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臆病者は弱いんじゃなくて優しいんです。 7話

◆◆◆◆◆ 碧が待ってるから早く帰りたい……と西島は思っている。どうにかして早く帰る方法ないかな?と考え中。 用事ありますから……は通用しないし。でも、帰りますでも許してくれそうだよな……話分かる人だし、と悩む西島。 あ、電話で呼び出して貰うって手もあるな? 西島はトイレに立つふりをしてこっそりと此上にLINEを送る。念の為に今居る場所の地図も付属した。 ◆◆◆ 「公園の猫ちゃん達元気だった?」 食事を作りながら神林は碧に話し掛ける。 「はい」 「俺も猫飼おうかな……公園の猫ちゃんとか諭吉見てたら飼いたくなる」 「猫可愛いですよ!癒されますし」 「だよね、千尋も癒されまくりみたいだし、よく諭吉に話しかけてるでしょ?諭吉ってタイミング良く鳴いてくれるから会話しているみたいで面白い」 クスクス笑う神林。 神林先生……諭吉が話せるって言ったら信じてくれるかな?でも、声聞こえないと無理だよね? 碧はなんとなく神林と此上なら諭吉が話せると言っても信じてくれるんじゃないかと思う。 「諭吉……こっちが言ってる事分かってる……と思います」 「うん、そうみたいだね、ちゃんとリアクションしてくれるから、俺、子供の頃犬飼ってたんだけど、犬もちゃんと理解しているよね……話せたらいいなって思ったもんだよ」 その言葉に碧は話せますよ!と言いたくなった。 諭吉の声が神林にも聞こえたらいいのに……と思ってしまう碧だった。 ◆◆◆ 「なるほど……君が飲まない理由ってこれか……これなら飲まないよね」 専務はテーブルでうつ伏せで熟睡している西島を見て呟く。 「度数もう少し低いのにすれば良かったかな?ここまで弱いとは思わなかったからなあ」 西島は疲れ気味のせいもあり、すっかり酔いが回ってしまったのだった。 「……このまま、ホテルにでもいこうかな」 専務は会計を済ませるとタクシーを呼んで欲しいとスタッフに頼む。 西島をどうやって運ぼうかと悩む。お姫様抱っこは流石に目立つし……背負うかな? 顔を覗き込むと完全に熟睡。 「本当に君は相変わらず可愛いよね……」 専務は西島の頭を撫でる。 ◆◆◆ 西島父の家につき、玄関まで見送った帰り、スマホが点滅しているのに気付いた。 確認すると西島から。 会議だと言われたのに飲み会だったからタイミング見計らって電話して!という内容と共に現在地の地図まで送られてきていた。 「千尋、お前ほんと、面白い」 会社の飲み会なのにヘルプとかどんだけ、飲み会嫌いなんだよ……と笑いそうになる。 とりあえず電話を入れるが出ない。 これは迎えに行った方がいいのか?と此上は車に乗り込む。

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