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にゃんこ♪第3話

結局、逃げ切れずメイクされている碧。  女子社員はきゃーきゃー騒ぎながらメイクを試す。  「やっぱ碧ちゃん可愛いーっ」 「お肌ツルツルでプニプニ」 女子社員達は好き放題。 「やっぱ、まだ10代だもんね碧ちゃんはお肌プルプル」 そう、女子社員は全員20代のお姉様方。  逆らえない。  「おー、何だ佐藤また女子のおもちゃにされてんのか」 戻って来た男性社員が集まってきた。  もう帰りたい…… 逃げたいけど逃げれない状況。  「でも、可愛いでしょ碧ちゃん」 メイクされた碧を見て男性社員も頷く。  「佐藤は女の子に生まれた方が良かったかもな」 男性社員も碧の可愛さは認めていた。 散々、遊ばれて…… メイクを落としてくれない女子社員達。  仕方なく隙を見て逃げ出してトイレに駆け込んだ瞬間。 ドンッと誰かにぶつかった。  碧からぶつかったけれど、ぶつかった相手はビクともせずに小柄な碧が弾き飛ばされた。  「あ、悪い」 ぶつかった相手が心配して手を差し伸べてくれた。  「佐藤?」 自分を見て不思議そうな顔をしたのは西島だった。 ぶちょーーっ!  叫びたかったがビックリして声が出なかった。 「あれ?碧ちゃーん、どうしたの可愛くなっちゃって」 もう一人居たのかと慌てた。  人事部の佐々木。  「あの、ちがいます、これ、あの、へ、変な趣味とかじゃなく、」 碧は慌てて立ち上がるとメイクを取ろうとトイレットペーパーでゴシゴシ拭く。  「あ~こら、だめだ」 西島はゴシゴシ拭く碧の腕を掴む。  「佐々木、クレンジング借りて来い」 「はいは~い」 佐々木はどこかへ消えた。  二人っきり…  やばい。  沈黙……が~  碧は何を話して良いか分からず俯く。  やばい、やばい。  何か話さなきゃ!  あ、サンドイッチ!  「あの、あの、サンドイッチ」 ありがとうございます。と付け加えるのを忘れて 「ありがとうございます」 間が空いて間抜けなお礼になってしまった。 「残さず食ったか?」 「はい」 ………会話終了、的な? な、何か話さなきゃ!  でも、何を?  テンパっている碧。  あ~、  やっぱ似てるわ、野良にゃんに。  ビクビクしながらも、クリクリした瞳でこちらを見る。 野良のにゃんこ。  「おまたせ」 碧の緊迫した空気を壊してくれたのは佐々木。 「クレンジングとコットンと洗顔」 洗面台に並べられた。  そして、碧もメイクを落とす時は色々使った事を思い出した。  **** 「あ~、なる程ね、碧ちゃんをお昼見かけなかったのは隠れてたのかあ」 佐々木は頷く。 碧はメイクしている理由をポツリポツリと話す。 クレンジングをコットンに染み込ませ、メイクを取ってくれているのは西島。 「目、閉じろ」 アイシャドウを取る為に目を閉じさせた。  「碧ちゃん、睫毛長いねえ~ツケマじゃないよね?」 閉じたまぶたには長い睫毛が。  それにしても、  コイツはマジで男か?  西島はメイクを落としながら思った。 「後は洗顔しろ」 クレンジングで綺麗に拭き取った西島は洗顔を碧に渡す。 洗顔をしている碧を遠巻きに見る西島と佐々木。 「可愛いなあ碧ちゃん」 佐々木はニヤツいていて、  「変態」 冷静に突っ込む西島。 パシャパシャと水で泡を流す碧の後ろ姿は小動物の水浴び。 洗い終わった碧はモソモソとポケットを触っていて、ハンカチ探しているんだと西島にも佐々木にも分かった。 ………ハンカチない。 びしょびしょの顔のまま戻るわけもいかない碧は困ってしまう。  「佐藤、顔上げろ」 西島の声に顔を上げた碧。  モフっ、  視界が真っ白になった。 「全く、世話が焼ける」 西島は碧がハンカチを持っていないと即座に判断し、自分のハンカチで拭いたのだった。  ゴシゴシとかじゃなく、ソフトタッチで顔を拭いく西島。 真っ白な視界から西島のドアップへと切り替わり碧は、顔が真っ赤になった。 西島部長……俳優さんみたいだ。
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