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臆病者は弱いんじゃなくて優しいのです。3話

シャッ!!とカーテンが開いたので神林はビクッ!となった。 「仕事戻る」 何時もの西島で、服が乱れているとかもなく……あれ?俺だけ変態モードだったのか?と思ってしまうほど普通。 上着もきちんと着ている。 「碧は寝かせておいてくれる?後で迎えに来るから」 「へ?碧ちゃん……何で?」 「寝ちゃったから」 そう言って西島はカーテンを閉めた。 碧ちゃん……寝かせてたのか?んん?寝かせる程に夜……やっちゃったって事? あああ!!違う!違う!変な事を考えるな! 「神林?……コーヒーくれ」 1人悶々としている神林にコーヒーを要求。 「あ、はいはい」 神林も考えを切り替えようと自分の分も煎れる。 ◆◆◆◆ ベッドの中の碧は仕事に戻るというのを止められた。 理由は色気出しまくりの碧を誰にも見せたくないから、だった。 自分には色気もなにもないって言ったけれど、碧を見てたら勃起しちゃうから仕事にならない!って言われたらベッドに居るしかないじゃないか!と自分に言い聞かせた。 僕を見て……エッチな事を考えてくれるとか……ちひろさん……僕は子供じゃなくなったんですね。 碧はそれが1番嬉しい。 初めの頃、碧が子供だからって手を出すのを躊躇っていた。 なのに今は……。 ベッドの上でおちんちんを触られてイかせられた。 出会った頃からすると信じられない。 屋上でもフェラをした。 僕!僕!星夜くんみたいな大人だってちひろさん思ってくれてるんですね!僕嬉しいです。 きゃーと喜びたいのをグッと我慢してシーツの中で大人しくする碧だった。 ◆◆◆◆ 「碧ちゃん」 そろそろ起さないとダメかな?と神林はカーテンを少し開ける。 そこには熟睡中の碧。 可愛い! 「碧ちゃん、そろそろ起きないと夜眠れなくなるよ?」 近付いて肩を掴んで揺する。 「ん……」 薄く目を開けて神林を見る。 「碧ちゃん」 「ちひろさん……」 碧は起き上がると神林の首筋に抱きついた。 「ちょ!!」 「ちひろさん……」 完全に寝惚けている。 「碧ちゃん、起きて!」 慌てて身体から引き離す。 「ちひろさん……」 碧は完全に西島と勘違いしているのか、神林の頬にチュッとキスをして、そのままズルズルと神林の方へ身体を預けてきた。 まじかあ!!千尋に殺されるうう!! ドキドキしながら碧をベッドに寝かせる。 これは、西島に起こして貰うしかない! カーテンを閉めて息を吐く。 「神林」 西島の声がして、神林は飛び上がる程に驚くのであった。

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