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好きな人を守る騎士になりたいです。7話

◆◆◆◆ スーパーに寄って西島のマンションへと帰って来た4人。 「着替えてくる」 西島は碧を連れて着替えに行った。 「此上、マグロ、マグロは買うたやろな?」 諭吉は此上と神林の周りをウロウロ。 「マグロ?諭吉、お腹空いたの?」 神林はスーパーの袋から食材を出しながら諭吉に話かける。 「マグロば食べたか!」 「マグロって言ってるな、凄いな、マグロ買ったのをちゃんと知ってるんだな」 クスクス笑いながら此上は鮮魚コーナーで選んだマグロを取り出す。 「おお!!マグロばい!マグロ!!はよう!」 諭吉のテンションはマックス。 「あはは、可愛いなあ!」 此上は諭吉用の器にマグロを入れる。 諭吉はガツガツとマグロを食べ始めた。 「美味いばい、マグロは美味いばい!」 ガツガツ食べる諭吉。 「本当、凄い食い付きだよな」 此上は諭吉の頭を撫でる。 「諭吉、あまり碧ちゃんに迷惑かけちゃダメだぞ?泣いちゃってただろ?」 マグロをガツガツ食べる諭吉に優しく注意。 「まあ、分かんないだろうけど」 じーっと食べる姿を見つめる此上。 「なんか、諭吉ってちゃんと理解してる感じしません?千尋が話かける時も相槌とかタイミング合うし、きっと、専務が猫好きだって見抜いてる感じもするし」 神林も諭吉を見つめる。 「確かに不思議な子だよなあ……なんせ、千尋が俺に言わない事を諭吉に言うっていうのがな」 「根に持ってますか?」 ちょっと笑う神林。 「ちょっとな……千尋の心開かせるの、凄く時間かかったからさ……まだ、ちゃんと言葉に出来ていない部分もあるし」 少し寂しそうな此上。 「篤さんは身近過ぎちゃうんじゃないですか?ほら、子供って親には大事な事言えなかったりするでしょう?でも、友達には言える……篤さんが親で諭吉が友達……そんな感じじゃないですかね?」 神林の精一杯のフォロー。 自分も相談してくれる友達になりたいと思う。心に隠していないでちゃんと言葉にして欲しい。 此上が神林を好きだと知っていた過去にも驚いたし、自分が原因で心のバランスを取れなくなって入院したり……凄くショックな告白だった。 でも、あの当時聞いていたら、自分はどうしただろう? ちゃんと心を軽く出来ただろうか? 考えても答えが出ない。 ◆◆◆◆ 「ちひろさん、そのスーツ」 高いスーツを見つめる碧。 「ん?これ?専務のおさがり、返しに行ったんだけど、もう着ないからって貰ったんだよ」 「ええ!!凄い!高そう!」 「高いだろうなあ、ブランド物だし」 「す、凄いです!専務、そういうのをあげちゃうんですね」 「そうだな」 有難く貰ったものの、確かに高いスーツだ。 お礼しなきゃダメだろうな?と考える。 「そのスーツ、凄く似合ってます!ちひろさんはスーツ凄く似合ってますからね!高いスーツも着こなせるって憧れます」 碧は興奮したように言う。 「僕はスーツ着ても七五三みたいだし、高校の制服っぽいって前に兄達に言われて」 今まで興奮していた碧はションボリとした表情に変わる。 「碧は童顔だからね……でも、あと、数年したら大人の顔になると思うから似合ってくるよ、俺だって、新人の頃はスーツ似合っていなかったし」 西島は碧の頭に手をふわりと置く。 「本当ですか?僕も似合うようになりますか?」 「なるよ」 ニコッと微笑まれて碧は嬉しくて笑う。 その笑顔が可愛くて抱きしめたくなる。 「涙止まって良かった」 頭に置かれた手が移動して、碧の頬に当てられる。 「泣いてごめんなさい」 「ううん、いいんだ、泣き顔可愛いから、俺は好きだよ?」 西島はそういうと顔を近付けて頬にキスをした。 チュッ!と触れた唇。 「ちひろさん」 カッコイイ……ちひろさん、騎士様みたいだ。 今日のスーツがカッコイイからかな? 「ちひろさんが専務に言った言葉……僕嬉しくて泣いちゃいました」 「えっ?」 西島は碧が泣いた本当の理由にようやく気付いた。 「大事な人……僕の事ですよね?」 もちろんそうなのだが、聞いてみたい。 「そうだよ……碧以外、いないよ?」 「凄く嬉しくて……胸がきゅんって鳴るんです!ちひろさんと出会ってから、僕ずっと……胸がきゅんってなります」 「碧」 碧の告白は可愛くて嬉しくて、思わず唇にキスしてしまった。 チュッ、チュッ、ってキスを繰り返し、西島は碧のネクタイを外し、シャツのボタンをはずしていく。 ボタンを外す度に露わになる白い肌。 そのに唇を押し付け、そして吸う。 「あんっ」 碧は甘い声を漏らす。 唇が段々と下へとさがっていき、ピンク色の突起物を軽く吸う。 「あっ」 吸われた碧は可愛く声を出す。 チュクチュクと吸う音が聞こえてくる。 「んんっ」 気持ちいい……気持ちいいよう……ちひろさん。 気持ち良さに息が荒くなるのを自分で感じる。 西島の両手は碧のマシュマロ尻へと伸び、そこを揉みだす。 「んん、ちひろさん……」 お尻を揉まれて碧は興奮気味に名前を呼ぶ。 「……ぼく……いきそう」 その言葉で西島は乳首を吸うのを止めて碧の顔を見る。 頬が赤い。 モジモジと身体をくねらせる碧。 西島は高いスーツを急いで脱ぐとシワになるのも構わず、ベッドに頬り投げた。 碧の穿いているズボンを一気に脱がすと彼をお姫様抱っこして、風呂場へ! ベッドで抱くわけにも行かない……だって、此上達が居る。 居るのを分かっていて、碧にちょっかいを出してしまった。だって、可愛いから! 風呂場から「此上、スーツかけてて!」と叫んだ。

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