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好きな人を守れる騎士になりたいです 22話
◆◆◆◆
それから暫くして斉藤と佐々木は一緒にアメリカへと行った。
佐々木の行動力は凄いな!!と西島は思う。
彼はちゃんと好きな人を守ったのだ。
「佐々木は決めるとこ決めるからムカつく」
昼休み、神林の所へと碧と来ている西島はボヤいている。
斉藤と結婚する話はもう全ての社員が知っていて、男同士の結婚に嫌そうな顔をする人はいてもそれに関して悪口を言う者は居なかった。
それよりも、隠さず堂々と結婚宣言した佐々木は女性から「佐々木部長カッコイイ!!」と騒がれている。
「斉藤くんの為に全てを捨てちゃうってカッコイイからね!女性は騒いでるだろ?少女漫画に出てきそうだからね、御曹司が家より恋人を選ぶってやつ……しかも、斉藤くんは男の子だし……なんていうの?ボーイズラブの漫画っぽいね」
確かに!一部の女性スタッフから漫画っぽい!とキャーキャー言われていた。
本当、つくづくオイシイ所だけ持っていく奴だよ!!
神林の言葉に頷く西島。
「次は千尋かな?」
ニヤニヤする神林。
「ちひろさんですか?」
キョトンとしか顔の碧。何が次なのだろう?という顔。
「好きな人を守る強い人の事」
結婚の事を言いたい神林だが、なんせ、碧はまだ未成年だし、子供だ。
いつかはちゃんとするだろうが、まだ少し先……。西島の方が佐々木より複雑だから。
碧の両親には報告していても、自分の親には碧の存在さえ伝えていないはず。
どうするつもりなのだろう?と考えるがそれは神林が軽々しく口にしてはいけない事。
なので、そういうニュアンスを選んだ。
「それは騎士ですか!」
キラキラとした顔の碧。
ああ、そうだったこの子は騎士に憧れている。
こういう子供っぽさもまだ残っているので結婚はまだ先のような気がする。
「そうだね、碧ちゃん騎士に憧れてるもんね」
「はい」
元気に返事をする碧を可愛いと思う神林と西島。
「碧は俺が守るから、俺が騎士だよ」
西島は碧の頭を撫でる。
「ぼ、僕もなります!!なりたいんです!ちひろさんを守れる騎士に!」
グッと両手で拳を握り興奮気味に言う碧。
「ありがとう碧」
「……今はまだなれないかも知れません!子供だって知っているから……でも、大人になって、ちひろさんを守れる騎士……あ、違う、人になりたいんです!守れる大人になります」
必死に誓ってくれる碧。
本当に可愛くて愛しい。
「碧……うん、そうなるの待ってるよ」
自分が守ってあげたいし、これから先もずっと碧を大事にして守っていきたい。
それは碧も同じで……これから先もずっと一緒にいてくれる。それが嬉しい。
「ずっと、一緒にいてくれるんだ?」
「はい!ずっとです!」
「碧」
「ちひろさん」
見つめ合う2人。
「……そこから先はベッド貸すから」
神林の冷静な突っ込みに2人の世界から戻ってきた2人は照れ笑いをする。
「じゃあ、借りる」
「えっ?」
西島の大胆な言葉に碧と神林の声がかぶる。
碧の腕を引っ張り、立たせると「ちょっとだけ借りる」なんて大胆な言葉を放ち、本当にベッドへと行くと四方のカーテンを閉めた。
えーと、まじか!!
神林は顔が熱くなってしまった。
まさかの喘ぎ声が……ええっ!!!
可愛い碧ちゃんとちひろの……。
想像するとさらに熱くなるので、水をカブのみする神林だった。
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