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好きな人を守れる騎士になりたいです 21話
◆◆◆◆
仕事しないわけにはいかないので、暫くして戻った。
戻った時には少し落ち着いていたので、一気に質問攻めはされなかったので安心した西島。
まあ、それでも2人の事は聞かれた。
何時から付き合っていたのか?やら、西島は知っていたのか?等。
適当に質問に答えて、「仕事しろ!」の一言でその場を収めた。
◆◆◆
「諭吉ただいま」
2人仲良く帰宅。
「おかえりばい……マグロこうてきたか?」
西島が下げているスーパーの袋の匂いをクンクンと嗅ぐ諭吉。
「ちゃんと買ったよ」
碧は靴を脱ぎながらに言う。
「おお!早う食べたか」
諭吉はグルグルと碧の周りを歩く。
「こら、諭吉、邪魔!」
西島は片手でヒョイと抱き上げる。
「ちひろさんスーツに毛がつきます!」
「いいよ、後でコロコロするから」
碧は西島のこういう所も好きだ。
本当に猫が好きなんだなって……高そうなスーツを着ている西島なのに、全く気にしない。
あっ……そうだ。専務も気にしない人だった。
諭吉の毛がつくのに抱き上げて可愛いねって……やっぱり、猫好きには悪い人はいないのかな?
専務、話した事なんてあまりないから、緊張するけれど、怖くないよね?
ちひろさんも平気そうだったというか、立場上、話す機会があるから親しく見えるのかな?
碧は色々考えながら、部屋へ行き着替えをする。
猫連れて来てねって言われたけれど、本当に連れて行っていいのかな?それとも、社交辞令なのかな?
よく、分からない。
「マグロおおお!!」
キッチンで諭吉がマグロコールをしている。
「本当、お前は大人しく待てないのかよ」
「大人しく待つ方がおかしいやろが、こげん、美味しいものば前にして騒がないのはマグロに失礼ばい」
「相変わらず……屁理屈が凄いよな、お前……本当、誰に習うんだ?」
「テレビ」
「は?テレビ?」
西島はスーパーの袋から食材を出しながら話していたが、その手が止まった。
「ニッシー達が行った後はテレビば見よる」
「……見てんのかよ」
「リモコン押したらつくやん、ドラマとかニュースとか見よる」
「凄いな諭吉」
それは西島は素直に凄いと思い、尊敬してしまった。
「芸能ニュースはニッシーより詳しいばい」
「寝てばっかだと思ってたよ」
「テレビつけて、ウトウトすると気持ち良かとばい」
「オッサンか!」
西島は一言突っ込み入れるとまた食材を袋から出す。
「ちひろさん、後やりますから着替えてきて下さい、コロコロもしないと」
着替えた碧がキッチンへ。
「ありがとう碧……諭吉、俺達が居ない時はテレビ見てるんだな、凄いな諭吉」
西島はそう言い残して着替えに行った。
「また、テレビ見てたの諭吉」
「そうばい、アニメも好きばい」
「ふふ、そうだね、諭吉はアニメ好きだもんね」
碧は食材を分けて今日使う分はテーブルに、残りは冷蔵庫。
マグロは諭吉のご飯入れに。
「マグロ!!」
目をキラキラさせて、諭吉はガツガツとマグロを食べる。
「ちひろさんって……本当に猫好きだよね、毛がついても気にしないし、諭吉がテレビ見たら凄いって褒めるし」
碧はその場にしゃがみ、諭吉を撫でる。
「ニッシーは碧と同じ素直とばい。猫好きに悪い奴はおらん」
「うん、僕もそう思うよ……専務もそうかな?」
「そうばい、抱っこするのも慣れとったしな、飼ってたっていゆのは本当やろな」
「連れて来てねって言ってた……」
「そうやな言うとったな……オヤツくれるとやろか?」
「もう、諭吉は食いしん坊なんだから」
碧はクスクス笑う。
「また、会社行く?」
「おお!!行きたいばい!みんな、オヤツくれる」
うーん、また……連れて行ってみようかな?と碧は思った。
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