洗ってくれる。 初めは恥ずかしいと思っていたが、洗われる時も気持ち良くなるので碧は西島に任せてしまう。 今日も……もちろん、西島が碧の後ろを洗うべく「おいで」と呼ぶ。 緊張してしまう。 まるで、初めて西島とセックスをするかのように。 「お、お願いします」 「ふふ、なんか緊張してる?」 カチコチな碧に思わず笑ってしまう。 「はい……だ、だって、初めてするから」 「フェラは良くやってくれてるのに?」 「だ、だって……ち、ちひろさんにお尻向けて……あの、上に乗って……」 しどろもどろの碧。 いつも、西島が上での騎乗位が主で。主導権は西島が握っているので、碧を上にしたり、後ろから突いたり。 碧は快楽に弱く、セックスに夢中になると自分がどんな体位を取らされているか気付いていないようだ。 自ら上に乗るという行為は馴れないのかも知れない。 でも、それだけで、まるで初めてのような恥じらいを見せてくれるなら碧に騎乗位して貰うのもいいなってエロい心が顔を出す。 お風呂は緊張のまま終わった。 初体験よりも緊張しているような碧に思わず微笑んでしまう西島。 碧の初体験は外……。 互いの欲望に勝てなかった。 それよりも、冷静に物事を考えれる今の方が恥ずかしさは来るのかも知れない。 ◆◆◆◆ 身体を拭いて貰って、寝室のベッドの上。 何故か正座の碧。 お風呂場からそのまま来たので2人とも裸。 その姿がなんとも可愛い。 「碧、そんな緊張しないで」 西島は碧の頭を撫でる。 「あ、あの、僕、上手く出来るか……」 顔が真っ赤。 「フェラいつもしてくれるだろ?上手じゃん、碧は」 「ほほほ、本当ですか?」 「うん、だから、そんな緊張しないで、ほら、おいで」 両手を碧の前に差し出すとぎゅっとしがみついてきた。 そのまま西島はベッドへと押し倒す。 「じゃあ、上に乗って貰おうかな?」 碧を組み敷いてお願いをすると、更に緊張したように「ははは、はい!!」と返事をする。 思わず笑ってしまう西島。 そして、西島は仰向けに寝る。 い、いよいよですね!! 碧は意を決したように西島の上へと乗る。 碧は軽い。 体重をかけられても平気なくらいに。 西島の上で体勢を変えて、背を向ける。 白い背中が西島の視界に入る。 背から腰にかけてのラインが前よりも色っぽくなった気がした。 お尻が見えて、相変わらず可愛い尻だな。なんて思う。 そして、碧がお尻を突き出すような体勢へと変えた。 西島の目の前には碧のマシュマロ尻が。 ◆◆◆ うう、恥ずかしい!!恥ずかしいです! いつも、裸は見られているけれど、こういう風な格好をした事がないし、顔の前にお尻を自ら突き出すなんて!! 碧の目の前には西島のJr。 舐めると大きくなる…… それが碧を気持ち良くしてくれるのだ。 ちひろさん、上手いって言ってくれました!! 僕、頑張ります!!!

ともだちにシェアしよう!