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幸せって意外と近くにあるもんですね 26話
◆◆◆◆
「星夜くん、お風呂入りませんか?」
碧はお風呂の準備をして、斉藤に声をかけた。
「えっ?碧、風呂の準備してくれたんだ?」
驚く斉藤に「はい」と笑顔で返す碧。
「ありがとう」
「どういたしまして、あ、一緒にはいりますか?」
「えっ?」
碧の言葉にドキっとする斉藤。
一緒に?えっ?碧と?
碧の裸を見れるって事?……に、西島部長が知ったら怒る、いや、殺されるかな?
入りたいけれど、でも、「は、入ってもいいけど、部長がヤキモチ妬くと思うよ?いいの?」と一応確認。
色白の碧の裸はエロそうだなって思う。
乳首は1度見た事はある。少女みたいな可愛い乳首だった。
膝に抱っこしてもいいのかな?
なんて、想像までしてしまう。
「ヤキモチですか?妬きますかね?ちひろさん」
何やらキョトンとしている碧。
えっ?天然?碧……分かってないのか?
「妬くだろ?お風呂だぞ?」
「お風呂くらい大丈夫ですよ!」
ニコッと微笑む碧。
嘘おおお!!マジでええ!!マジでいいの?
可愛く微笑む碧に「碧がそこまで言うなら」と承諾した。
「楽しいですよ」
碧はニコニコと笑う。
「うん!」
すっかり元気になった斉藤は風呂へ行く為に着替えを取りに行く。
「先に居ますね」
碧の声。
うおおお!!マジかあ!!
西島部長ごめんなさい。俺、碧とお風呂入ります。
心で西島に謝る。
そして、風呂場へ行くと「おう!待っとったばい」と諭吉が擦り寄って来た。
んん?諭吉?
「諭吉?」
困惑していると、「諭吉、お湯怖がらないんで一緒に入っても大丈夫ですよ!ちひろさんも良く一緒に入ってますから」碧がニコニコしながら諭吉用のタオルを持って登場。
お風呂って諭吉と?
でーすーよーねええええ!!!
心でシャウト。
「ちひろさんが猫とお風呂入ると癒されるっていつも言ってるんで……僕もですけどね。諭吉がお風呂に浸かる姿見ると和むんです」
ニコッと微笑む碧。
「ありがとう」
そういうしかない。
まさか、碧と風呂に入る気でした。とか言えないし。
「僕、片付けしてますね」
碧は風呂から去って行った。
残された斉藤は足元の諭吉を見つめ「風呂入るか?」と聞いた。
「おう!」
斉藤にはニャーと聞こえ、返事しているよに聞こえて確かに和んだ。
まあ、いいか……と服を脱ぐと諭吉と風呂へ。
◆◆◆
恵と愁は佐々木のマンションに着いていた。
「行くぞ!」
「本当に行くんですか?」
乗る気ない感じの愁。
「当たり前だ!連れて帰る」
「で、傷心の星夜くんを抱くっていう計画ですか?」
愁は相変わらず鋭い。
「う、うるさい」
「連れて帰るのはいいですけど、レイプは犯罪ですからね、分かってます?」
愁に詰め寄られ、恵は思わず目をそらす。
「とりあえず行くぞ!」
車から降りると愁とマンションの中へ。
佐々木の部屋のチャイムを押す。
暫くするとガチャと鍵が開く音が聞こえ、ドアが開いた。
恵はドアを開けた者を自分の弟と疑わずに相手が顔を出した瞬間に力強く抱き締めた。
「星夜、迎えに来たぞ、帰ろう!」
抱き締めて言葉にするが、抱き心地が違う事に気づいた。
愛する弟より小柄で……あれ?と思った。
「苦しいですう」
声も違う。しかも、どこかで聞いた声。
「恵さん、抱き締めている相手、星夜くんじゃないですよ」
愁の声で抱き締めた相手を見た。
クリクリとした大きな瞳が自分を見上げている。
「あ……おいくん」
抱き締めた相手の名前を呼んだ。
抱き締めた相手は碧だった。
あれ?ここって佐々木のユウちゃんの部屋だよな?
「恵さん、何時まで抱き締めているんですか!困ってますよ、相手」
愁の声で「あ、ごめん」と碧から離れた。
「星夜は?」
「星夜くんは諭吉とお風呂です」
「んん?諭吉?誰かな?」
知らない名前が出て、ただでさえ混乱中の恵を更に混乱させた。
「猫です」
「猫?えっ?猫飼ってんの?」
あれ?飼ってたっけ?とまた混乱。
「いえ、僕の猫です」
ニコッと微笑む碧。
「あ、そうなの?」
「あの、星夜くんお風呂なので、ちょっと待って下さいね、お兄さんが来た事を教えてきます」
碧は恵を置いて風呂場へ。
「恵さんが混乱している顔、初めてみました」
くすくす笑う愁。
「なんか、面白い感じの子ですね。天然って感じで恵さんの何時も調子を崩しまくってる」
「……うるさいよ」
恵も同じ事を考えていたのか面白くないという顔で愁を見た。
確かに調子が狂う。
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